今から30年程前……時代はバブル期と呼ばれていた頃、筆者は俗世間の賑わいとは無関係な大学生でした。そんなある日、悪友に誘われ初めてパチンコへ連れて行かれました。店内に入るのは、初めてでドキドキしたことを覚えています。
当然、パチンコのやり方も知らず、悪友に尋ねると「ココを狙って玉が入ったら大当たりだから……」とシンプルすぎるアドバイスが返ってきました。
ビギナーズラックとは恐ろしいもので、見様見真似遊び始めて10分程たった時、教えて貰った“当たりの穴”にパチンコ玉が入り、まるで機械が壊れたかの様に銀玉の大洪水が始まりました!
後年、筆者はそんな思い出を呼び覚ますかのようなアニメ作品に出合います。それは『逆境無頼カイジ 破戒録篇』。本作に登場する“パチンコ台【沼】”は、三段目のクルーンの当たり穴に一発でも入ればジャックポット。
獲得金額はなんと最低でも3億円!!
カイジは坂崎と遠藤と組み沼を攻略します。その出玉の貸し玉料は1玉=4,000円。通常の1,000倍と、正に闇カジノとはいえべらぼうなレートです。
最終的にカイジは7億2,910万円を獲得。1玉=4,000円ですので、出玉は18万2,275発! 3,000発の入る玉箱で61箱です。これはパチンカーならずとも一生に一度は経験したい……!
しかし、カイジたちは一体どれだけの金額とどれだけの玉で沼を攻略したのでしょうか?
てなわけで、調べてみました。
■前提条件
・費用はカイジ視点のものとする
・カイジ、坂崎、遠藤の三名が使用した金額及び金利の合計を算出
・坂崎が店員へ送った賄賂等不明瞭な経費は除く
■“パチンコ台【沼】”攻略費用計算
貸し玉料金
1回目(坂崎挑戦):4,362万円
2回目(坂崎挑戦):600万円
3回目(カイジ挑戦):7,000万円
合計金額:1億2,962万円
総貸し玉数:1億2,962万円÷4,000円=3万2,405玉
作業等経費
パチンコ台【沼】複製台作製:600万円
作業費及び人件費等々:1,000万円
合計金額:1,600万円
利子
軍資金:5,000万円の30%/1日×1日=1,500万円
作業費及び人件費等々:1,000万円の30%/1日×6日=3,800万円
※10万円以下切り捨て
軍資金追加分:1,000万円の30%/10分×100分=1億2,785万円
※1万円以下切り捨て
※すべて複利計算
合計金額:1億8,085万円
総合計金額3億2,647万円
如何でしょうか? 何だかんだで、結構な金額を使用していますね……。軍資金の金額が1億3,000万近いのは驚きですが、それ以上に驚くのは金利の額です。
裏社会のお金とはいえ、軍資金以上に掛かっています。結果として、かなりの金額が掛かってしまいました、もう少し費用が抑えらればと思うのですが……。
しかし、カイジには地下施設へ期限内に戻らないといけませんし、遠藤は借金に追われ、坂崎は社長の金庫から無断でお借りしているという三者三様の強烈な縛りがある中でのチャレンジですから、多少のごり押しも致し方がないということでしょうか?
しかし、これだけのお金を使っても4億263万円の利益となります。それぞれの支払い等々で個々に残るお金は雀の涙の方もおられますが……。
確かに夢はありますが、実際にチャレンジするには相当の勇気と度胸と財力が必要なようですね。
■参考文献及び資料
テレビ 【逆境無頼カイジ 破戒録篇】
ウィキペディア 【賭博黙示録カイジ】
ホ-ル総合商社河内堂 【玉箱Z2】
※画像は日本テレビ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』公式サイトより。
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文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
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Source: PASH! PLUS