アニメ作品で「大泥棒」というワードを聞いて、皆さんは何の作品を思い出しますか? 筆者は『ルパン三世』。まさに大泥棒にふさわしいアルセーヌ・ルパンの孫で、その活躍ぶりは皆さんもさまざまなメディアで目にしておられるのではないでしょうか。
筆者は小学生の頃、第2シリーズのテレビ放映を欠かさず観ていた記憶があります。映画もよく観に行ったのですが、一番印象深いのは『カリオストロの城』。宮崎駿監督らしい冒険活劇溢れるルパンに痺れました!
先日、ふと観たくなって視聴していたのですが、冒頭シーンでルパンがモナコの国営カジノの金庫から札束を奪う際、その量のすごさたるや! 次元のセリフでは「ナンバー不揃い50億はあるぞ!」とのこと。
結局はニセ札でしたが、あの札束の量は一体どのぐらいの重さ何だろう? と気になったので50億のゴート札の重さを調べてみました。
50億のゴート札の重さを調べてみた
画面上では1ドル、10ドル、100ドルと額面はバラバラですが、帯封のあるドル紙幣。ちなみに、計算上では仮に全て100ドル紙幣であれば、50億÷100=5千万枚。
紙幣1枚の重さはどの金額のお札も1gなので、5千万gということは 50,000,000÷1,000=5万kg=50t となります。
50億というのは無理があるように思えてきましたね……。それでは、実際はどれだけの重さがあるのでしょうか?
冒頭のシーン大きな風呂敷包と大きなバッグに札束が溢れています。あとはルパンの小脇に抱えている札束、二人のポケットにねじ込まれている札束ですが、以下は画像により推定されるものです。逃走時に相当数まき散らしていますが、それは考慮しません。
ルパンの小脇に抱えている札束がおよそ20帯。ポケットにねじ込まれている札束およそ10帯×4か所。風呂敷とバッグの体積ですが、今観ている画面のサイズでルパンが10cm、実際の身長が179cmなので、179÷10=17.9倍となります。
これにあてはめて風呂敷とカバンそれぞれを画面に定規をあてて測った大きさを17.9倍にして体積量を算出すると、
風呂敷の高さ80.6cm 横幅71.6cm 丸く包んで楕円体として計算すると内容量は216,351㎤ ※小数点以下四捨五入
カバンは高さ44.8cm 横幅44.8cm 奥行17.9cm 内容量は37,622.㎤ ※小数点以下四捨五入
お札は縦幅6.63cm 横幅15.6cm 厚さ0.01cmなので体積は1㎤=重さにすると1g ※小数点以下四捨五入
・重さに換算すると風呂敷は216kg カバンは38kg ※小数点以下四捨五入
・1帯100g×60帯=6kg
合計260㎏
※参考ですが、100ドル紙幣換算で26万枚=2600万ドルとなります。
これだけの札束を持って華麗に走り去るのだから、ルパンも次元も超人的な身体能力の高さですよね……。
2人とも、あんな細い身体で普段は酒やタバコを吸っていてもいざという時はとんでもない力を出せる、これこそが大泥棒の秘訣なのでしょう!
ちなみに、この映画が公開された1979年12月15日の前日12月14日のドル円レートは、1ドル約243円。
243×2600万ドル=63憶1800万円
次元の「50憶」がドルか円かわかりませんが、円だとしたら彼の予想をかなり上回る金額だったことになります。
参考文献及び資料
映画【ルパン三世・カリオストロの城】
ウィキペディア 【ルパン三世・カリオストロの城】
ルパン三世 NETWORK 【Lupin World】
アメリカンセンターJAPAN 【通貨・お札】
KEⅰSAN【楕円体の体積】
1ドル円.com
(※画像は金曜ロードショー公式サイトより)
文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
よしもとライターズアカデミーウエストは大阪発信のシナリオライターを育成。詳しくはこちらまで! ⇒https://writers.academy.yoshimoto.co.jp/
Source: PASH! PLUS