舞台『薔薇王の葬列』公開稽古レポ 男女のWキャストが描くゴシックな世界をご紹介!

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2022年5月20日、舞台『薔薇王の葬列』(東京・日本青年館ホール、6月10日~19日)の公開稽古が行われた。

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舞台『薔薇王の葬列』とは、菅野文の同名マンガをもとにしたアニメの舞台化作品である。15世紀のイングランド、ヨーク家とランカスター家が王位継承を巡る争い「薔薇戦争」を舞台に、二つの性を持って生まれたヨーク家三男・リチャードの運命を描く。

 主人公・リチャードは、元乃木坂46で女優の若月祐美と、アーティスト兼俳優の有馬爽人がWキャストで演じる。演出を務めるのは、舞台『MANKAI STAGE「A3!」』や舞台『「黒執事」~寄宿学校の秘密~』を手がけた松崎史也だ。

 今回は、リチャードと和田琢磨の演じるヘンリーが初めて出会うシーンや、見どころ満載のアクションシーンなどが実演された。ここでは、公開稽古で感じ取れたダークで高貴な世界観とその見どころ、そしてキャストが作品に込める想いをPASH!編集部が紹介する。

 二人のリチャードが紡ぐ、それぞれの出会い 

ヘンリーとの出会いなしに、この物語は進まない。

まず実演されたのは、リチャードとヘンリーの出会いの場面だ。若月と有馬が交互にリチャードを演じ、その雰囲気の違いに驚かされた。

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若月の醸し出す芯の強さと柔和さ、そしてどこか儚げな雰囲気に、原作のリチャードを重ねないわけにはいかない。ヘンリーとの対話の中に穏やかな空気が流れていたのも、若月の和やかさゆえのことだろう。

一方、高潔で厳格な印象があったのは、有馬が演じるリチャードであった。有馬の中性的だが力強い声で語られる言葉には、重々しく響くリチャードらしさがある。心なしか、それを受け取るヘンリーにも力強さが宿っており、二人の出会いが荘厳で神秘的なものに感じられた。

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圧巻の熱量!舞台ならではの戦闘シーンに注目

このシーンの見どころは、何と言っても殺陣のアクションだろう。キャスト陣の素早い剣さばきと軽やかな身のこなしは、まさに瞬き厳禁である。特に、華奢な体と小さな剣で戦うリチャードのアクションシーンには、舞台でしか味わえない迫力と熱気があった。この剣舞を衣装姿で舞うキャストの姿を想像すると、その豪華さにさらなる期待が高まる。

その熱量を残したまま、場面はヘンリーが祈りを捧げるシーンやヨーク家の一族が集まるシーンに変わる。豪華なアクションから厳かな雰囲気へと変化する舞台の緩急に、ますます目が離せなくなっていくだろう。

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ホットなキャストコメントをお届け!

そんな舞台を彩るキャスト陣は、作品に対して熱い想いを抱いている。

公開稽古終了後すぐに語られたコメントを、その熱量のままお届けしたい。

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演出 松崎史也さん

『薔薇王の葬列』は、シェイクスピアの戯曲の解釈に漫画・アニメともにシンパシーを感じ、舞台としてやらせていただきたいと強く思いました。特に素晴らしいなと思っているのが、シェイクスピアの物語ではとても醜悪な悪役として描かれているリチャード3世を、両性具有で母親に愛されなかった人物として描くことで、ジェンダーやネグレクトといった非常に現代的なテーマにアップデートしているところ。この作品を自分が手がけることができて、非常に嬉しく思っています。また、今回舞台を作るにあたっては、アナログ感を大切にしています。例えば、舞台美術が回転するのですが、電動ではなく全てマンパワーで動かしています。人間の力で作るからこそ表現できるものを大切にしながら、演劇を愛するキャストの皆さんと作品を作っていけることが今から楽しみです。成功を確信しておりますので、ぜひ観に来ていただきたいです!

リチャード役 若月佑美さん

2.5次元舞台としての面白さも、シェイクスピアの舞台としての面白さもある、とてもおもしろい舞台になるんじゃないかと思いますし、そうしないといけない、とリチャード役として身が引き締まる思いです。男女のWキャストと聞いたとき、自分がお客さんの立場でもとても面白いなと思いました。実際、有馬さんと一緒に稽古をさせていただいているのですが、自分ひとりで男性らしさを出そうとするのは限界があって。何が女性らしくて何が男性らしいのか分からなくなったとき、有馬さんの演技を見て勉強させていただいています。私と有馬さんとでは、同じ役でも全く同じ役ではないリチャードになっていると思うので、皆様にはぜひ舞台が終わったあとに色々と話し合ってもらいたいなと思ってます。

リチャード役 有馬爽人さん

今回の舞台は、初めて挑戦することが多いです。稽古を始めてから日に日に、リチャードの抱える痛みを感じるようになっています。まだまだ本番まで時間があるので、稽古を通してもっとリチャードを追求して原作以上のものをお届けできるように頑張りたいと思います。男女のWキャストということで、若月さんが演じるリチャードと僕が演じるリチャードで物語がまた違って見えるので、1回観ただけでは物足りないと思います。たくさん足を運んでもらって観ていただけたら嬉しいです。

ヘンリー役 和田琢磨さん

この作品は王家の物語でもあり、人の欲望や愚かさ、醜さみたいなものがとても美しく描かれています。それは一見反比例するようにも感じられますが、それを両立させられるぐらいのパワーがこの作品にはあると感じています。キャストの皆様の色々な表情を間近で観られることが個人的にもすごく楽しみですし、それをお客様にお伝えできるように、僕自身も一生懸命頑張っていきたいと思います。 

エドワード役 君沢ユウキさん

王家に生まれてしまったことの幸せと、不幸せを描いた運命の物語です。この作品の中で一番好きなセリフで「なんぴとも運命からは逃れられない」というものがあります。運命に翻弄されてしまう登場人物たちの、非常に心苦しく、重く、奥行きのある物語をよく表しているセリフだと思います。今回は男女のWキャストということで、男性キャストが演じる故の女性である事の苦しみ、女性キャストが演じるゆえの男性になれないことの苦しみなど、同じリチャードという役でもキャストによって全然違う面を持って観られると思うので、楽しみにしていてください。

ジョージ役 高本 学さん

ダンスや歌といった表現が盛り込まれることが多い2.5次元舞台ですが、今回の舞台『薔薇王の葬列』は本お芝居一本で表現しており、チャレンジングな作品です。キャストと演劇、両方のパワーで、『薔薇王の葬列』という世界観を表現できればと思っています。

ケイツビー役 加藤 将さん

作品を通して、「性別がなければもっと違う自由な世界が生まれるんじゃないか」と思わせるところがあり、ものすごく共感しました。物語の面白さはもちろん、そういった部分も含めてお客様に影響を与えられる作品になっているんじゃないかなと思います。ケイツビー役としては、Wリチャードの皆様を最後まで守れるような存在でいられたらいいなと思っています。

ウォリック伯爵役 瀬戸裕介さん

ウォリックは、この作品で一番実直で素直な人物なのではないかなと思っています。私自身、演劇界のウォリックとして舞台に立てていただいてると自負しておりますが(笑)、これから皆さんとお芝居を重ねていくなかで、彼が実直な人物であるという確信を持ちたいと思っています。そして、信頼している松崎史也さんの作品に出演できることを非常に嬉しく思っています。本番では凄いものを皆さんにお届けできると確信しているので、よろしくお願いします!

 エドワード王太子役 廣野凌大さん

この作品のキャラクターは、皆それぞれが正義を持っていて、性と愛に純粋にしがみついているという印象を受けます。2.5次元舞台ではありますが、映像やテクノロジーに頼ることはなく、マンパワーで表現する作品になっていますので、自分自身も純粋にまっすぐ取り組んでいきたいなと思います。

アン役 星波さん

演じさせていただくアンは貴族の娘で、自分の気持ちを優先せずに進んでいかなければならない立場です。ですが彼女はすごく素直で純粋な子なので、最後までそのピュアさを大切に演じていければと思っています。リチャードと関わることが多いキャラクターですが、今回は男女Wキャストということで、おふたりによって私がキャッチできるものも全然違うものがあると思います。それぞれの違いを感じながら演じていきたいと思います。

セシリー役 藤岡沙也香さん

リチャードとの関係性をとことん突き詰めていきたいです。とても信念の強いセシリーを精一杯演じられるよう、まだまだ課題は山積みですが、頑張っていきたいと思います!

マーガレット役 田中良子さん

キャストの皆様と本読みをした際に、この原作にふさわしい色っぽい俳優さんたちが揃っている! と感じました。そのなかで皆様と一緒に作品を作れることがとても楽しみです。ひとりの母親として存在できるように頑張ります。

 ヨーク公爵リチャード役 谷口賢志さん

ここ2〜3年のコロナ禍でずっと寂しい思いをしていましたが、稽古場に来ると、美しい嫁とかわいい子供たちがいて幸せです(笑)。このコロナ禍で演劇の必要性が議論されるようになりましたが、僕は演劇のもつ力を信じていきたいと思いますし、それはまさにシェイクスピアが伝えたかったことなのではないかとも考えています。今回の舞台では、娯楽性も高めつつ、社会と繋がる覚悟を持って、「世界の演劇が必要なんだ」と胸を張って言えるように、命がけでキャストの皆と戦っていきたいなと思っています。

 ジャンヌダルク役 佃井皆美さん

私の演じるジャンヌダルクは主演のおふたりととても関わりがあります。これから稽古を通して、おふたりと関係を深めながら素晴らしい作品を皆さんにお届けできるように、頑張りたいと思います。

 

舞台『薔薇王の葬列』のチケット一般発売日は2022年5 月22日(日) AM10:00~気になった方は今すぐチェックを!

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公演概要

上演日程: 2022年6月10日(金)~19日(日)

会場:日本青年館ホール

チケット料金: 9,900 円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可

一般発売日: 2022 年 5 月 22 日(日) AM10:00~

公式サイト: https://officeendless.com/sp/baraou_stage/ 

Twitter: @baraou_stage

【CM映像はコチラ

 

撮影:角田大樹

(C)菅野文(秋田書店)/舞台「薔薇王の葬列」製作委員会

Source: PASH! PLUS

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