剣士「く、くそぉ……! まだまだ……!」
女魔法使い「相変わらず体力だけは無駄にあるね。じゃあ、覚えたばかりの魔法を使ってみようかな」
剣士「……?」
女魔法使い「あんたの体力を奪う魔法。“ライフドレイン”!」
ズオオオオッ…
剣士「う、うおおおお……!(吸われる……!)」ガクッ
女魔法使い「ああ……力がみなぎってくる!」ツヤツヤ
剣士「く、くそ……」ガクッ
女魔法使い(だけどこれ威力高すぎるな。もう二度と使わない方がよさそう)
イチオシ記事
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}
<魔法使いの家>
女魔法使い「……オエッ」
女魔法使い(なんだろ、ここんとこ体調悪いな)
女魔法使い(それに心なしか、お腹が膨らんできてる気がするし……お医者さん行ってみようかな)
医者「妊娠してますね」
女魔法使い「へ?」
医者「妊娠……2~3ヶ月といったところでしょうか」
女魔法使い「え……え!?」
医者「これからは十分生活に気をつけて、栄養を取って……」
女魔法使い「ちょ、ちょっと待って! 妊娠って! 私、全然心当たりないんだけど!」
医者「なにをおっしゃる。子供が勝手に出来るなんてありえないでしょう」
女魔法使い「だって私……バーのジンだし!」
医者「大きな声でそんなこといわないで下さい」
バーのジン草
女魔法使い「だからしてないってば……!」
医者「シングルマザーは大変ですし、心当たりのある男性としっかり相談なさった方がいいですよ」
女魔法使い「だから本当に……!」
女魔法使い(ここ数ヶ月、男と絡んだことなんて……。せいぜい剣士と戦ったぐらいで……)
女魔法使い「――あ」
女魔法使い「お師匠様!」
老師「なんじゃい」
女魔法使い「私、何ヶ月か前、お師匠様の蔵に勝手に入って、禁術の書を見てしまったんですけど!」
老師「そんなことしてたんか!」
女魔法使い「もう一度入っていいですか!?」
老師「いいけど……どうしたんじゃいきなり?」
女魔法使い「これだ……! 私が読んで、覚えた魔法!」
≪体力吸収魔法“ライフドレイン”≫
これを使用すると、標的の体力を大幅に奪うことができる。
追加効果として……
女魔法使い「あの時は気づかなかったけど、ここから先が破れちゃってる!」
老師「おお、もしかしたらこの切れ端じゃないか?」
女魔法使い「見せて下さい!」
使用者が女で標的が男だった場合、使用者は標的の子を宿すことができる。
女魔法使い「あ……あああああああっ!!!」
そら禁術になるわ
女魔法使い「……」コクッ
女魔法使い「なんで本のページが破れるような管理をしとくんですかぁ!」
老師「えええ、勝手に入っておいて逆ギレ!?」
女魔法使い「それになんのためにこんな効果が……!」
老師「これはたしか、元々は魔女が開発した魔法なんじゃ」
老師「目当ての優秀な男から体力を奪い、優秀な子供を授かるためにな。恐ろしい魔法じゃよ」
女魔法使い「解除する方法はないんですか!?」
老師「使ってすぐだったら出来たかもしれんが、さすがにもう無理じゃろう」
女魔法使い「ううう……」
損した気分だな
剣士「せやっ! とうっ!」
女魔法使い「こんにちは……」
剣士「! お前から訪ねてくるなんてな……どうした?」
女魔法使い「実は……」
剣士「?」
女魔法使い「赤ちゃん……できちゃったの」
剣士「! そ、そうか……よかったな、おめでとう。で、相手は?」
女魔法使い「あんたなの」
剣士「は?」
女魔法使い「それがね、説明すると……」
……
剣士「あの時の戦いで、お前のお腹に俺の子が出来ちゃった、と」
女魔法使い「そうなの……だから……」
剣士「俺にパパになってくれ、と?」
女魔法使い「まあ、そうなる、かな……」
剣士「ふざけんな! んなことできるわけねーだろ! 本当に俺の子かも怪しいのに!」
女魔法使い「いや、それは本当だから! 命をかけたっていい!」
剣士「かけられてもさぁ……」
女魔法使い「そうだよね……」
女魔法使い「私だって、あんたの立場だったらそういうもん、絶対……」
剣士「……」
女魔法使い「本当にごめんね。それじゃあね……」
剣士「……」
女魔法使い「私……お母さんになっちゃった……」
女魔法使い「どうしよ、本当にこの子育てられるのかな……」
女魔法使い「そもそも無事出産できるのかな……」
女魔法使い「今更、この子の命を絶つなんて、絶対許されないよね……」
女魔法使い「魔法の天才だとかいわれて、調子に乗ったからこうなっちゃったんだ……」
女魔法使い「怖い……怖いよぉ……」
グスッ… シクシク…
Source: V速ニュップ
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