『PASH!』4月号に掲載された映画『佐々木と宮野-卒業編-』/同時上映短編『平野と鍵浦』のインタビューの一部を特別に掲載。本記事では鍵浦 昭役役・島﨑信長さんに『平野と鍵浦』に寄せる熱い想いをお聞きしました!
――短編『平野と鍵浦』の制作が決まったときの心境を教えてください。
『佐々木と宮野』でメディアミックスが広がっていくなかで僕も鍵浦として関わらせていただくことはあったんですけど、鍵くん自身はそんなに『佐々木と宮野』には出てこないので、『平野と鍵浦』というタイトルで劇場にクレジットされると聞いたときは素直に嬉しかったです。以前から平野役の(松岡)禎丞と「いつか『平野と鍵浦』の劇場版が上映されて、短編が『佐々木と宮野』とか『暮沢と彼女』みたいになる日が来たらいいよね。それが想像できるように頑張ろうね」という話をしていたので、すごく感慨深かったですね。
――今回の短編で好きなシーンを挙げるならば?
鍵くんの入寮シーンでは、初対面の平野さんを警戒して“なんだこの人?"ってなっている“平野さんを好きになる前の鍵くん"が見れて貴重でした(笑)。時系列が目まぐるしく変わる作品もありますが、『平野と鍵浦』はわりとオンタイムなお話が多いので、あらためて振り返ると「最初はこうだったのに、一瞬で平野さんを大好きになったな~」って実感できて。あと僕は『佐々木と宮野』のラストに登場する平野と鍵浦のカットがすごく好きなんです。線画VTRの段階から「あ、これ鍵くん泣いてるな…」って思って。場面的には佐々木と宮野のやり取りの裏だから、必要ないだろうなとは思いつつも「鍵くんの泣き声とか、涙を堪える息づかいとか録りますか?」って現場で確認したくらい本当に好きで! 原作の『平野と鍵浦』ではまだ卒業まで描かれていないこともあり、ワンカットとはいえ鍵くんが平野さんの卒業に立ち会っているのが切なくもあり、甘酸っぱくもあり…しかも鍵くんが、バスケットボールを鷲掴みできるあの大きな右手で平野さんのジャケットの裾を迷子の子供みたいにギュっと掴んでる。その姿にトキメキが止まりませんでした(笑)。
――鍵浦は平野が大好きで、短編には“結婚"という台詞も出てきました。演じていらっしゃいますか?
最初のころの鍵くんはすごく仲の良い両親のもとで育った影響もあって、“好きな人とずっと一緒にいられる方法=結婚・家族になりたい"っていう気持ちが強かったと思います。だから今回の短編で口にする“結婚"には幼さにも似た純粋さを感じましたし、演じる際も「平野さんが大好き、一緒にいたい」という一番芯になる気持ちを大事にしました。ただ彼の恋愛観について言うならば、鍵くんは後々“好きだから一緒にいたい"よりも強い想いが自分のなかにあることに気づいていくので、恋心や結婚の持つ意味も、気持ちの深さに合わせて徐々に変化していくはずなんです。16歳って多感な時期だし、想いが募ることによって楽しいだけじゃなく、悩んだりいろんな現実的な問題とも向き合うことになる。そういう意味では、彼の恋心ってずっと揺れ動いているんですよね。でも絶対に変わらないのは「平野さんが大好きで一緒にいたい。すごく幸せな家族になりたい」という部分なので、今回はそのスタートの感情に焦点を当てました。その後の鍵くんの成長や気持ちの変化が気になる方は、ぜひ原作の『平野と鍵浦』をご覧ください!!(笑)。
――今後『佐々木と宮野』や『平野と鍵浦』に望む展開をお聞かせください。
個人的には先程お話ししたように『平野と鍵浦』がさらに映像化されたら嬉しいですし、原作ではいつか本当に家族みたいに暮らすふたりが見れたらいいなという気持ちも持っています。だから長い目で見ると、ほかのキャラクターも含めて春園先生ワールドが大きく広がっていくことが1番なんじゃないかなって思いますね。末永く彼らが生きている世界を見続けられたら、僕だけじゃなく、きっとファンのみなさんも幸せなはずです!
Text=犬飼かおり
(PASH!4月号より抜粋)
©2023 春園ショウ/KADOKAWA/映画「佐々木と宮野」製作委員会
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