『終末のワルキューレⅢ』浪川大輔×GLAY・HISASHI対談!バトルを超えて響き合う表現者たち

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 神と人類の存亡をかけた1対1の闘いを描く人気漫画『終末のワルキューレ』のアニメシリーズ第3期『終末のワルキューレⅢ』。本作でベルゼブブを演じる浪川大輔さんと、オープニングテーマ『Dead Or Alive』を手がけたGLAYのHISASHIさんに、作品の魅力とエンターテインメントへの思いを語っていただきました。(このインタビューはPASH!2026年6月号に掲載されたものです)

ワルキューレ01

バトルものはエネルギーを使う

――まず、『終末のワルキューレ』という作品の印象を伺えますか?
浪川 ガマンできないので最初に言っちゃいますが、僕、GLAYめっちゃ好きです!(笑)
HISASHI ありがとうございます!
浪川 作品は、とても激しいタイマンバトルという印象です。しかも単に闘うだけでなく、強い者同士が何かを背負いながら闘っている。これを演じるとなると、かなりカロリーを使いますが、参加できて嬉しいです。
HISASHI 僕は、映像を観ながら音にするという見方をしたんです。
浪川 どこまで観られてから作られたんですか!?
HISASHI シーズン1・2を観て作りました。どんな匂いがするんだろう、どんな気温だろう、どのくらいのBPM(曲のテンポ)だろうと、最初は作品自体よりもどんな音にするか考えていたんです。間とか、どんな音が鳴るのか、どんな声がするのか、台詞以外のところがすごく重要だと思うので。
浪川 それはすごい見方ですね!でもお芝居でも絶対に必要な部分ですので、勉強になります。バトル中もその他の場面でもカットごとに台詞がありますが、相手がしゃべっている間も、ずっと対峙している。その緊張感を維持し続けることを意識しなくてはいけないので、バトルものって非常に疲れるというか、かなりエネルギーを使うんです。
HISASHI 相手とのやりとりが大事なんですね。
浪川 1対1だと、特に相手との呼吸を意識します。今回は、僕(ベルゼブブ)はそんなにしゃべらないですが、相手(ニコラ・テスラ)はずっとしゃべっているので、向こうのリズムに乗らないようにするなども気をつけました。

――アニメ好きで知られるHISASHIさんにとって、浪川さんが演じている印象的なキャラクターは誰でしょうか?
HISASHI 『機動戦士ガンダム』が好きなので、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のアルフレッド・イズルハ。まだVHSのビデオがレンタルされていて、スピンオフもあまりなかった頃、「新しいシリーズでもないし、何なんだろう」と思って観た記憶があります。
浪川 わ~嬉しいです(笑)。あれは12歳のときでした。当時は『グーニーズ』『E.T.』など吹き替えがメインで、アニメのメインの役どころは『ポケットの中の戦争』が初めてだったような。
HISASHI すごいなぁ。俺、その頃ガンプラばかり作ってた(笑)。皆さんがよく話題に出すようなキャラクターは誰ですか?
浪川 『機動戦士ガンダムUC』のリディ・マーセナスとか、『ルパン三世』の石川五エ門、最近では『呪術廻戦』の脹相ですかね…。
HISASHI うわっ、メジャーな作品ばかりじゃないですか。

――浪川さんにとって、GLAYとの出会いの曲は何でしたか?
浪川 『ずっと2人で…』です。
HISASHI 1995年の作品ですね。世間で広く知っていただくきっかけになったのは『グロリアス』でしたけど、当時はCDバブルの絶頂期で、GLAY以外のアーティストもみんな売れていて、ベスト盤がすごく売れたことも特徴的でした。
浪川 その頃、僕は高校生でした。「こんなにいい曲あるんだ」って思いましたし、『BELOVED』、『HOWEVER』、『口唇』全部好きです。

ダークヒーローの定めに感じるものがある

――浪川さんが演じているベルゼブブは複雑な過去を持つキャラクターですが、演じるにあたって意識したことは何でしょうか?
浪川 ベルゼブブはずっと嫌われ者で「サタンに呪われし者(アナテマ)」と言われていたけれど、自分ではそれに気付いていない。最初はただ不器用なだけ、次に人を愛すると殺してしまうサタンがいることに気付いて、最後は誰かに自分を殺してほしいという3段階がありますが、ベルゼブブ自身はそれをわかってはいません。ベルゼブブの時間軸を一緒に歩きたいので、なるべく普通に、コミュニケーションをとるのが苦手なキャラクターとして、その都度目の前のものを感じながら演じています。
HISASHI 子供の頃から、デビルマンやフランケンシュタイン、ジョーカーといったダークヒーローが大好きなんです。物体に光が当たると光る面と影が落ちる面があるように、それぞれの人生のバックグラウンドに悲しみがある。ベルゼブブもダークヒーローの定めというか、ハリネズミのジレンマみたいな部分が好きだし、悲しみと共に生きていくというのは音楽的にも感じるものがありました。
浪川 恐縮です! もちろんどの出演作も一生懸命やっていますけど、ベルゼブブは自分でもかなり渾身というか、演じていて達成感がありました。

――ベルゼブブ対ニコラ・テスラはまさに名勝負ですね。HISASHIさんはニコラ・テスラについてはどう感じましたか?
HISASHI 彼もいいキャラクターで、面白いですね。歴史的事実のこういう部分を使って攻撃してくるのか、と勉強になる部分もたくさんありました。
浪川 ニコラ・テスラはHISASHIさんがおっしゃったように、史実のニュアンスをうまく使った魔法と科学の闘いという見せ方が面白いですね。

――アフレコ現場では、浪川さんとニコラ・テスラ役の古川さんはご一緒だった  のですか?
浪川 一緒です。向こうがワーッとしゃべっていてもこっちは「ふん」と一言、という感じでしたけど、ずっと圧みたいものを感じながら演じました。ただテスラは本当によくしゃべるので、古川くんはずっと大きな声を出していて最後はヘトヘトになっていました。

――ベルゼブブ以外で、好きだとか注目したキャラクターは誰ですか?
浪川 いろいろな人から感想を聞きますけど、「あの闘いがいい」とよく言われるのはヘラクレスとジャック・ザ・リッパーの闘い。不屈の闘神と人類史上最悪の殺人鬼、正義VS悪という設定が絶妙すぎますね。

――究極の対比ですね。
浪川 闘いはジャックが勝ちますが、勝ったあとも人間からブーイングされる。皮肉だし、でもジャックの気持ちにも少し変化があるところが、なんだかいいなと思いました。
HISASHI 僕は、佐々木小次郎がよかったですね。小次郎が宮本武蔵と闘った巌流島のことはうっすらとしか覚えていないけど、それがどう闘いにフィードバックされるのかが面白かった。

ワルキューレ02

こだわったのは歪ませた音

――浪川さんへお伺いします。『終末のワルキューレⅢ』のオープニングテーマ『Dead Or Alive』ですが、この曲の印象はいかがでしょう?
浪川 もちろん、最高です。オープニングでどんどん盛り上がっていって意識を映像に向けてくれる曲なので、テンションが上がりますし、GLAYらしさもしっかりある。あと、聴こえる音だけがすべてではないような気がしていて。
HISASHI わかります? 2小節ブレイクのとき、普通は弾いていないので何も存在していないけど、それって変だなと思ってノイズだけを録っているんです。全部ミュートにしてもちょっと奇妙な感じがして面白いんですけど、あえてノイズを残す。聴いた人が気付くか気付かないかはおいといて、潜在的に残る、そこにちゃんと自分がいるんだというレコーディングはしています。
浪川 すごい!
HISASHI あと、TERUの歌が明るかったらちょっと悲しいギターを弾こうとか、対峙する要素をどんどん入れていく。みんなが同じ方向に向かわないほうが、GLAYは大きくなっていくんじゃないと。

――Xで、アレンジするにあたって取り入れたモチーフなどについても書かれていましたね。
HISASHI ミクスチャー音楽の中でも、90年代の音楽や日本のナードコアなどけっしてメジャーではないけれど一部に非常に人気があるジャンルが大好きで。今回はロッテルダム・テクノがBPMに合うかもと思って、TR-909というRolandのドラム・マシンでちょっと歪ませた4つ打ちのキックをメインにしようとTAKUROに提案しました。そうしたら「言ってる意味わかんないけど、いいよ」って。
浪川・HISASHI (爆笑)!
HISASHI それにもっとアタックの強い音と太い音を足して、さらに音を歪ませています。

――ほかにもチェロが入っていたりして、いわゆるハードコア・テクノ以外の要素もありますね。
HISASHI まずLAに住んでいるTAKUROからオーディオデータが送られてきて、それに僕のアレンジを送り返して、それからバンドでレコーディング。それを一緒にアレンジしてくださっている亀田誠治さんに送って、ブラッシュアップしてもらいました。
浪川 文通みたいですね。
HISASHI 本当にね。コロナ以降、そういう作り方になりました。チェロは亀田さんが入れてきたんですけど、人間味が入ってきたというか、血や汗といった生々しさを感じたので、「なるほど、さすが亀田さん!」と思いました。

――まさに神と人類の闘いの雰囲気が感じられるサウンドで、歌詞では両者を似た者同士ととらえているところも深いですよね。
HISASHI 強い者たちの闘いがあそこまでいくと究極の“楽しい”につながるというのは、僕は格闘技も好きなのでわかるような気がします。
浪川 ベルゼブブも救いを求めているキャラクターなので、自分を殺してほしいという願望もありつつ、闘っているうちに「でも負けない」と相反するところで楽しんでいる部分、前向きな部分もあるでしょうね。
HISASHI でも最後まで観たときに腑に落ちたというか、実は最初から勝負は決まっていたんじゃないかっていう感じもします。
浪川 演出としては、とてもベルゼブブが負けそうでしたけど(笑)。

エンタメで心を潤そう

――おふたりとも長らく第一線で活躍されているわけですが、シンパシーを感じる部分はありますか?
HISASHI 一緒にインタビューを受けて感じましたが、随所にあります。音楽とCVとで手法が違うだけで、表現したいことは近いものがある。

――例えば、どういうものでしょうか?
浪川 お互い長年業界にいさせてもらっていて、「こうやるのがセオリーだ」とわかったうえで、あえて崩すことを楽しんでいる。あとすごく素敵だと思ったことは、HISASHIさんは仲間やライブに来てくれる皆さん、曲に対する思いなどをずっと大切にしている。それってすごく難しいことだと思うし、それこそが才能だと思うんです。言葉の端々でそれが感じられたので、さすがだと思います。
HISASHI コロナを経て、それ以前の東日本大震災のときもそうでしたけど、あらためて音楽で何ができるのかと、エンターテイメントの重要性を感じます。
浪川 衣食住は生きていくうえでもちろん大切ですけど、まずは心が豊かじゃないと。ギスギスしないで、エンタメで心を潤せば経済も潤うんじゃないか。僕もコロナのときにそう話していました。
HISASHI 『鬼滅の刃』無限列車編が映画館でチケットが取れないくらいになったとき、「エンターテイメントの勝ちだ!」ってちょっと震えましたから。コンサートもそうなんです。あんなに暑いサマーソニックでもみんな来てくれる。
浪川 そりゃ、そうです! 本当に、みんなが求めていると思います。

――今回ご縁のあったおふたりが、今後コラボするなら何をしたいですか?
浪川 いや、そんなおこがましい質問はダメですよ(焦)!
HISASHI ぜひ、僕の音楽番組(「STUDIO HISASHIwith Anime」)に出てください。
浪川 ぜひ!お邪魔させていただきます。

――最後に、読者に向けておふたりからのメッセージをお願いします。
浪川 設定としては神と人類の闘いという想像を絶するものです。熱さ、寂しさ、悲しさ、全てが一度に味わえて本当に見ごたえのあるバトルになっていますし、彼らの考えていることや思っていることには、どこか共感できる部分がある。それが人気の要素のひとつではないかと思うので、ぜひ見ていただきたいです。僕としては、エンディングもいいですがオープニングもいい。こだわりの1曲でGLAY最高! ……ということで、よろしくお願いいたします。
HISASHI 僕たちは楽しんでいろいろなコラボレーションをやらせていただいていますが、今回『終末のワルキューレ』に携わって新たな刺激を受けました。この素敵な出会いに、心から感謝しています。制作中のニューアルバムも『Dead Or Alive』に引っ張られて、また新しい一面が生まれつつあります。ぜひ楽しみにしてください。

 

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【応募締切】
2026年6月7日(日)23:59まで

当選者の方には、お名前をお入れするため、PASH!公式アカウントよりDMにてご連絡いたします。

 

ON AIR:TOKYO MX/BS11 毎週金曜日 24:30~、MBS 毎週金曜日 26:23~
Netflixにてシリーズ全話配信中
X:@ragnarok_PR
HP:https://ragnarok-official.com/
© アジチカ・梅村真也・フクイタクミ/コアミックス, 終末のワルキューレⅢ製作委員会
原作:作画=アジチカ、原作=梅村真也 、構成=フクイタクミ(「月刊コミックゼノン」連載/コアミックス)
STAFF:監督=初見浩一、シリーズ構成・脚本=むとうやすゆき、キャラクターデザイン=たなべようこ/川島 尚
CAST:始皇帝=石川界人、ハデス=置鮎龍太郎、ニコラ・テスラ=古川 慎、ベルゼブブ=浪川大輔 ほか

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