【ホロライブ】「私ここにいるよね!」星街すいせいが自らの存在をさいたまスーパーアリーナで歌う「Hoshimachi Suisei Live Tour 2024 “Spectra of Nova”」ライブレポート 【今週の人気記事】

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 カバーの女性VTuberグループ「ホロライブ」所属・星街すいせいによる初のライブツアー「Hoshimachi Suisei Live Tour 2024 “Spectra of Nova”」の埼玉公演が2024年11月14日(木)に埼玉スーパーアリーナにて開催。本記事ではそのライブレポートをお届けします。

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 本ライブでは、3rdフルアルバム『新星目録』が2025年1月22日(水)にリリースされることや日本武道館でのソロライブ Hoshimachi Suisei 日本武道館 Live “SuperNova”の開催も発表されました。また、「SPWN」「ZAIKO」にて配信チケットも販売中です。

「私ここにいるよね!」星街すいせいが自らの存在をさいたまスーパーアリーナで歌う「Hoshimachi Suisei Live Tour 2024 “Spectra of Nova”」ライブレポート

 11月14日(木)、ホロライブの星街すいせいが「Hoshimachi Suisei Live Tour 2024 “Spectra of Nova”」の公演をさいたまスーパーアリーナで行った。数多くの大舞台に立ってきた彼女は一面を埋め尽くす星空のようなペンライトを見ても、全く緊張している素振りを感じさせない。むしろ終始楽しそうで、自分のVTuber人生の中で考え続けてきた思いをエンタメにしてのびのびと解き放っていた。彼女の力強さと朗らかさと、表現者としての芯が見られたライブの様子をお届けしたい。

 イベント開始前の会場注意アナウンスは、最初は淡々と話しているので誰かわからなかったのだが、実はそれが星街すいせい本人のおちゃめなアナウンスだと判明。会場はこのサプライズで即火が点いた。

 今までの星街すいせいの曲の数々が短くアレンジされてDJMIX風につなげられたオープニングムービーが流れた後、歌われた一曲目は「駆けろ」。ハイスピードなロックチューンに会場は一気にボルテージMAXになった。入りの低音部分が印象的なこの曲を、サビに向かって力強さが増していくように歌う星街すいせい。幕を開ける最初のパフォーマンスとして完璧だった。

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 その勢いのまま2曲目「灼熱にて純情(wii-wii-woo)」に流れるようにチェンジ。会場のペンライトは一気に赤へと変わった。会場にはリアルの炎が吹き上がり、星街すいせいも真っ赤な光に染まる。がなりボイスが多用されるパンチのある曲を力いっぱいに歌う彼女の姿は、とてもパワフルであると同時に、会場を燃えあがらせるのを楽しんでいるかのようだった。

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 そして3曲目に「AWAKE」が披露された。これには配信を見ていたファンも「まだ始まって3曲目なのにもう新曲!?」と大騒ぎ。HipHop色の強い作品で、前の2曲とは全く違うスタイルの星街すいせいの歌い方が堪能できる。ライブ後にあわせてアップされたMVもまた、今までの星街すいせいのイメージを別ベクトルに広げる、ギャルっぽさが魅力的な映像内容なのでぜひチェックしてほしい。

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 ここで一旦MCタイムが入るのだが、星街すいせいが「AWAKE」MVのプレミア公開待機所をその場で作る、というまさかの行動を取った。これはスマホを機内モードにしなければいけない会場では見ることができず、配信で観ている人だけが確認できるという、配信視聴者が有利になる珍しい見せ方。コメント欄の反応を確認している星街すいせいの様子も見られた。ネットで活動している彼女だからこそできる、配信側への配慮のシーンが今回のライブではしばしば見られた。韓国のライブビューイングへも挨拶しており、会場全体から「アニョハセヨ」が響くシーンも。

 衣装を着替えて4曲目「Je t’aime。」5曲目「Starry Jet」のメドレーへと移る。今までがパワー系の楽曲だったのに対し、今度はアイドル色が強くポップな作品だ。星街すいせいの、かわいいお姫様的要素を含みつつも、全体的には凛々しい王子様的でもある、両方の魅力を持ったアイドル性がこの2曲のパフォーマンスにはよく表れていた。卓越した歌唱力で歌いながら、その合間にクラップの真似っこを会場とやり取りするなど、お茶目さはここでも健在だ。

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 ここで、星街すいせいが率いるダンスユニットプロジェクトHoshimatic Projectのメンバーである、ときのそら、アキ・ローゼンタール、夏色まつり、大空スバル、常闇トワ、桃鈴ねね、沙花叉クロヱ、風真いろは、博衣こよりが登場。6曲目「GET THE CROWN」はこの10人によって披露された。こちらは発表されたばかりのHoshimatic Projectの楽曲で、かっこよさ全振りのダンサブルなナンバー。かなり複雑なフォーメーションチェンジのあるこの楽曲を10人は華麗に踊り、細かく分けられた歌パートでそれぞれが個性を見せた。

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 Hoshimatic Projectが下がった後、一気に空気が変わる。真っ赤に照らされた中、和風の曲が流れ出す。7曲目の「みちづれ」は、VTuberとして自身が存在していることや人間同様に生きてともに歩んでいることを表現した作品。感情がぐっと入った歌詞と軽快なリズムが魅力的なこの曲を、妖艶に、さみしげに、そして覚悟を決めているかのような強さで軽快に歌う。傘を持ったダンサーの赤い色と、星街すいせいの髪の青さ、着替えた衣装の大人びたシルエットの組み合わせはかなり計算されたものに感じられた。

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 続く8曲目「TEMPLATE」も、VTuberとしての苦悩と決意を歌う作品だ。ネットに流れる無数の棘のある言葉の中、この生が正しいかどうかを決めるのは自分自身だ、と訴えるドキッとさせられるこの曲が「みちづれ」のあとに来ているのは考えさせられるものがある。星街すいせいはVTuberとしてのトップランナーのひとりであるからこそ、VTuberファン以外の前で目立つことが多い。彼女はそれを逆境ではなく、チャンスに変えて高く飛び続けてきた。その歩みを刻んだ歌を、星街すいせいを大好きな人が集まるさいたまスーパーアリーナに高らかに響かせたのは、彼女なりの存在の証明であり、新たな決意表明のように見えた。

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 9曲目にKanariaと星街すいせいがデュエットでMVをアップしていた「ネバーフィクション」のソロバージョンを披露。MCが入りここから後半戦へと移行した。

 10曲目は「なんもない feat.星街すいせい,sakuma.」。星街すいせいが「あるアパートから生まれた曲」と語っていたように、「どこかにある六畳半アパートの、各部屋の住人の歌」をコンセプトにしたMAISONdesによるもの。映画「トラペジウム」の主題歌でもあるこの作品は、夢を何も手にできていない悲しみを吐露するような楽曲だ。彼女は見事にこの曲の本質を高らかに掲げて、聞いている側の心をぎゅっと掴むような切なさを表現してくれた。ただし、この舞台での「なんもない」は切ないだけでは終わらない。彼女が息が切れるほどのスピード感で空虚さを歌いきった中には、新たな炎がちゃんと芽生えていたのが次の曲で明かされる。

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 夢を掴めなかった人の曲を歌った後に出てくるのが、11曲目「ビビデバ」だ。女の子はシンデレラストーリーに憧れるかもしれないけれども、それをぶっ飛ばして自分の道に進んでしまう、パワフルで豪快なこの作品はYouTubeでは1億回再生目前(11月15日現在)のヒット作だ。ライブの途中で魔法にかけられた彼女は、初お披露目の「Nova衣装」に衣替え。可愛らしさとマニッシュさを両立させている、おしゃれかつ動きやすそうな衣装だ。髪型はウルフカットでかっこよさアップ。魔法にかけられても彼女はお姫様にならず、自分のやりたい道をチョイスし続ける覚悟を見せ続けているかのよう。ダンスの多いこの楽曲は、彼女のすらりとしたしなやかなシルエットはとてもよく映える。歌も技術的な「うまい」なんていう段階はとうに通り越していて、今回は特に心の底から楽しんでいるのがよく伝わってきた。彼女に煽られた会場も、どんどんテンションは高まるばかり。

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 完全に爆発した会場のテンションをクールダウンするように、12曲目「Andromeda」、13曲目「放送室」は穏やかなステージになった。元気の証だったようなパンツファッションが、今度は憂いを表現するボーカルを、大人びたビターなテイストで演出している。このアップダウンのあるセットリストを、一曲ずつ丁寧に歌いわけ、曲ごとの味をしっかり出すようなステージングを星街すいせいはできるからこそ、目が離せない。

 14曲目「ムーンライト」は1月前にアップされたばかりの作品。メロウな空気が心地よいが、一等星になって街をハイジャックするような、ノリの良い楽曲だ。高音パートも難なく朗々と歌う星街すいせいの歌声と凛とした姿は、会場を照らす、まさに一等星だ。

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 MCのあとに歌われた15曲目「GHOST」は、星街すいせい自身が作詞をしている特別な曲のひとつだ。VTuberはここにいるのに、まるでいないみたいに言われることがある。そのことへの苦悩を歌詞に込めたと彼女はMCで語る。自分の存在を認めてくれている観客たちに感謝をしながら「私ここにいるよね!」と叫ぶ星街すいせい。全力で声を上げる観客。存在を歌で証明している星街すいせいの声は純粋かつ真摯で、同時に存在を受け入れる人に今囲まれていることに感謝を述べるような温かさがあった。

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 最後の16曲目は、クライマックスにふさわしいハッピーチューン「ソワレ」。かなりトリッキーな構成の作品だが、この曲で全員をてっぺんまで幸福な気持ちにできるのは、星街すいせいの歌声ならではだ。

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 アンコール1曲目は「天球、彗星は夜を跨いで」。星街すいせいがまだホロライブに入る前に出した、活動一周年記念の曲だ。当時まだ彼女はYouTube登録者数が1万人に達していなかった。彼女の原点とも言える一曲だ。またこの曲が1曲目の「駆けろ」のカップリング曲として2021年配信EPになっているというセットリストの組み方も、ファンとしては嬉しいところ。歌詞自体は苦悩が綴られた重めの曲だが、今回は一転してポジティブな歌い方をすることで、ファンの心を奮い立たせる作品へと変化している。

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 今回のセットリストの組み方やダンスの成長などについての解説MCのあと、ふと言った一言「ここにいる人みんなさ、私のこと好きなんだもんね!」。自身の存在について訴える「GHOST」や「みちづれ」、そして自らの道を突き進む「ビビデバ」や「ムーンライト」を思い出すと、この言葉のやり取りで生まれたVTuberを星街すいせいとファンの連帯感が、特別に強力なのを感じる。

 アンコール2曲目は彼女の代表曲のひとつ「Stellar Stellar」。タイトルを言った瞬間に、会場から割れんばかりの喜びの声があがった。シンデレラではなく王子様になる、だって僕は星だから、と歌う彼女はこの瞬間、間違いなく広い会場を照らす存在になっていた。

 彼女の歌は一貫して、待っている側にならない。自分で掴み取り、沢山の人に歌で認めさせていき、人を照らす星になるだけの輝きを持ち続けている。「Stellar Stellar」は「THE FIRST TAKE」などで、彼女を知らない人たちの前で披露し、有無を言わさずに歌で自身の存在を認めさせた作品だ。「Stellar Stellar」を歌う星街すいせいという存在そのものが、ファンにとって誇りであり、歌を頑張るVTuberたちの星にもなっている。夢を叶え走り続ける彼女が歌う「Stellar Stellar」は、ギラギラな太陽と言うよりは、夜の暗闇の中の星のように心地よく輝いていた。

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 星街すいせいがこの曲をのびやかに歌い、ステージが終わった後、発表されたのは彼女の日本武道館ライブ「SUPER NOVA」決定の報だった。テーマの中に革命という単語が入っており「星街すいせいを、書き換えよう。」というキャッチフレーズまでついている。そもそも武道館ライブは、2018年3月に星街すいせいが個人でデビューしたときに掲げていた夢だ。それがついに叶う日に、どのような革命が起きるのだろう?

「Spectra of Nova」は12月10日の大阪、12月28日の福岡とライブツアーがこれからまだまだ続く。しかもセットリストも毎回違うとのことで、期待が高まるばかりだ。

【セットリスト】
01.駆けろ
02.灼熱にて純情(wii-wii-woo)
03.AWAKE
04.Je t’aime。
05.Starry Jet
06.GET THE CROWN
07.みちづれ
08.TEMPLATE
09.ネバーフィクション
10.なんもない feat.星街すいせい,sakuma.
11.ビビデバ
12.Andromeda
13.放送室
14.ムーンライト
15.GHOST
16.ソワレ
en01.天球、彗星は夜を跨いで
en02.Stellar Stellar

ライター:たまごまご
ホロライブプロダクション公式サイト
ホロライブプロダクション公式X(旧Twitter)
(C) 2016 COVER Corp.

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