カバーが運営するVTuber事務所「ホロライブプロダクション」所属の白上フブキ初となるソロライブ「FBKINGDOM “ANTHEM”」が2025年2月13日(木)に「ぴあアリーナMM」にて開催。本記事ではライブレポートをお届けします。
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本ライブは、白上フブキ初のソロライブ。「デビューからこれまで応援してくれた国民の皆様の為に楽しく、そして次へ繋がるような私らしさをお届けします」との意気込みとともに、ファンとともに「フブキングダム」の大舞台が彩られました。
みんな、王国におかえり! 白上フブキ 1stソロライブ「FBKINGDOM “ANTHEM”」ライブレポート
2月13日(木)、白上フブキの1stソロライブ、FBKINGDOM “ANTHEM”がぴあアリーナMMにて開催された。2018年の6月にデビューした白上フブキは実に活動7周年。ある意味彼女のひとつの集大成であり、同時に彼女の信念が強く見えるライブだった。その信念のスタイルについては、コアなファンなら既にご存知のとおりだと思うので、ライブを見て改めて感じ取れたはず。白上フブキの歩み方はどのようなものなのかを、ライブを振り返りながら見ていきたい。
オープニングで王様として登場した白上フブキ。今回のメインビジュアルも王様の姿だ。フブキングこと白上フブキが、王様としてフブキングダムを統べている、というのが今回のコンセプト。このスタイルに乗ることで楽しさは一気に倍になる。
一曲目は「Say!ファンファーレ !」。この曲は2019年の誕生日イベント「Congratulations!! FUBUKI BIRTHDAY PARTY.2019」で披露された、彼女の原点とも言える作品だ。ファンならみんな知っている代表曲で、初期からのファンには込み上げてくるものがあっただろう。1stライブの大舞台で、一番最初にこれを披露してくれたというのは、初期からの自分を愛していることを表明してくれたことがわかる瞬間だった。
続く2曲目は「Hi Fine FOX!!」。配信のときの自身の気持ちを歌う、元気でポップなナンバーだ。「フブちゃん フブキ 白上 皆さんお好きに呼んでください! Hi Friends!」と跳ねるように歌う白上フブキ。ここまでのパートは普段の白上フブキ衣装なのがにくい。ようはこの2曲は彼女なりの自己紹介であり、ファンとの距離感の再確認なのだ。
彼女は常に、ファンを楽しい気持ちにさせようという姿勢を保ち続けているエンターテイナーだ。その姿勢を改めて、最初の2曲で伝えてくれた。この曲で常に会場に語りかけるように、かつ早口で楽しいアッパーなノリを保ち続ける白上フブキの歌い方は非常に特徴的だ。
ここで、ステージに電撃が走る。白上フブキはそれらの力をまとい、王の姿として変身。前の2曲と打って変わって、3曲目の「閃光のように」はゴリゴリのロックナンバーだ。
白上フブキの声はとても元気でかわいらしい。なのでポップな曲を歌った場合は明るくハッピーな空気感が生まれる。同時にかっこいい曲を歌うと、声の特性を活かしつつもシリアスな表現をしてくれるので、ギャップの大きさに驚かされる。ここからは「みんなのお友達・白上フブキ」からひと味違う「みんなを率いる王様・フブキング」として舞台を作っていくことになる。
MCで今回のライブが「フブキングダム建国祝祭」であることを語る白上フブキ。「みんな、フブキングダムに入国ってちょっと思ってませんか?」「違うよみんな。ここはみんなの実家だから。おかえり! みんなは帰ってきたんだこの国に!」配信ではここで、海外のファンと思われる人たちを映している。
ホロライブのライブイベントでは始まる前に、観客の様子をカメラ撮影してアップで映すことが多いのだが、白上フブキのライブ前映像ではかなりの海外ファンが撮影されていた。フブキングダムに来たファンは、みんな同じフブキングの下にいる国民であり、国境がない。
4曲目の「キミノスキピ」で再びお着替え。1月15日に発売されたばかりの1st Album「FBKINGDOM “Blessing”」に収録されているこの曲は、みんなにラブコールを届けながら「君の好きピになりたいんだ」と歌う、とってもキュートなアイドルスタイルのナンバー。サビの正拳突きや間奏の複雑な手の動き、細かな足の動きなど、ものすごく振り付けにこだわりが見られるので、是非映像で見てみてほしい。
ここでまさかのホワイトブリにゃんが二階から登場! 電波ソング感抜群の「ブリにゃんモードはピピピのピ♡」をブリッブリの歌とダンスで披露した。ホワイトブリにゃんとは、たまに実施されるホロライブメンバーのホストクラブやエイプリルフールに出現する、謎の地雷系少女。白上フブキではない。らしい。十分気をつけよう。
ホワイトブリにゃんの徹底したぶりっ子っぷりはインパクト抜群で、白上フブキファンの間で大人気。今回突如白上フブキの1stライブに現れてジャックをしたことからもわかるように、危険人物でもある。そのため今回も大空警察(ホロライブの風紀と治安を守る、大空スバルが実施する警官)にしょっぴかれたらしい。とはいえ極度にかわいいため、いつかホワイトブリにゃんソロライブと握手会が行われて欲しいとも思ってします。いやまあ、白上フブキが許さないだろうけれども……。
6曲目(ブリにゃん含む)は「KINGWORLD」。こちらもゲーム好きな白上フブキらしさをよく表した代表曲のひとつだ。会場にはフブラ(丸っこい狐のような怪獣)が、客席の間を歩いて登場。そして白上フブキは再びフブキングとして王様衣装でステージに現れた。
この曲はゲーム音楽風のチップチューン楽曲だが、今回は貴重なバンドアレンジで聞かせてくれている。曲の性質上かなりトリッキーで難しい楽曲だが、曲の一部になるかのように見事に歌唱。どんどんサビに向かって高まっていく歌唱力を披露してくれた。
ここでホロライブの星街すいせいとさくらみこが登場。3人のユニット「ふぶみこめっとさん」がここで再現された。歌った曲はセカイノオワリの「スターライトパレード」とadoの「クラクラ」のカバーだ。3人の声質が全く違うこともあって、歌のコントラストの心地よさは抜群。と同時に3人のビジュアルバランスも見事にそろっている。お姫様のさくらみこ、王子様の星街すいせい、そして王様の白上フブキ。色もピンク、青、白と、とても美しい並びだ。
ここでさくらみこと星街すいせいは、白上フブキという存在のとても大切な一面について触れている。
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さくらみこ「いつも、ホロライブを支えてくれてありがとう!」
星街すいせい「フブさんがいなかったらね、今のホロライブ無かったよ」
さくらみこ「大黒柱ですからね」
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白上フブキはここで謙遜しているが、彼女が最初期から今に至るまで、ホロライブというグループを守り、育んできたのは紛れもない事実だ。いつもホロライブのメンバーのことを見守り応援している彼女は、みんなの配信をこっそりと見にいっていたり、寝坊などのミスをフォローしたり、みんなの活動をSNSで拡散したりと、マメな行動を取ってきた。先陣を切る存在かつみんなのバランサーとして、彼女は動き続けてきた。それがさくらみこの「大黒柱」という言葉に表れている。
9曲目「ワンダーフューチャー!」は、ホロライブゲーマーズのコーラスが入った曲だ。ホロライブゲーマーズは白上フブキが一期生と兼任して入ったグループで、4人が揃った時の面白さが優れている、人気のグループだ。
衣装を着替えた白上フブキが歌うと、それにあわせて大神ミオ、戌神コロネ、猫又おかゆのコーラスやセリフが入る。4人の絆を感じさせる楽曲を、ニッコニコの笑顔で歌い上げた。こちらはぜひ4人揃って歌っているところを見てみたい。
そのまま流れるように10曲目「HAPPY BANG」へと入っていく。白上フブキの真骨頂とも言える、聞くだけで幸せになれるハッピーポップチューンだ。ただこの作品、底抜けに明るいわけではない。「不格好だったり弱気でも気にせず進むんだ」などのような、ネガティブな思いが全くないとは言えない部分を含んでいる。ステージ上では「BANG!」と彼女がとびきりの笑顔で観客の心を撃ち抜いているが、その裏にある根性と努力を語る歌詞があるのを考えながらこのパートを見ると、見え方が少し変わってくるかもしれない。
「フブキングダムという場所は、すこんぶのみんな、国民のみんなと、ホロライブの仲間たちのおかげでできあがったと白上は思っております。改めてこういった素敵な王国を一緒に作ってくれて、そして白上のことを王様にしてくれて、ありがとうございます」曲の間のMCで白上フブキは語った。
フブキングダムは言うなれば、ファンと白上フブキの間のやりとりで生まれる関係性の確認、コール&レスポンスでもある。それをステージの上で見える形にできたのは、間違いなく彼女自身の努力なのだが、彼女は常に自分よりもファンとホロライブのメンバーを優先させる。この彼女の姿勢はあまりにも謙虚に見えることもあるかもしれないが、一番の彼女らしさでもある。
だから、ファンと白上フブキは一緒に、思い入れのある楽曲「僕らの星座」を歌った。衣装を着替えた白上フブキは、威厳に満ちた佇まいで会場に手を差し伸べる。
「僕らの星座」はファンと白上フブキの距離感を歌った歌であり、フブキングダムの国歌だ。点がつながり線となり、星座になっていく様子をフブキングダムに例えたこの曲は「僕らの星座は 君がいたから生まれた」と歌うことで、決してひとりでは頑張っても成立しないことを語る作品だ。だから彼女はこの曲を特別なもの、国歌としてみんなで歌うことにこだわった。会場の無数のペンライトは、星のように輝いていた。
続く12曲目「星空コンフェッティ」も、フブキングダムについて歌った曲だ。フブキングダムは白上フブキが率いている国だから、ハッピーあふれるのは間違いないはずだ。ただし「ここはどんな夢も受け入れる王国 でも叶えるのはキミ自身」という歌詞がキモだ。楽しい世界を作るためには、みんなの力が必要なのを、ここでも強調していく。
これらフブキングダムの曲は、ファンとVTuber白上フブキの歩んできた道のりを含み、これから王国でどう歩んでいくかの思想性が強い。ハッピーを作るための優しい公約のようだ。彼女の声質を活かしたこの楽曲はとても温かい。と同時に彼女の堂々としたパフォーマンスは、王の資質を備えた存在のようにすら見えた。
13曲目は、初お披露目の楽曲「えんじょい the わーるど!」。フブキングダムとしての前の二曲で一致した会場は、初めて聞く曲にも関わらず白上フブキの指示の通り、しっかりと歌にあわせて「えんじょい the わーるど!」のコールを入れていた。「さすが我が国民は優秀なものがいっぱいおる!」というMCも楽しい。ハッピーをみんなに振りまく白上フブキの魅力がいっぱいのステージだ。
ハッピーの熱を保ったまま、14曲目の「KONKON Beats」が歌われた。ステージにはすこんぶ(ここではマスコット的な姿)が登場し、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。狐である白上フブキが化かす、というネタを盛り込んだギターロックのこの曲は、今回のバンド編成にぴったり。「人間事(ヒトゴト)みたいじゃん……だって狐だし そこんとこよろしくね」という楽しい歌詞の作品だが、曲はかなり高いキーまで使っており、歌うのはかなり大変。それを安定した声量で、エンターテインメントとして歌うのだから、彼女の歌はうまいゆえに「楽しい」を伝えることに長けているのがよくわかる。
MCのあと、彼女が7年間歩んできた中で紡いできた仲間たちとの絆が、映像で次々と流れた。ホロライブ一期生、いろはにほへっと あやふぶみ、バカタレサーカスなど、配信でたくさんの笑いとハッピーを与えてくれたユニットばかりだ。かつてのたくさんの笑いは、白上フブキの大切な思い出になっているのが伝わってくる。
7年前を振り返りながら、彼女は言う。「デビューしようって思ってくれた、過去の白上に、ありがとう」「ホロライブって場所を見つけれて本当に良かったって今思っています」そこで歌われたのが「ストーリーテラー」。今までのアップテンポな曲からガラリと変わって落ち着きのあるバラードだ。イントロが流れたとき、今までの曲以上に「ストーリーテラーだ!」と大量のコメントが流れたのが印象的だった。
「たとえば、100年後の”あなた”は大切な誰かと共に笑顔を絶やさず日々を過ごせてますか?」静かに、思いを込めて歌う白上フブキ。この曲の「あなた」は観客のことでもあるが、同時に白上フブキ本人のことでもあるのだろう。
最後の曲は白上フブキの人気曲「SUPERNOVA」。曲名を言うと会場中から歓声があがる。自然と会場から「Wow Oh Oh!」「Oh Yeah!」とコールが湧く。みんながみんならしくありつつ、どこまでも進んでいこうという非常にポジティブなロックナンバーだ。白上フブキの歌声もぐっと力強いものになってはいるのだが、彼女がすごいのは力を抜いたいつもの声での歌い方もしっかりしていることだ。パワフルさと朗らかさを両立させている、特別な表現ができるのは彼女ならではだろう。
アンコールではTシャツに着替えた白上フブキが登場。「グローエンブレイス」のMVがこの後すぐに公開されることを発表した。そしてこの曲は、ホロライブJP、EN、ID、ホロスターズなどホロライブプロダクションのメンバー全員のことを歌った楽曲だという。高らかに、会場いっぱいに響かせようという思いが伝わってくる歌声は、ホロライブのファン全員の心にくるものがあるだろう。
ダブルアンコールは「LETTER☆彡」。ハイスピードなロックナンバーが、生のバンド演奏で響き渡る。この曲は白上フブキのファンが、彼女を推すために頑張ってファンレターを書くという内容の作品だ。「好き」の気持ちを伝えるのは簡単なようで、とても難しい。けれども勇気を持って送った言葉は、白上フブキにちゃんと届く。
だからファンはこの曲で、白上フブキに最大限の声をあげて彼女に愛を叫んだ。白上フブキはその愛を受け取って最高のパフォーマンスをした。このエネルギーの循環は、どんなエネルギー機関でもかなわない。
一旦歌が終わった後、MCで彼女は推すことについて語った。ファンにとって白上フブキは推しだろう。同時に、白上フブキにとってもファンは推しのような、大切な存在。だから歌詞にあるように、彼女は会場に向かって最後に叫んだ。
「Best wishes,『すこんぶ』!」
この叫びのあとに再び「LETTER☆彡」のフレーズが鳴り響き、最高の力強さでクライマックスを歌いきる白上フブキ。この見事な演出、ソロライブならではの粋な仕掛けだ。
彼女は今回のライブの目的の一つについて「(このソロライブを見て)自分もソロライブやってみたいなってホロライブのメンバーが思ってくれたらいいなって、今日思っています」「白上も他のホロライブのメンバーのソロライブいっぱい見たい」と語っている。そして、「LETTER☆彡」を歌い終えた後も「これからもホロライブプロダクション、そして白上フブキ、よろしくお願いします!」と語った。
新曲「グローエンブレイス」もそうだったが、「LETTER☆彡」がファンから推しに送る言葉だとしたら、白上フブキはホロライブの仲間たちを常に推して、愛を叫んでいるかのようだ。それこそが、白上フブキというアイドルの強さであり、魅力だ。もちろんフブキングダムがこの日建国されたように、主役は間違いなく白上フブキだったはずだ。それでも彼女は常に、ホロライブプロダクションを念頭に置いているかのようだった。
大好きなものに愛を注ぎ続ける、オタクを自称する白上フブキ。そんな彼女が自分を表現するとき、どうやっても大好きなファンとホロライブプロダクションのことを話さずにいられないのだろう。彼女のエネルギー源は、ファンの声援とホロライブプロダクションの仲間の存在のように感じられるライブだった。彼女の去り際の発言は「また明日」。ライブと配信が地続きなことを表現してくれるのも、ファンとしてはとても嬉しい部分だ。フブキングダムの楽しい日々は、これからも続いていく。
白上フブキ 1stソロライブ「FBKINGDOM “ANTHEM”」セットリスト
01:Say!ファンファーレ !
02:Hi Fine FOX!!
03:閃光のように
04:キミノスキピ
05:ブリにゃんモードはピピピのピ♡
06:KINGWORLD
07:スターライトパレード(with さくらみこ,星街すいせい)
08:クラクラ(with さくらみこ,星街すいせい)
09:ワンダーフューチャー!(白上フブキ feat. 大神ミオ,猫又おかゆ,戌神ころね)
10:HAPPY BANG
11:僕らの星座
12:星空コンフェッティ
13:えんじょい the わーるど!
14:KONKON Beats
15:ストーリーテラー
16:SUPERNOVA
EN1:グローエンブレイス
WEN1:LETTER☆彡
ライター:たまごまご
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