TVアニメ第三期『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の続きを描く、シリーズ最新作『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』が、3月27日(金)より2週間限定ロードショー、またAmazon Prime Videoにて編集版を独占配信中。この度『PASH!+』では、法斑静火役を演じる宮野真守さんの単独インタビューを実施した。
本作は、人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルSFアニメーション。“FIRST INSPECTOR”では、監視官である慎導灼(CV:梶 裕貴)と炯・ミハイル・イグナトフ(CV:中村悠一)を中心に、刑事課一係が追う「狐」による事件、社会を裏で動かし、思うがままに世界を操っている組織「ビフロスト」の謎、そして灼と炯の戦いが、ついに決着する。
ビフロストの若きコングレスマン・法斑静火(ほむら しずか)を演じる宮野真守さんにインタビュー。静火は、常に冷静沈着であり、その思考は柔和な笑みに隠され窺い知ることはできない、TVアニメが終わった今でも謎が多く残るキャラクター。
そんな静火を演じる上で、どのように役作りを行ったのか、また本作の魅力や見どころ、さらには宮野さん自身が“PSYCHO-PASS サイコパス”の世界で生きることになったら? という質問まで、たっぷりと伺った。
■法斑静火役・宮野真守さんインタビュー
――『PSYCHO-PASS サイコパス3』よりシリーズ参加されましたが、これまでの『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界観にどのような印象を持たれましたか?
“SF”という設定を中心に置きながらも、“刑事ドラマ”の硬派な要素もあって、非常に面白い作品だと思いました。その面白さを成立させているのは、やはり塩谷直義監督の持つ膨大な設定量、そして設定力だと感じています。
僕が今作で法斑静火という役を演じるにあたり、とても謎めいた人物だったので、監督に設定について質問したんです。すると、ものすごい量のレスポンスがあって。そこで「この熱量や設定量が作品の面白さに繋がっていて、最大の魅力になっているのだな」と感じました。また、ひとつの物語のなかでこれだけの伏線を張れるのは、監督の作品への愛情と自信、そしてそれを裏付ける設定の膨大さがあるからこそ。それにより、新しいシリーズで新しいキャラクターで紡いでいく物語でも面白さが繋がっているのだと思います。
――では、アフレコに入る前の段階で、監督の中での“法斑静火像”は完成していたのでしょうね。
その通りだと思います。あ、でも実は、今回の『FIRST INSPECTOR』がああいう終わり方になることは、僕は台本をもらうまで知らなくて。正直、僕もびっくりしました(笑)。キャラクター性については聞いてはいたのですが、物語がどういう風に進んでいくかというのは知らなくて、台本をもらって「メインキャラクターだった! 劇場でも活躍できる!」という気持ちにもなりつつ(笑)、そう思ったと同時に、「彼の目的はこれからどうなっていくのか?」など、これからの静火の在り方がどうなるのかますます気になってきて。
そこから、改めて監督に静火のことを聞いて、“FIRST INSPECTOR”に挑む前にさらに深堀りしていきました。その際、その先に関係しうる静火の内面や目的を伺うことができたので、ますます演じ甲斐が出てきましたね。
――演技については、監督とは何か会話されましたか?
僕自身で静火の感情を感じて、思いを表現できるように「ここはどういうことですか!?」「どういう感情なんですか!?」と監督を問い詰めたので(笑)。
演じるうえで、僕が必要だと思った彼の過去や、今に至るまでどういうことをしてきたのか、それを経てどういう信念を持ったのかだとか、彼の過去についてたっぷり聞いて飲み込み掴んでいったかたちになります。
――“法斑静火を掴む”までにはかなり苦労したのでは?
回数を重ねて監督に説明を聞くことができたので、そこまで苦労したわけではなかったかもしれません。
でも、それは簡単に掴めたわけではなくて。監督と「何故これはこういうことになるのですか?」「その説明だと、ここはこういう感情ではないんでしょうか?」というラリーを、回数を重ねてしっかりできたので、その時間をちゃんと取れたからこそ掴めたのだと思います。
――本作の主人公となるのが、慎導灼(CV:梶 裕貴)と炯・ミハイル・イグナトフ(CV:中村悠一)の新人監視官ふたり。TVアニメ第三期の最終回では、灼と炯が決裂してしまう場面も。このふたりの関係性について、どういう印象を持ちましたか?
バディの在り方として、仲が良ければ良いってことではないと思います。お互いの足りない部分を補い合えたり、だからこそぶつかってしまったり。本作でさまざまな経験を経て、バディとしての成長しているように見えますね。
――ここからは、宮野さんについての質問をさせてください。TVアニメ第一期、第二期からのキャラクターも登場する今回の『FIRST INSPECTOR』ですが、個人的にお好きなキャラクターはいますか?
(狡噛慎也役の)関(智一)さんが、やっぱりかっこいいなと思いました。もともと、関さんの役への向き合い方が大好きで、尊敬していたので。「やっぱり関さんはかっこよかったんだ」と改めて思いましたね(笑)。
――宮野さんは、シビュラに管理された世界で生きてみたいですか?
職業などの進むべき道など判断されちゃうんですよね。それは困るなあ。「役者に向いてない」って今言われたらどうしよう(笑)!
でも、もはや今の科学で、“遺伝子的にこれが向いてます”ということがわかってきているそうなので…一種の判断材料としてなら、聞いてみたいかもしれません。いや、できれば知りたくないけど、興味はあります(笑)。
――『FIRST INSPECTOR』では2120年の近未来の世界が描かれ、AIやホログラムなどが登場します。どの様な印象をお持ちでしょうか。宮野さんのお仕事的に、ホログラムなどはライブの演出などでかなり活躍しそうですが…。
確かに! あのホログラムは、ライブには持ってこいですよね。早着替えとかボタンひとつで一瞬にできてしまう! AIと仕事を分担もできるかもしれないですしね。いや、でもAIに仕事を任せるようになっちゃったら怖いなあ。「AIの方が良いじゃん」となったら怖いので、やっぱり今のままが良いですね(笑)。
――宮野さんの思う、映画の見どころを教えてください。
梓澤廣一(CV:堀内賢雄)の野望や、「ビフロスト」の謎など、TVアニメで描かれていたものが、ひとつの終着となるので、アニメを見ていた人には絶対見届けていただきたいですね。法斑静火としては、必ず驚くビックサプライズが待っているので、今後への期待も含めて、ぜひ見ていただきたいです!
――最後に、映画を楽しみにしているファンの方に向けて、メッセージをお願いします。
まだまだ回収されていない伏線や、新たに浮上した謎もあります。応援してくだされば、僕らもまた演じる機会があると思うので、ぜひ期待して待っていていただきたいと思います。
■『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』
絶賛公開中
配信情報:Amazon Prime Videoにて編集版を日本・海外 独占配信中
STAFF
監督:塩谷直義
シリーズ構成:冲方丁
脚本:深見真、冲方丁
キャラクター原案:天野明
キャラクターデザイン:恩田尚之
色彩設計:鈴木麻希子
美術監督:草森秀一
3Dディレクター:大矢和也、森本シグマ
撮影監督:村井沙樹子
撮影視覚効果:荒井栄児
編集:村上義典
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和
オープニング・テーマ:Who-ya Extended『Synthetic Sympathy』(SMEレコーズ)
アニメーション制作:Production I.G
配給:東宝映像事業部
CAST
慎導灼:梶裕貴
炯・ミハイル・イグナトフ:中村悠一
雛河翔:櫻井孝宏
廿六木天馬:大塚明夫
入江一途:諏訪部順一
如月真緒:名塚佳織
唐之杜志恩:沢城みゆき
霜月美佳:佐倉綾音
ドミネーター:日髙のり子
法斑静火:宮野真守
代銀遙煕:中博史
小宮カリナ:日笠陽子
ラウンドロビン:森川智之
梓澤廣一:堀内賢雄
小畑千夜:矢作紗友里
狡噛慎也:関智一
宜野座伸元:野島健児
須郷徹平:東地宏樹
六合塚弥生:伊藤静
花城フレデリカ:本田貴子
常守朱:花澤香菜
公式サイト:psycho-pass.com/
©サイコパス製作委員会
Source: PASH! PLUS
宮野真守は『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界で生きてみたい?“FIRST INSPECTOR”への思い【インタビュー】