男「タイムマシンなんて絶対ありえないんだよ」
女「どうして?」
男「だって今までどこかの時代で未来人が来たことある? なーい! 一度もぬぁーい!」
女「……」
男「つまりタイムマシンは未来永劫発明されないってわけ! アンダスタン?」
女「だけどどこかの時代で来てた可能性も……」
男「なーい! 絶対なーい! だったら未来人来たって書いてある文献示して? できないでしょ?」
女「そりゃできないけど」
イチオシ記事
if(navigator.userAgent.indexOf(‘iPhone’) > 0){
document.write(”);
} else {
document.write(”);
}
男「こっそり? なんでこっそり来るの? 普通過去に来たら当時の人間に接触するよね。しなきゃ意味ないもん」
女「ルールがあるとか……」
男「未来が変わる可能性があるからとかで? それにしたって、未来でタイムマシンが普及してたら普通ルール破りの一人や二人出るよね」
男「それにさ、こっそり来たところで、今……202X年だっけ。地球に何人人がいると思ってるの? 100億ぐらい?」
女「まだそこまでいってないでしょ」
男「とにかく、そんな大勢に見つからずに来るなんて絶対不可能だよ。ふ・か・の・う!」
女「……」
女「なんで?」
男「決まってるだろ。科学的に絶対ありえない装置を出してきてるんだから」
女「だけどSFってサイエンスフィクションの略でしょ? フィクションなんだから……」
男「フィクションとはいえリアリティは必要でーす! リアリティのないフィクションはフィクションじゃありませーん!」
男「ただの妄想です! も・う・そ・う!」
男「タイムマシンが出た時点でそのSFは三流! いや五流といっていいだろうね!」
男「どうも」
女「じゃあ、ここで私がタイムマシンがあることを証明してあげるっていったらどうする?」
男「へえ、どうやって?」
女「簡単なことよ。実は私……未来人なの」
男「は?」
恒星間航行の方が楽かもな
女「だから、私は未来人なの。23世紀から来たの」
男「ぷっ、くくくっ、ギャハハハハッ! どういう冗談、それ。君、俺を笑い死にさせたいの?」
女「事実なんだからしょうがないでしょ」
男「だったら、そうだな……未来人ならこれから起こることが分かるはずだよな」
女「その通りよ」
男「じゃあ、今ここで何でもいいから、当ててみてくれよ。23世紀人さん」
女「うん、分かった」
男「ああ」
女「もう少し歩いたら、転ぶわ」
男「なんだそりゃ」
通行女「……」スタスタ
通行女「きゃっ!」ドテッ
女「ね?」
男「……!」
男「いやいやいや、全然出来てないだろ。君はきっとこう考えたんだ」
男「あの女性はハイヒールを履いている。なおかつ、この辺りの道路の舗装はちょっと粗い」
男「だから、こける……ってね。こんなのはただの推理だ。未来人の証明になっちゃいない」
女「分かった。じゃあもっと他のことを当ててあげる」
男「面白い。何を当てるってんだ」
女「今夜のテレビ番組の内容なんてのはどう?」
男「バカか君は。テレビ番組ってのは、事前に内容が分かるようになってるじゃないか」
女「もちろん、それじゃ分からない部分を当てるのよ」
女「かなり大きな事故だから、真っ先に報道されるはず」
女「それから8時からのバラエティ番組、これ生放送なんだけど、途中で司会者がクイズの答え言っちゃうハプニングがあるわ」
男「ずいぶん具体的だな、面白い」
女「じゃ、もし当たったら連絡ちょうだいね」
男「ああ、分かった。まず当たらないだろうがな」
やはりそうなの?
男「もうすぐ6時か……テレビをつけないと」
男「やれやれ、わざわざリモコンを使うのが面倒だな……こうか?」ピッ
TV『6時になりました。ニュースの時間です』
男「さて、お手並み拝見……」
TV『先ほど入ったニュースです。○×高速道路で大規模な玉突き事故が発生しました』
TV『トラックや乗用車10台以上を巻き込む大惨事となっており……』
男「……!」
男(この事故、俺と彼女が話してる時間の“後”に起こっている……!)
TV『さあ、今夜は生放送で楽しく参りましょう!』
男「ふふっ……なかなか面白いな」
TV『それではここでクイズターイム!』
TV『この画面に徐々に映し出される物はなんなのか当てて下さい! 果たしてどんな壺なのか!』
TV『△□さん、答えいってるじゃないですか! 今壺って言いましたよね!』
TV『あ……しまった!』
男「本当にハプニングが起こった……」
男「もしもし!」
女『もしもし? どう、番組見ててくれた?』
男「ああ……見たよ」
女『ね? 分かってくれた? 私が未来人だって』
男「いや……まだだ!」
女『まだ認めてくれないの? じゃあどうすればいいのよ』
男「今度の休み……競馬場で待ち合わせよう」
女『うん、分かった』
女「競馬場なんて初めて来たわ。で、私にどうしろって?」
男「君が未来人なら、競馬の結果を当てるなんてわけないはずだよな」
女「まあね」
男「だから、今日のレースの予想をして欲しい。一位を当ててもらえばいい」
女「ふうん、まさか私が予想した馬に賭けるつもりじゃないでしょうね。ちゃっかりお金儲けしたいとか」
男「君を信じてない俺がそんなことするもんか」
女「分かった。じゃあ私の力見せてあげる」
女「んー……あの馬」
男「ひ弱そうだし、人気は低いみたいだけどね」
女「だけど、勝つのはあの馬」
ドドドドドド… ワーワー…
女「ほらね?」
男「勝ち誇るのは全レース当ててからにしてくれよ」
女「あの黒い馬」
男「今度は一番人気か……」
ドドドドドド… ワーワー…
女「当たったよ」
男「一番人気が一位になっただけだろ。得意になるほどのことじゃない」
Source: V速ニュップ
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