ブシロードのグループ分析組織にあたるアニメデータインサイトラボは、2025年のアニメにおける調査を実施しました。今回は、2025年のアニメ作品を対象に、トレンド指数(Google検索量)とファン指数(X投稿量)の両面からアニメの注目度推移を検証・分析し、データから導かれた2025年アニメアワードが発表されました。
2025年、日本では全270作品ものアニメが放送されました。その中で本当に話題になった作品はどれだったのか。Google検索量とX(旧Twitter)のポスト数という客観的なデータをもとに、アニメデータインサイトラボが徹底分析。「圧倒的に支持された作品」と「じわじわ人気が広がった隠れた名作」が明らかになりました。
新作204作品VS続編66作品の激戦
今回の調査対象は、2025年に放送された全270作品。内訳は新作204作品(76％)、続編66作品(24％)。これらをGoogle検索量から算出した「トレンドスコア」(一般認知度)と、Xポスト数から算出した「ファンスコア」(ファンの熱量)の2軸で毎週追跡しました。
そして、放送期間中の最高値を競う「年間グランプリ」と、1週目からの伸び率を競う「ダークホース賞」の2部門で、2025年アニメシーンの勝者を決定しました。
【年間グランプリ】ガンダム、完全制覇
2位に5倍差『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が270作品の頂点に
トレンドスコア・ファンスコアの両部門、さらに新作・全体の全カテゴリーで1位を獲得したのは『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』。特にファンスコアでは2位に5倍以上の差をつける圧倒的な数値を記録し、2025年アニメシーンの「絶対王者」となりました。
【トレンドスコア】新作TOP5
一般層への広がりを示す「トレンドスコア」の新作TOP5は以下の通り。
1位:機動戦士Gundam GQuuuuuuX
2位:タコピーの原罪
3位:SAKAMOTO DAYS
4位:ぬきたし THE ANIMATION
5位:メダリスト
注目は5位の『メダリスト』。後述するダークホース賞でも上位に入っており、「広く話題になり、かつ継続的に成長した」稀有な作品です。
【ファンスコア】新作TOP5
熱心なファンの多さを示す「ファンスコア」では、順位に変動が。
1位:機動戦士Gundam GQuuuuuuX
2位:メダリスト
3位:銀河特急ミルキー☆サブウェイ
4位:光が死んだ夏
5位:タコピーの原罪
『タコピーの原罪』は「広く話題になった」作品。『メダリスト』は「深く支持された」作品。同じTOP5でも、その性質は対照的です。
続編の強さも健在。全体TOP10を発表
新作に続編を加えた全体ランキングでは、シリーズ作品の底力が発揮されました。
【トレンドスコア】全体TOP10
1位:機動戦士Gundam GQuuuuuuX(新作)
2位:僕のヒーローアカデミアFINALSEASON(続編)
3位:薬屋のひとりごと第2期(続編)
4位:キングダム第6シリーズ(続編)
5位:タコピーの原罪(新作)
6位:怪獣8号 第2期(続編)
7位:SAKAMOTO DAYS 第2クール(続編)
8位:Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season(続編)
9位:ワンパンマン 第3期(続編)
10位:ダンダダン 第2期(続編)
【ファンスコア】全体TOP10
1位:機動戦士Gundam GQuuuuuuX(新作)
2位:メダリスト(新作)
3位:薬屋のひとりごと第2期(続編)
4位:銀河特急 ミルキー☆サブウェイ(新作)
5位:僕のヒーローアカデミアFINALSEASON(続編)
6位:光が死んだ夏(新作)
7位:タコピーの原罪(新作)
8位:BanG Dream! Ave Mujica(新作)
9位:Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season(続編)
10位:ウマ娘シンデレラグレイ(続編)
『僕のヒーローアカデミア』『薬屋のひとりごと』『Re:ゼロから始める異世界生活』といった続編が存在感を示す一方、新作の健闘も目立つ結果に。4位の『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』は、次章で紹介するダークホースの筆頭です。
【ダークホース賞】31倍に成長した奇跡の作品
成長率31倍！奇跡の作品『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』
1週目の数値から最高値までの伸び率を競う「ダークホース賞」。トレンドスコア・ファンスコアの両部門で1位を獲得したのは『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』でした。
その成長率は驚異的。トレンドスコアで20.0倍、ファンスコアで31.2倍。1週目は270作品中でも下位クラスだったが、口コミで徐々に評判が広がり、最終的には年間グランプリでもトレンドスコア7位、ファンスコア4位にランクイン。「初回のバズ」に頼らない、作品の質による成長を証明しました。
【トレンドスコア】伸び率TOP5
1位:銀河特急 ミルキー☆サブウェイ(20.0倍)
2位:えぶりでいホスト(4.5倍)
3位:羅小黒戦記(4.5倍)
4位:野原ひろし 昼メシの流儀(4.4倍)
5位:わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ！(※ムリじゃなかった!?)
【ファンスコア】伸び率TOP5
1位:銀河特急 ミルキー☆サブウェイ(31.2倍)
2位:野生のラスボスが現れた(8.9倍)
3位:転生悪女の黒歴史(8.0倍)
4位:えぶりでいホスト(4.5倍)
5位:TO BE HERO X(4.2倍)
『えぶりでいホスト』『羅小黒戦記』『野原ひろし 昼メシの流儀』など、いずれも放送前の期待値は決して高くなかった。しかし視聴者の「これは面白い」という評価が、SNSを通じて着実に広がっていきました。
「初回の話題」がすべてじゃない
データが示したのは、2025年アニメシーンの「多様性」でした。放送前から期待され、その期待に応えた『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』。複数の指標で高評価を得た『メダリスト』。そして初週は注目されなかったが、口コミで広がった『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』。
20倍、31倍という数字が物語るのは、「初回」だけが成功の指標ではないということ。時流に沿った展開と中身が揃うことが重要です。
派手な初動も、じわじわ広がる口コミも、どちらも価値がある。2025年は、そんなアニメの可能性を再確認させてくれた1年でした。
レポート著者:SevenDayDreamers 湯通堂圭祐
レポート編集:アニメデータインサイトラボ
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(C) 2022 ミルキー☆ハイウェイ
(C) Anime Data Insight Lab
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