【休日アニメ三昧】映画『ガンダム ククルス・ドアンの島』を観る前に! 『ファーストガンダム』の“ククルス・ドアンの島”のスゴさを振り返る

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 “休日の暇つぶしにアニメを観たい。でも何を観たらいいかわからない!”という人に向けて、編集部オススメのアニメを紹介する“休日アニメ三昧”。今回紹介するのは、アニメ『機動戦士ガンダム(以下、ファーストガンダム)』第15話「ククルス・ドアンの島」です!

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“ククルス・ドアンの島”はTVアニメシリーズにおけるエピソードのひとつ。30分枠のアニメ1話で完結する短い物語です。キーキャラクターとなるククルス・ドアンも、このエピソードにしか出てきません。しかしながら、当時のロボットアニメの常識を破ったこのエピソードはファンから非常に人気がありました。また、2022年6月3日より劇場アニメ『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が公開されます。

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“ククルス・ドアンの島”はどんなエピソード?

 “ククルス・ドアンの島”は『ファーストガンダム』全43話の中では、比較的本筋から外れたエピソードで、主人公のアムロと、敵側であるジオン軍パイロットだったククルス・ドアンとの交流が描かれています。

 コア・ファイターという戦闘機に登場し、訓練をしていたアムロのもとに、連邦空軍から緊急信号が届きます。アムロは、信号に応えて向かった島でククルス・ドアンという人物と遭遇します。

 ドアンはジオン軍で“ザクII”というモビルスーツ(MS)を操縦していたパイロットだったのですが、軍を脱走しています。そして、島で戦災孤児たちと暮らし、連邦軍とジオン公国の両者を相手にたったひとりで戦っています。

 出会った当初はドアンに不信感を持っていたアムロですが、子どもたちに慕われている様子や、子どもたちのために懸命に働くドアンを見るうちに何かを感じ取り始めます。そして、ジオン軍が島を襲ってきたときには、アムロはドアンとともに敵のザクと戦い、島と子どもたちを守ります。

 アムロとドアンの出会いから別れまで1話で完結するので、ちょっと時間がある時に単品でも楽しめます。

※モビルスーツ:『ガンダム』シリーズに登場する兵器の分類。高さ20メートル前後の人型機動兵器。ざっくり説明すると、『ガンダム』シリーズに登場するロボットの総称。

ロボットアニメの常識を変えた敵キャラクターの苦悩と活躍

 『機動戦士ガンダム』シリーズを知らない人向けにざっくりと説明すると、主人公アムロ・レイは地球連邦軍(連邦軍)、ククルス・ドアンはジオン公国軍(ジオン軍)のパイロットだった男で、主人公から見ると敵の組織に属していたキャラクターでした。

 当時のロボットアニメでは、敵の組織と言えば〝悪の秘密結社″というようなイメージで、敵キャラクターもただの悪者として描写されていることがほとんどでした。

 ところが、ククルス・ドアンはかつて敵側の人間であったものの優しい性格の持ち主で、過去への苦悩や葛藤を抱えながら戦う姿が描かれていました。見る角度を変えれば〝敵もひとりの人間″なのだ、と気づかされるこのエピソードは、見た人たちに衝撃と感動を与えました。

 ククルス・ドアンがなぜ軍を抜け、孤児たちを育てながら孤軍奮闘しているのか。そこには辛い過去があったのです。

ジオン軍が地球への侵攻を開始した際、ドアンもジオン軍の兵士として戦っていました。しかし、その戦火に巻き込まれて子どもたちの親が死んでしまい、子どもたちは孤児となってしまいました。

これだけでも悲劇ですが、ジオン軍は子どもたちまで殺すようにドアンに命じます。その命令を拒絶したドアンは軍を脱走し、命に代えてでも子どもたちを守っていく決心をして、子どもたちを育て始めました。そんな経緯があって、ドアンは装備武器すらないザクIIに登場し、たったひとりで戦い続けていたのです。

ドアンの腕は超エース級!? “モビルスーツの格闘技”

 ドアンの操縦しているザクIIには装備武器がありません。しかし、ドアンはアムロの操縦するコア・ファイターや、島を襲ってきたザクIIたちを撃退しています。その際に使うのがドアン流の戦い方。ドアンはザクIIで殴る蹴るなどの肉弾戦と、島に転がっている石を投げつける投石のみで戦います。この戦いをドアンは“モビルスーツの格闘技”と呼んでいます。

 ザク・マシンガン(ザクが使用するMS用マシンガンの総称)を持っている相手にもひるまず飛び掛かる素手のザクII。一発で敵のザクIIの腹部をブチ抜く一撃必倒のパンチ。『ガンダム』シリーズらしからぬ無骨な戦い方は、見た人の印象に強く焼きつけられることでしょう。

 いくらモビルスーツに乗っているとはいえ、機関銃VS素手という条件で勝利してしまうドアンの操縦スキルも圧巻です。もともとドアンの腕が良かったのに加えて、「子どもたちを殺させはしない」という強い意志によって、ドアンの力は限界まで引き出されているのでしょう。このときのドアンの心境を想像すると、目頭が熱くなります。

 『ガンダム』シリーズに詳しくない人でも、子どもたちを守るために懸命に戦うドアンの姿を見れば、熱い気持ちで応援したくなるのではないでしょうか?

 となみに、超エース級の戦いぶりを見せ、子どもたちを守り育て、達観した大人の貫禄を見せるドアンの年齢は、なんと……19歳だそうです!!

 今年から日本でも成人が18歳に引き下げられましたが、19歳はまだまだ若者のはず。ところが、ドアンは渋い感じの大人の男といったいでたちで、威厳と不精髭をまとっています。辛い過去を乗り越え、大きな責任を背負いながら生きたことで、身も心も成長したのでしょうか?

劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の予習にもオススメ!

 まもなく公開の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、その名の通り本エピソード“ククルス・ドアンの島”をもとに作られた新作映画です。しかし、予告やイントロダクションを見ればわかりますが、TVアニメ版と劇場版では異なるストーリーが展開します。

 劇場版の予告では、アムロがドアンの島に降り立つのは“極秘作戦のため”となっている他、ドアンはかつて隊長としてサザンクロス隊を率いていた男で、赤い彗星のシャアに並ぶ伝説的なパイロットとして語られています。

 また、TVアニメ版に登場した戦災孤児はロラン、タチ、クム、チヨの4人でしたが、劇場版ではなんと20人に増えています!

 さらに劇場版ではドアンのザクIIはドアン専用機で、脱走後、ジャンク部品などを使って改修が施されているようです。機体には損傷や修復のあとが残っていて、見るからに荒々しい姿をしていますが、どうやらヒート・ホークは装備しているもよう。ドアンの代名詞“モビルスーツの格闘技”は登場するのでしょうか?

 ちなみに、荒々しさに加えてほっそりとした印象も受けますが、こちらは当時の作画を意識したからなんだとか。こういったニクイ演出を楽しむうえでも本エピソードの視聴はオススメです。

こんな人にオススメ!

 本エピソードの視聴をオススメしたいのは“ガンダムやロボットアニメに興味がある!”、“劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が気になる!”、“劇場版『機動戦士ガンダム』三部作を見た!”という人です。

 まずは『ガンダム』シリーズやロボットアニメに興味がある人に向けて。今でこそ敵側の人物の心理描写があるアニメは珍しくありませんが、当時は“敵もひとりの人間だ”という『ファーストガンダム』の描写はとても新しいものでした。それを象徴する本エピソードは、40年前に放送されたアニメながら、現在でも充分に楽しめます!

 もちろん、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が気になっている人にもオススメです。本エピソードはおよそ30分で視聴できます。また、ドアンの魅力を知ってから劇場に行けば、映画を数倍楽しめるはず!

 また、劇場版『機動戦士ガンダム』を見たという人にもオススメです。と言うのも、本エピソードは、名作回と認められながら“本筋とあまり関係していない”という理由で劇場版三部作では省略されてしまったいるのです。一話だけでも楽しめるエピソードなので、せっかく劇場版を見たのなら、このエピソードも見ないともったいないですよ!

 その他、余裕がある人ば『ファーストガンダム』を第1話から見ていくのもオススメです。まず第15話を見て、気に入ったら第1話から見直すのもアリだと思いますよ!!

文・渡辺晴陽
※画像は公式サイトをキャプチャーしたもの。
(C) 創通・サンライズ

Source: PASH! PLUS

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