マナー講師の数は増加の一途をたどっていた。
マナー講師A「ノックは二回までにしましょう」
マナー講師B「了解しました、は上司に失礼です」
マナー講師C「印鑑はお辞儀をするように傾けて押しましょう」
これにはある理由があったのだ……。
イチオシ記事
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母「マナー講師だわ!」
子「うわあああっ!」
マナー講師D「ガブッ!」
母「きゃああっ……!」
子「ママーッ!」
母「……」
子「ママ……?」
母「ゲームは一日一時間までにしましょう」
子「ママーッ!」
男「はぁ、はぁ、はぁ……」
女「はぁ、はぁ、はぁ……」
マナー講師E「走る時はしっかり手を振るのがマナーです」ブンブン
男「このっ!」バキッ!
マナー講師E「倒れる時は受け身を取りましょう」ドサッ
男「気をつけろ! マナー講師に噛まれるとマナー講師になっちまうぞ!」
女「分かってる!」
男「気づいたら、世の中マナー講師だらけになってた」
女「まさか、噛んだ相手をマナー講師にするなんて性質を持ってるなんてね」
男「今やどれだけの人間がマナー講師になってるか、想像もつかねえ」
女「私たちは絶対そんなのになりたくないよね」
男「ああ、他人にマナーを押しつける人生なんてまっぴらごめんだ!」
タッタッタッ…
男「あ、すみません!」
通行人「……」
女「大丈夫ですか?」
通行人「謝罪をする時は45度の角度で……」
男「こいつもマナー講師だ!」
女「逃げましょう!」
店員「しゃっせーっ!」
男「ふぅ、どうにか逃げ切れた……」
女「今の挨拶からして、あの店員さんはマナー講師じゃなさそうね」
男「ああ、人心地つけそうだ」
店員「……」
男「?」
店員「コンビニのバイトはしゃっせーと挨拶をするのがマナーです」
男「な、なんだと!?」
女「この人もマナー講師だわ!」
女「ええっ!?」
男「一時的にだよ。人がいなくなったら脱出する」
タタタッ…
男「どこか個室に入って……」
女「二人で?」
男「しょうがないだろ」
利用者「おや、誰か入ってきましたね」
男「……!(人がいたのか)」
男「すいません、すぐ出て行くんで」
利用者「いえいえ、いいんですよ。それより……」
男「?」
利用者「トイレットペーパーは使った後、三角に折りたたんでおきましょう」
男「うわああああっ!」
女「ここにもマナー講師がっ!」
女「あるわ!」
男「どこ?」
女「“マナーなんてクソ喰らえ”って人はきっとまだマナー講師になってないに違いないわ」
男「そんな奴どこに……」
女「ほらあそこ」
ヘヘヘ… マジカヨー… パネー…
男「不良の集団か!」
久々面白い
不良「あ?」
女「ちょっと混ぜて欲しいなって……」
DQN「別にいいぜ。好きにしな」
ピアス「俺らとつるみたいなんて変わってんな。ヒャヒャヒャ!」
男「アハハ……(怖いけどマナー講師になるよりはいいや)」
不良「さぁて、煙草でも吸うか」
DQN「ライターに火を付ける時は左手を添えるのがマナーです」
ピアス「煙草が欲しい時は『一本くれねえか』と申し訳なさそうに……」
男「ダメだ、こいつらもマナー講師になってる!」
女「逃げよう!」
タタタタタッ…
女「どうしてホームセンターなの!?」
男「ほら、色々と武器があるだろ?」
女「たしかにね……工具とか……」
男「それにこういう時は、ホームセンターに逃げ込むのが一番ってどっかで見たことある!」
女「なにそれ!」
客A「みんな、ここでマナー講師と戦うんだ!」
客B「おう!」
客C「絶対マナー講師になんかならないぞ!」
男「おおっ、俺と同じこと考えてる人がいっぱいいた!」
女「これは心強いね!」
男「ここで粘れば、きっと勝機も見えてくるはず。さっそく武器を探そう」
女「うん!」
Source: V速ニュップ
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