今、社会問題になっているブラック企業。アニメでもしばしば出現しますが、皆さんはブラック企業が出て来るアニメ作品と聞けば、どの作品の企業を連想しますか?
筆者は『逆境無頼カイジ』シリ-ズに出てくる「帝愛グル-プ」が思い浮かびます。本作では、自堕落な日々を過ごしていた主人公・伊藤開司(通称カイジ)が、友人の保証人となって多額の負債を抱えたことをきっかけに、返済のためさまざまなギャンブルに挑んでいく姿を描いています。
その中に登場する「帝愛グル-プ」は、兵藤和尊(ひょうどう かずたか)会長を筆頭に、全国に100店舗以上の支店を有する消費者金融大手かつホテルやカジノ等の経営も手掛ける大企業。その内情はトンデモない暴利でお金を貸したり、えげつない取り立てをしたり、裏カジノで大儲けをしたりと悪行三昧です。
劇中では、兵頭会長が“地下帝国”を築き上げる為に、借金をして返済が滞っている人々を低賃金で働かせる場面が。カイジも1000万円の借金を返済する為に強制的に連れて来られます。
ここで筆者が気になったのは、「人件費をすごいピンハネしているのでは?」ということでした。
そこで今回、地下帝国の建設費用をどれだけ労働者から搾取……もとい削減しているかを調べてみました!
地下帝国建設費、どれだけ削減してるの?
◆労働条件◆
1か月間の中での稼働は26日、週休1日制です。1日の日給は、なんと3500円! とんでもなく安い金額が、さらにそこから借金の返済額として 2,000円/日。施設利用料が 1,150円/日取られますが、借金の返済額も施設使用料も、結局帝愛グループに入りますので、最終的に残るのはわずか日給350円。時給にすると、350÷8=43.75円しか払っていないことになります。
かくして地下施設労働者には350円×26日で、月額9100円が支払われているということになります。額面上では91,000ペリカ(※1ペリカ1/10=1円)となっていました。
23人が1つの班となっており、A~E班までが存在していたので、23名×5班で115名が働いているということになります。
令和3年では、建設工事の時給はおよそ時給1321円。つまり1321円-43.75円=1.277.25円とすれば、1日あたり8時間×1.277.25円=10218円の削減となります。
1日1人10218円×115名=1,175,070円
1カ月=26日×977,500円=30,551,820円
12カ月×25,415,000円=366,621,840円
年間3億6662万円削減していることとなります
10年間では30億4,980万円
15年間では45億7470万円
20年間では60億9960万円…
いやはや、とんでもない金額ですね。返済名目で低賃金で働かせていますが、建設工事でこれだけの金額を削減(?)していると考えるとゾっとしますね。「帝愛グル-プ」がドンドン大きくなって行く理由の一つを垣間見たような気がします。
正直、いくら給料が良くてもこんな企業では働きたくありませんけどね……。
参考文献及び資料
テレビ 【逆境無頼カイジ 破戒録篇】
漫画【賭博破戒録カイジ】
ウィキペディア 【賭博黙示録カイジ】
タウンワ-ク【建設工事】
(※画像は『逆境無頼カイジ 破戒録篇』公式サイトより)
文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
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Source: PASH! PLUS