EXILE/FANTASTICS世界さん×マフィア梶田さんSP対談!ライター業のことや『アニゲラ』『シン・ゴジラ』についてなど盛りだくさんトーク!

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 アニメ、漫画、ゲームなどのカルチャーに精通するEXILE/FANTASTICSの世界さんが、ご自身の「好き」を突き詰める『少年セカイのススメエンタメ道』がPASH!にて好評連載中。今回は特別に、2023年11月号に掲載された記事を抜粋してお届けします!

ゲストは、フリー“なんでも”ライターのマフィア梶田さん! 出会った瞬間からバチッと感覚が合ったと語るおふたり。内容のギュッと詰まった対談になりました。

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『アニゲラ』出演のきっかけはライターとしての取材でした

梶田 そもそも、世界さんはなぜ俺のことを知っていたんですか?

世界 20代の前半のころは、梶田さんが出演されていたラジオ『杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン!!』(以下、『アニゲラ』)も聴いていましたし、ゲーム情報サイトの『4Gamer.net』もよく見ていたんです。だから、なんか面白い仕事をする人だなっていう印象があって。いろんな分野で見かけるし、気付いたら映画にも出てるし。でも本職はライターって書いているので、この人どうなってるんだ?って思って(笑)。

梶田 依頼された仕事は基本断らないスタンスでやってきたら、いつの間にか自分の仕事を説明できなくなっていたんですよねぇ(笑)。

世界 ライター以外の仕事を初めてしたのは、いつだったんですか?

梶田 それこそ『アニゲラ』ですね。ライターとして取材に行ったら、杉田さんから「ブースに入って番組に出ろ」と言われまして。それから毎週呼ばれるようになったのですが、最初はろくにトークもできなかったし、正直「俺はなぜここに…?」と困惑していました(笑)。

世界 それは、そうなりますよね(笑)。

梶田 回数を重ねてラジオの空気感には慣れていきましたが、叩き上げも叩き上げでしたね。ただ、リスナーと同じ目線で完全にオタクとして取り組んでいたのが共感を呼んだみたいで、段々と応援していただけるようになったんです。

世界 ショートドラマ風の「うろ覚えディドゥーーン劇場」のコーナーとか、めちゃめちゃ面白かったですよ。

梶田 あれも俺は芝居をしたことがないのにバンバン役を振られて。いきなり実践の連続でした。それが今では声優や役者のお仕事をいただくようにまでなったので、、師匠である杉田さんには感謝してもしきれませんね。

世界 いろんなピースがはまったラジオでしたよね。だから今も、伝説の番組って言われているんだろうな。

梶田 さきほどは"リスナーの目線"という言い方をしましたが、今にしてみると電波に乗せられるギリギリのキモオタトークだったんじゃないかと…。

世界 リスナーには、それが良かったんですよ。「こうなればいいのか!」っていうオタクの指針になる番組だったので。僕の場合はダンスもやっていたから、選択肢のひとつとしての指針でしたけど。

梶田 普通、あえてこの道は選ばないですよね(笑)。

世界 修羅の道ですからね(笑)。

ライターで培ったノウハウがすべての仕事に生きている

世界 いろいろなお仕事をされていますけれど、何が仕事の原動力になっていますか?

梶田 これは自分のなかでわりと変遷がある部分ですね。最初の最初は愛するオタク業界で好きなことを仕事にして、死ぬまでゲームやアニメに浸って生きていけたら最高だろうなという気持ちだったんです。ある意味、独りよがりな感覚が強かったというか。

世界 なるほど。好きな世界を、ずっと楽しんでいたかったんですね。

梶田 そう。ただ、ライターの仕事が雑誌からウェブにシフトしだしたら、記事が更新されるたび、読者の反応が目に見えるようになったんです。そして自分が書いた記事を喜んでくれて、感想まで書いてくれる人がいると知った瞬間の脳が痺れるような幸福感! "好きなことを仕事にして、しかも愛するオタクたちに喜んでもらえるなんて、なんて素晴らしいんだろう"と。なので、今ではそれこそが原動力になっていますね。

世界 梶田さんの記事は、ほかにない熱量と面白さがあって好きです。

梶田 媒体が俺の癖を消さずに、記事をそのまま掲載してくれたことも大きかったと思います。ゲーム記事というのは様々な書き方があるのですが、俺は体験したことを"こう感じました"と書くタイプですし、ある意味書き手と読者の目線がシンクロするような文章が持ち味だと思っているんです。おそらく最も話題になった『ラブプラス』という恋愛ゲームの記事なんて、"細かいことはさておき、俺の(小早川)凛子への愛の深さを見てくれ!"という内容でしたし(笑)。

世界 確かに、とてつもない愛が伝わる記事でした(笑)。しかも、オタク的にもすごく共感できるし、ゲームに触れたことのない人が読んでもよく分かるように書かれているんですよね。

梶田 記事は既にゲームをプレイした人と、これからプレイする人の両方が読むものですから。既プレイ勢はライターの感想を知りたいし、未プレイ勢は内容が好みかどうかを見極めて購入の判断材料にしたい。どちらの需要も満たすのが理想的なんです。あと、内容が万人に伝わるように…極端な言い方をすると、「どんな馬鹿でも理解できるような記事にしなさい」と専門学校で講師から教わっていたので。"誰が読んでも分かりやすくて面白い"というのは、自分が心に刻んでいるポリシーでもあるんですよ。

世界 学校で、そんなことも教えてくれるんですか!

梶田 あとは「やったことのない仕事でも断るな」という教えもありました。最初から可能性を潰してしまうよりも、引き受けてから必死にそのジャンルを学べば記事は書けるようになるんです。俺が滅多に仕事を断らない理由がコレですね。

世界 その結果、多方面でお仕事されていて、尚且つその全部からオタク業界が好きっていうのが伝わってくるからすごいです。でも僕的に梶田さんの"好き"が一番濃く出ているのはやっぱり記事な気がするので、まだ読んだことがない人には読んでみてほしいなって。

梶田 すごく嬉しいです。

世界 でも、ジャンルの違う仕事を掛け持つって大変じゃないですか?

梶田 そうですね…両立は難しいと言わざるを得ません。ライター業に関して言えば記事の内容によりけりですが、基本的には取材やプレイをしてから文章にまとめるため、どうしてもある程度の時間がかかります。同じタイミングでタレントの仕事が入ってしまったら、それだけで〆切を想定して動いていたスケジュールは崩れてしまいますね…。

世界 仕事を断らないスタンスだと、そうなっちゃいますよね。

梶田 まぁ、完全に自業自得です(笑)。だから一時期はライターなのに記事を書けないことがジレンマで、タレント仕事を断ることも考えました。しかし、悩みに悩んで悩み抜いてみれば、結果的にどちらもやるべきことに変わりないということに気が付いたんですよ。タレント業ではトーク、ライター業では文章…言ってしまえばアウトプットの形が違うだけで、すべてマフィア梶田というフィルターを通して発信される情報なわけです。だとしたら、俺は今のオタク業界から求められていることに全力で応えるだけだと心に決めました。正直、タレント需要なんて長くても1~2年だろうと思っていた部分もあったので。

世界 あれ? 結構経ってませんか?

梶田 10年くらい経っちゃいました…。

梶田さんが新たに挑戦してみたいことは?

世界 ちなみに、今までで一番大変だった仕事も聞いていいですか?

梶田 映画『シン・ゴジラ』への出演でしょうか…。たまたま庵野秀明監督にご挨拶する機会があり、そのときにマニアックな話で盛り上がりまして。翌日、いきなり出演のオファーが来たんですよ。俺は『新世紀エヴァンゲリオン』を観てからオタクに憧れるようになったので、その生みの親に「自分の映画に出てくれ」と言われるなんて夢のような話…今に至っても現実感がありません。同時にすごいプレッシャーでしたが、断るわけないですよね。

世界 梶田さんは、あの作品で唯一監督から指名されたって聞きました。

梶田 なぜそうまでして自分を起用してくれたのか…理由が分からなかったのですが、映画公開後に庵野監督からは「君の存在感がほしかった。頼んでよかった」というお言葉をいただきました。

世界 納得ですよ。作品の中での存在感、ズバ抜けてましたもん!

梶田 役柄的には基本的に立っているだけでしたけれども、なにせ急な話すぎて準備が足りなかったことは今も後悔しています。立ち姿を意識したり、もっと筋トレをしておけば、さらに存在感を増すことができたんじゃないかと。それで、いつオファーが来てもいいように筋トレも始めましたしね。

世界 ぶっつけ本番みたいにして映画に出たのに、反省点が見えているところもすごいです。でも本当に、映画監督とか漫画家さんが梶田さんを唯一無二のキャラクターとして使いたくなるのは、「あの人なら、やってくれそう。なにか面白いことができそう!」っていうワクワク感や期待を込めているんだろうなって感じますね。みなさん口を揃えて「梶田さんはいい人」って言うし。

梶田 ありがたいことですが、実はそこに危機感を覚えるんですよ。こんな容姿だから普通のことをしてもギャップで"善人"だと思われてしまう。他人をリスペクトする。良くしてくれる人に良くする。そんなの、人間なら当たり前じゃないですか…。勝手に聖人だと思われて、なにかやらかしたときに「裏切り者」とか「騙された」とか言われるのはまっぴらごめんですよ。俺は"俺を好きな人が好き"なだけ。エゴのままに生きているのであって、善人ではないと口を酸っぱくして言っているんですけどね。

世界 僕、エゴと才能って結構紙一重だなと思うことがあるんです。自分の目線からだとエゴだけど、周りの人からは才能に見えることがあるなって。だから今日のお話を聞いて、梶田さんのスタートはエゴだったかもしれないけれど、仕事を通じてファンや杉田さんをはじめとするいろいろな人と出会ったことで、エゴのいらない部分がどんどん削ぎ落とされたのかなって思いました。しかも、それでエゴが研ぎ澄まされた才能という武器になって、みんながそこに惹かれている。それって最高じゃないですか。

梶田 嬉しいことを言ってくれますねぇ。でも確かに、ゲストやコンテンツを盛り上げる役割ならば極力エゴは抑えますし、逆に自身が主体となるYouTubeなどではエゴを押し出すようにしていますね。そのバランス感覚は、研ぎ澄まされたエゴからきているのかもしれません。

世界 だから50、60、70歳になっても、きっと梶田さんの魅力に惹かれる人たちから無茶振りされますよ(笑)。

梶田 今こうして仕事があることに感謝しつつ、いつか訪れるであろう静寂に憧れている部分もあるんですけどねぇ(笑)。

世界 う~ん、もう手遅れな気が(笑)。僕も梶田さんとなら、何か新しい面白いことができそうな気がします。一緒にやりましょうよ!

梶田 ぜひ! ふたりのエゴをぶつけ合って、面白いことをやりましょう!

(※PASH!2023年11月号より一部抜粋)

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Source: PASH! PLUS

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