2020年4月3日からTOKYO MX、BS11で放送開始となるTVアニメ「新サクラ大戦 the Animation」。2019年12月に発売されたPlayStation 4用ゲームが早くもテレビアニメとして登場。主人公が帝国華撃団 花組隊長の神山誠十郎から、メインヒロインである天宮さくらにバトンタッチ。元 莫斯科(モスクワ)華撃団所属の少女・クラーラなどのTVアニメオリジナルの新キャラクターも登場し、帝都を揺るがす新たな物語がフルCGアニメーションで展開します。アニメ放送に先がけ、天宮さくら役の佐倉綾音さんと、クラーラ役の和多田美咲さんに作品やキャラクターの魅力について語っていただきました。
――アニメの新キャラクター・クラーラ役に決まったときの心境を教えてください。
和多田 ゲームで「新サクラ大戦」という物語ができあがったあと、アニメの新キャラクターとして登場するということでプレッシャーを感じました。アニメの序盤でも、天宮さくらさんを始めとする花組がクラーラをどう思うかが描かれますが、同様に、この作品のファンのみなさんはクラーラをどう感じるだろう、受け入れてもらえるかな……と緊張してばかりでした。
佐倉 「『サクラ大戦』シリーズ」という大きな枠組みの中では、私も和多田さんと同じ新参者ですから、和多田さんが抱いた不安も分かる気がします。私も、天宮さくら役をいただいたときに真っ先に感じたことは「初代花組のキャストの方たちは、どのように思われるだろうか」ということでしたから。ただ、和多田さんとは以前に別の作品でもご一緒していましたし、個人的に凄く気になる役者さんでもありましたので、クラーラ役が和多田さんに決まったことはうれしかったです。
和多田 えっ。
佐倉 私、和多田さんの声質がすごく好きなんです。マイク越しの声だけでは分からない、響き方とかもすごく素敵で。だから、和多田さんならきっとかわいらしいクラーラになると。
和多田 そうおっしゃっていただけると、とてもありがたいです。実は今もまだ緊張が続いているくらいですので、ちょっとホッとしました。
佐倉 もうアフレコは最終話まで終わっちゃいましたけどね(笑)。
――本作に関わる前から「サクラ大戦」シリーズの名をどこかで聞くようなことはありましたか?
和多田 小~中学生の頃に仲がよかった女の子が、「サクラ大戦」の大ファンだったんです。グッズとかも集めてて。その子とカラオケに行ったら「檄!帝国華撃団」(「サクラ大戦」オープニングテーマ)を歌ってくれて、そこで初めてシリーズのことを知りました。それ以来、カラオケに行くときの定番曲になりましたね(笑)。
佐倉 私もタイトルや楽曲はかねてから存じていましたが、ただ、いつどこで知ったのかは思い出せないんですよね。ゲームで遊ぶこと自体がそれほどなかったのに、タイトルを知っていて、キャラクターたちのことも分かって、「ゲキテイ」はサビまで口ずさめる(笑)。しかも、母はそんな当時の私以上にアニメもゲームも知らないのですが、それでも「『サクラ大戦』という名前を知ってる、曲も聞き覚えがある」と言い出すくらいで! 日々を普通に過ごしているだけで、どこかで自然と触れる作品……そんな印象があります。
――2019年12月に発売されたPlayStation 4用ゲームでは、その「檄!帝国華撃団」の最新バージョンともいえる「檄!帝国華撃団<新章>」を歌われました。
佐倉 初めてそのお話をいただいたときは、お断りできるものならさせていただきたかったくらいです。このシリーズを今日まで育ててきてくださった先輩方が、私のような顔も見たことがない後輩が歌うのを見てどう思われるだろうと申し訳なさばかり先立ってしまって……。ただ、それはオファーをいただいたときに感じたことで、実際にメロディを聞かせていただいたら「これは私たちがシリーズへの敬意や愛情を忘れずに接すれば、きっとみなさんにも受け入れてもらえる作品になる」と感じました。
――それくらい、曲がすばらしいものであったと。
佐倉 はい。感じていたプレッシャーが、大きさはそのままに別のものにすり替わっただけなのかもしれませんけれど(笑)。
――アニメでは、佐倉さんはエンディングテーマの「桜夢見し」も歌われています。
佐倉 言葉並びやメロディがとてもきれいで、それでいて切なさも感じられるような曲になっていて、田中公平さんが抱いている「サクラ大戦」のイメージは、本当にいろいろな方向に枝が伸びているんだな、とあらためて感じました。アニメのエピソードも、対峙すべきものに立ち向かいつつ、みんながひとつになって目標に向かって走っていくお話になっていますので、きっとみなさんの印象にも残る曲になるのではと思います。
和多田 私はまだ聴けていないので、聴くのがすごく楽しみです!
――ゲーム「新サクラ大戦」の主人公は花組隊長の神山誠十郎でしたが、アニメではさくらが主人公となります。アフレコ現場でも、佐倉さんが座長を務められたのでしょうか。
佐倉 いえ、そんな! キャストはさまざまな現場で活躍なさっている方ばかりでしたし、ゲームの収録で得た経験もある状態でしたので、私がまとめなくてはという意識はありませんでした。ディレクションでも大きな修正をいただくことはなく、最終話まであっという間でした。
和多田 いつも、すごくスムーズに終わっていましたよね。
佐倉 第1話のアフレコから、たった2時間で終わったんですよ!
――第1話で収録時間がそれだけだったというのは、相当な早さですね!
佐倉 はい。いつも、キャスト各人が一番いいパフォーマンスをさらっと発揮して帰る、というような感じでした(笑)。
和多田 CGアニメということで「口の動きや表情芝居を合わせますので、思うままに演じてください」と言っていただけました。それと、現場では司馬令士役の杉田(智和)さんが、「前(2000年放送)のTVアニメはこうだった、自分はあのシーンには思い入れがあって……」と、よく「サクラ大戦」のお話を聞かせてくださいました。みなさんがどれだけの思い入れを持っていらっしゃるのか、どれだけ強い意志でここにおられるのかを感じて、私もそれに置いていかれないようにしなくてはと、いつも挑戦しにいくような気持ちで現場に臨みました。
――佐倉さんは、ゲーム版「新サクラ大戦」の発売前の頃から、自分がさくらを演じることを(初代花組のキャストたちに)申し訳なく感じるという趣旨の発言をされておられましたが、アニメのアフレコ現場で神崎すみれ役の富沢美智恵さんと何かお話はされましたか?
佐倉 アニメ第1話のアフレコで、ようやく富沢さんとお会いできました! 「『サクラ大戦』はそうじゃない」とおっしゃられたら、どのようにお詫びすればよいのだろうとずっと不安だったのですが、いざお会いしたら、嬉しそうに「やっと会えた~!」とおっしゃっていただけて。その優しさがうれしくて、むしろ恐縮してしまいました。富沢さんは、すみれがさくらにしているように、いつも優しく見守ってくださるんです。それと「佐倉さんがさくらちゃんをやるのね」と、自分からはなかなか言いづらいところにもしっかりツッコミをいただけました(笑)。
――いいお話ですね。すみれがそうであるように、富沢さんも”大スタァ”でいらっしゃったと。
佐倉 はい。それと、驚いたことは他にもありまして、富沢さんはとても緻密に台本へ書き込みされる方なのだと知りました。セリフ一つに対しても、本当にいろいろなことが書かれていて「こんな大先輩でも、一つひとつのセリフに真摯に向き合っているんだ」と、背筋が伸びる思いがしました。私もいつかこの方のようになれるのだろうか、なれたらいいなと。
――それでは、アニメの序盤の見どころを教えてください。
佐倉 アニメは、太正30年を描くお話になります。アニメからでももちろん楽しめますが、ゲームでの物語を経て今(アニメ版)があるというのがストーリーや会話の端々に見られますので、アフレコには、さくらがゲームの物語で積んだ経験を踏まえなくてはという思いで臨みました。和多田さんが演じるクラーラも、カミンスキーやレイラたち新生莫斯科(モスクワ)華撃団も、どこか”濃い”キャラクターたちで、まるでゲームの頃から登場していたかのようななじみ方をしています。「サクラ大戦」というタイトルだけに、春から放送が始まるのはとても素敵なことだと思います。ゲーム版を遊びながら、放送をお待ちいただけるとうれしいです!
和多田 クラーラは”記憶を失ってしまった謎めいた女の子”というところからのスタートです。そんな彼女が本当はどんな子なのか、注目していただければと思います。私はひと足早く第3話まで映像を見させていただきましたが、クラーラ以外にも、霊子(りょうし)戦闘機による白熱の戦闘シーンや、花組の舞台公演など、見どころがたくさんありました!
――ありがとうございます。最後に和多田さんにお聞きしたいのですが、アニメで「新サクラ大戦」に初めて参加されて、クラーラ以外で好きになったキャラクターはできましたか? たとえば、一緒に舞台を見たいキャラとか。
和多田 それなら、なんといってもクラリスですね! 読書家で、知識も豊富な彼女と一緒に舞台や映画を見て、そのあとにカフェで感想に花を咲かせたりできたら、きっと楽しいだろうなと思います!
Source: WebNewtype
「ゲームも遊んでいただけるとより一層楽しめます」TVアニメ「新サクラ大戦the Animation」佐倉綾音&和多田美咲インタビュー