ギャル「…私が好きなの？」オタク「ｱ…ｱ、ﾊｲ」

ギャル「別に好意っていうか、あんまり惨めだったからっていうか」
ギャル「それって病人とかお爺ちゃんとかに介護する感じっていうか…」

オタク「ｱｯ…」

ギャル「そもそも私オタク君のこと知らないし、オタク君も私のこと知らないよね」
オタク「ｱ、ｱｱ…」
ギャル「手当たり次第やってるのか知んないけど、そういうのってなんか失礼だと思うし、何回告白しても意味ないと思うよ」
オタク「ｱ、ｱｱ、ｱｱｱ…」ｼﾞﾜｯ

ギャル「ご、ごめんって…言い過ぎたかも」

ギャル「そもそも私に恋人いるって思わなかった？」
オタク「ｱ、ｱ…」
ギャル「ま、振られたところだからフリーだけどさ」
オタク「ｱｯ」ﾊﾟｱｯ
ギャル「いや、でもないから」
オタク「ｱｯ…」ｼｭﾝ

ギャル「本当になんか全然知らない人と告白して付き合おうって思えるんだね」
ギャル「ぜんぜんその気持ちわかんないや」
オタク「ｱｯ…」
ギャル「そもそも告白する前くらい身なり整えようとか、アプローチしようとか、好きな人と会うから自分磨きしようとか、思わないの？」
オタク「ｱｯ…」ｼﾞﾜｯ

ギャル「や、責めてるわけじゃないんだけど」

ｷﾀ――(ﾟ∀ﾟ)――!!

どうせ最後までやらないんでしょ

ギャル「…わかった、デートしてあげる」
オタク「ｱｯ…！」ﾊﾟｧﾂ
ギャル「いや、付き合うとかは普通に全然ムリだけど」
オタク「ｱｯ…」ｼｭﾝ

ギャル「勇気出して告白してくれたんだろうし、私もフリーで暇なのは事実だし」
ギャル「私もなんも知らないのに振るのも可哀想かなって」

オタク「ｱ、ｱ…」ｺｸｺｸ

ギャル「じゃあ連絡先交換して」
オタク「ｱｯｱｯ」
ギャル「オタク君がデートの日にち設定して当日まで連絡途切れないようにライン送って話盛り上げて店決めて予約して当日頑張ってオシャレしてエスコートしてね」
オタク「ｱｯ、ｱｯ、ｱｯ！」
ギャル「最低でもそれくらいしてもらわないと私イヤだからね」

しつこいねぇ

ギャル「ラインもうちょっと早く返してね…既読無視されるとイラっとするから返せないなら既読つけないでねっと…」ｶﾁｬｶﾁｬ
ギャル姉「新しい彼氏？」
ギャル「いや、告白してきた子」
ギャル姉「あらあら」
ギャル「なんか可哀想だから教育してる」
ギャル姉「あらあら…」

ギャル「このままだったらあの人一生ひとりだろうし」
ギャル姉「昔からギャルちゃん、小汚い捨て犬とか拾ってくるわよね」

友「オタク氏～最近ペイントゥーン、ログインしてませんな」
友「拙者寂しいですぞ」
オタク「ｱ…」ﾆｺ
友「お、おなごとのライン…！？」
友「オ、オタク氏…なんという…！」
オタク「ｱ、ｱｱ！」
友「ワ、ワンチャンありそうなのですか！？」
オタク「ｱ！」
友「おめでとうございますぞオタク氏…！応援しておりますぞ！」

～デート当日～
ギャル「その服…」
オタク「ｱ！」

ギャル「配色がおじさん臭いし、チェックはやめた方がいいよ」
オタク「ｱ…」
ギャル「チェックが悪いわけじゃないけど、チェックにしとけばお洒落だと思ってる感性がお洒落じゃないよ」
ギャル「そんな使い方なら別に無地でいいよ」
オタク「ｱ、ｱ…」

ギャル「ユニクロでいいって言ったけど、お金あるならアウターはお金掛けた方がいいよ」
オタク「ｱ…」ｺｸｺｸ
ギャル「結構あるんだ、やるじゃん」
オタク「ｱ！」ﾆｺｯ
ギャル「あと靴がボロボロなのちゃんと目立ってるから買い換えた方がいいよ」
オタク「ｱ…」

ギャル「お店、焼肉だったんだ」
オタク「ｱ！」

ギャル「格安じゃないけど、コスパ主義で市場拡大した大手チェーンかあ…」
ギャル「初デートはもうちょっとお洒落なところがいいかも」
オタク「ｱ…」

ギャル「あと焼肉の気分の日ってそう多くないし、匂いつくし、早めに教えてほしかったかな」
オタク「ｱ…」
ギャル「……」
ギャル「でもよく頑張ったね」ﾖｼﾖｼ
オタク「ｱｯ！」ﾊﾟｧｯ

『昔からギャルちゃん、小汚い捨て犬とか拾ってくるわよね』

ギャル「……」
ギャル（オタク君、確かにコギーに似てるなあ）

友「オタク氏、痩せましたかな？　身なりも小綺麗になって…」
オタク「ああ」
友「女の影ができた、という奴ですな…このリア充めい！」ｸｩｰ
オタク「……」ﾆｺｯ

友「昔より活舌もよくなりましたな」
オタク「電話…」
友「ほうほう、最近よく長電話をなさるから、喋る機会が増えて改善されたと」
オタク「……」ﾆｺｯ

友「そろそろ、付き合ってたり…？」
オタク「…ああ、いや」
友「えっ、そういう感じではない、と…」
オタク「ああ…」ｼｭﾝ
友「せっ、拙者はそうは思いませんぞ！」

オタク「……」ﾆｺ
友「オタク氏…」

ﾋﾟﾛﾘﾝ
ギャル「あっ…オタク君からだ」
ギャル「ふふっ！」

ギャル姉「楽しそうね、彼氏君？」
ギャル「そういうのじゃないけど…」
ギャル姉「コギー君？」
ギャル「その呼び方やめて」

ギャル（オタク君、まめに構ってくれるし、なんでも新鮮に反応してくれるし楽しいなあ）
ギャル（最近服装も喋り方もちょっとだけマシになってきたし…）

ギャル（……前の彼氏は、ぜんぜん連絡返してくれなかったなあ）

ギャル姉「あらあら」ﾆｺﾆｺ

リア充「よっ、オタク君」
オタク「あ…リア充君」ﾍﾟｺｯ

リア充「ほらちょっとだけ垢抜けてんじゃんｗこれ俺の罰ゲームのお陰でしょｗ」
リア充友「案外なんとかなるもんだなｗ」
オタク「あはは…」

リア充「実はお前にめっちゃいい話があんのよ」
オタク「うん？」

リア充「般教、俺とお前同じだろ？あのときのグループ作業の後輩が、お前のこと気になってるって言ってんのよｗ」
オタク「…！」

リア充「俺が飲み会セッティングしてやっから、二人で抜け出して二件目行けよｗ」
リア充「お前次第でその日にゴールあるかもな。金貯めとけよ～？」
オタク「あ、いや…」
リア充友「リア充ちゃんマジで優しすぎだろ神かぁ！？オタク、マジ感謝しろよ！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ
オタク「あ…ああ…」

―飲み会―
後輩「オタク先輩、奇遇ですね！」ﾊﾟｧｯ
後輩「グループ作業では本当お世話になっちゃいました！」

オタク「ああ…」
後輩「あのときの先輩凄く頼りがいがあって…！」

リア充友「そんなつまんない奴じゃなくて俺と喋ろうぜｗ」

後輩「オタク先輩はつまんなくなんかないっすよ」
後輩「落ち着いてるし、それにペイントゥーンのレートすっごい高くて…！」

リア充友「ゲームのレート高いからなんだよｗｗｗ」
オタク「……あはは」

後輩「先輩、クールだし、顔も格好いいし…！」
リア充友「趣味悪いよ～後輩ちゃんｗ根暗なだけじゃんｗｗｗ」
リア充友「それにこいつ、ちょっと前までスゲーデブでｗｗｗ」

オタク「…別に、俺は格好よくないよ」

後輩「そんなことありません！」ﾊﾞﾝｯ
リア充友「急にキレるなよ、おもろｗｗｗ」

リア充「お前、ちょっとは空気読めよ、な？」ｶﾞｯ
リア充友「あ、いや、別に…場を盛り上げようと…」

リア充「なんか今日めっちゃお前つまんねえじゃん。トイレ行って来い、酔ってんだろ」
リア充「俺ここ座るから、お前代わりの卓入っていいぞ」
リア充友「あ…ああ…」

リア充「ごめんなぁ、オタク君」ﾆｺﾆｺ
オタク「…い、いや」

後輩「うぇへへえ、駅同じですねえ、先輩」
オタク「…後輩さん酔ってる？」
後輩「酔ってませんよぉ～先輩」
オタク「そ、そっか」

後輩「この駅、可愛いカクテルいっぱい置いてるバーあるんですよ」
後輩「飲み足りなくって、付き合ってくれたりしませんか？」

ピロン
ギャル『今何してるの～？　寂しいから通話したいなあ』

オタク「……」
オタク「ごめん、今日はちょっと…」

後輩「…そうですかあ」ｼｭﾝ

これどうせ完結しないの知ってる

進んでるやんけ！！！