『機動戦士ガンダム』のプラモデル（ガンプラ）が発売されたのは1980年と今から40年以上も前で、当時は大ブームが巻き起こりました。筆者もガンプラに夢中で、完成した1/100スケールのプラモデルを前に、モビルスーツの格好良さと実物の大きさを想像して感嘆していました。
現在では、等身大のRX-78-2 ガンダムが作られた他、中国上海にはフリーダムガンダム、お台場には19.7mの実物大ユニコーンガンダムがあります。
個人的にはガンダム以外の等身大モビルスーツも観てみたいところです。特に、3月26日に新作ガンプラが登場したドム！ 筆者も好きだったMSのひとつで、そのフォルムには圧倒的な重厚感かつ存在感があり、劇中では黒い三連星が搭乗していた機体の活躍が印象的です。
型式番号：MS-09 ドム
頭頂高：18.6m
本体重量：62.6ｔ
出力：1,269kW（70,000馬力）
ドム3機による伝説の連携攻撃“ジェットストリームアタック”が等身大で再現された暁には、国内はもとより海外のガンダムファンも大喜びでクールジャパンの名が世界に轟くことは間違いないはずです！（重ねて申し上げますが、あくまで個人的な意見です）
ところで、ドムと言えばホバー移動や低出力ながらビーム兵器を搭載するなど、まさしく“ジオン驚異のメカニズム”が詰まった機体です。そこで気になったことがひとつ。MS-09 ドムの出力を再現するとどうなる＆いくらかかるのでしょう？ 早速調べてみました。
MS-09 ドムの出力を再現するとどうなる＆いくらかかる？
ドムの主動力は原子核を融合させる際に生じるエネルギーを利用する動力機関の“熱核融合炉”で、ホバーに関しては、空気を吸い込み熱核反応（核分裂または核融合）の熱を利用して膨張させ、噴射することによって推力を得る“熱核融合ジェットエンジン”とのこと。残念ながら、こちら実用化のめどは立っていないようです。開発するとなるとそれだけで国家予算並の費用が掛かるかも知れません。
そもそも、“熱核融合炉”という名称からかなり危険が伴いそうなので、現在の技術で再現するならば電力を使うのが安全になりそうです。さらに太陽光発電を使用すれば地球にも優しい……。蓄電池があれば、昼間に充電しておけば夜間での戦闘も心配ありません。
そこで、太陽光発電システムで動かす場合を計算してみると以下の通りとなりました。産業用太陽光発電システムを調べてみると“サンテックSTP305S20/wfw”の設備（216枚）で最大総出力65.88kW、蓄電池出力29.7kW、初期費用総額14,950,000円となります。
1,269kW÷29.7kW＝43セット
14,950,000円×43セット＝6億4,285万円
※小数点以下四捨五入
いかがでしょうか？ 最新鋭の戦闘機F35Aが52億円（ロッキード・マーチン社が提示した米軍仕様の大まかな量産単価）であると考えるとかなり安いですが、それでも結講な金額ですね。また、これは出力を再現する場合のみの価格となるので、実際に等身大のドムを作るとなるとさらにとんでもない金額が発生しそうです。
ちなみに面積は下記の通り。東京ドームの面積（建築面積）が46,755㎟なので、今回の方法で出力を工面したドムがジェットストリームアタックを行った場合、大体同じくらいの面積となります。値段よりもこちらのほうがヤバそうです。現実ではこれだけ大きくなる動力源を機体に収めるとは、さすがジオン驚異のメカニズム……！
1650mm×992mm ＝1,636,800㎟（1枚）
1,636,800㎟×216枚＝353,548,800㎟（1セット）
353548800㎟×44セット＝15,202,598,400㎟（ドム1機分）
15202598400㎟＝15,202.5984㎡
15,202.5984㎡×3機＝45,607.7952㎡（ドム3機分＝ジェットストリームアタック）
なお、ガンダムの等身大を作成した時の価格は公表されていませんが、ガンダムの作成を積算された千葉工業大学未来ロボット技術研究センターの古田所長によると、約800億円で時速8kmでの歩行が可能であるとか。
夢のような話で現実的ではないと思われる方も多いと思いますが、筆者が初めてガンプラを作っている頃は、まさか40年後に等身大ガンダムができるなんてそれこそ夢にも思いませんでした。
ですから、決して等身大ドムも不可能ではないと確信しています、技術の進歩は我々の考えているよりも早く進んでいます、“アニメじゃない ホントのことさ”となる日を心待ちにしましょう！
参考文献及び資料
参考文献及び資料
TVアニメ『機動戦士ガンダム』公式サイト
ウィキペディア：ガンダム、ドム
ガンダムＷiki：熱核ジェットエンジン】
Ｗeblio辞書：熱核ジェット
クラベル：2021年日本全国の実物大ロボットまとめ13選
日本経済新聞：次世代新幹線が試験走行 JR東、時速380キロ到達
J-CAST ニュース：ガンダム制作費800億円！でも、時速8キロしか走れない
タイナビNEXT：2021年の産業用太陽光発電の導入費用は？
時事ドットコム：【特集】日の丸ステルス F35
STP305S -20/Wfw- サンテックパワー
東京ドーム公式サイト
※画像は公式サイトをキャプチャーしたもの。
(C) 創通・サンライズ
文・内海 健（よしもとライターズアカデミーウエスト）
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Source: PASH! PLUS
