PASH!10月号に掲載されたTVアニメ『天官賜福』三郎役・福山潤さんへのインタビューの一部をお届けします。
三郎役・福山潤さんインタビュー
――三郎を演じる上で意識されていることは何ですか?
音響監督や監修の方に彼のバックボーンや謝憐に対する想いを教えてもらいながら、三郎を作り上げていきました。
――第十話に至るまでに三郎に対する印象は変わってきましたか?
第十話までに謝憐と三郎がどれくらいの時間を共に過ごしたか明確には語られていませんが、たぶんそれなりに月日は経っていると思うんですよね。でも三郎は未だ、自身が持つ尖った部分を謝憐に見せていません。
一方で南風や扶揺などほかの人物には、謝憐に対するのとはまた違った顔を見せていて。しかもその態度を隠そうとはしていない。つまりは謝憐に「あなただけは特別な存在ですよ」と態度で示しているわけですよ(笑)。再会からずっとアピールし続けているところは同じなので、印象が変わったというよりもブレないなという感想です。
――福山さんから見た謝憐の印象をお聞かせください。
日本をはじめ多くの国では神は人間とは隔たりをもって信仰されていることが多いですが、『天官賜福』で描かれる神は人間との境界線が曖昧というか、距離が近いんだなと思いました。功績で神官になったり、才能で位を上げていったり、人間が神官となって人間の俗世に関わったり、関わらなかったり。神と人間のコミュニティが完成している世界観のなかで、謝憐は我々現代人に近いメンタリティを持っていると感じました。
過去の要素を含んだ作品において、現代人に近い精神性を持った人は往々にして不幸な目に遭うことが多いんですよね。今でこそ身分や性別の違いによって差別することはナンセンスと考えられていますが、そういう観念がない世界で自身の道徳を振りかざす謝憐の行いは、我々からは「優しい人」「いい人」と映っても、変人となってしまう可能性もあって。実際に謝憐は、あの世界ではちょっと浮いた存在になっていますよね(笑)。
――福山さんが思う謝憐と三郎のコンビの魅力とは?
三郎としては謝憐に自分の正体に気づいてほしいけれど、決して自分からは言わない。謝憐も三郎の本質には疑問を持っていない。だから言及するタイミングがない。でも周りからはとても近い間柄に見えるのに、本人たちのなかには「近づきすぎない距離」というのが確実にあって。しかも、その距離感を楽しんでいるというのかな? そんなもどかしさがふたりの魅力のような気がします。
――作品のファンにひと言をお願いします。
『天官賜福』は壮大な物語を丁寧に脚本に起こし、ビジュアルにも力を入れて作られたクオリティの高い作品です。今後も腰を据えて制作していくんだろうと思わざるを得ないラスト2話をぜひ観ていただきたいです。ちなみに僕は第十二話が好きなんです。最終話にしてふたりの会話にフォーカスを当てた作りとなっているのですが、それってアニメ作品においては勇気のある演出なんですよ。普通なら最終話は全員集合させたり、戦わせたり、伏線の回収をするから。
だけど『天官賜福』はそうではないんです。もうホントに謝憐と三郎のお互いの気持ちの確認のし合いです(笑)。なので、観る方によって感想は大きく変わってくるかもしれません。特にいろいろなことを経験してきた方や思いを馳せる余裕のある方、あるいは思わざるを得ない何かを持っている方には、大変面白く観ていただけるのではないでしょうか。
また、個人的にはこのエンディングを男性陣がどう捉えるのか興味があるので、男性にも観ていただきたいですね。そして、おそらくみなさんはこれからの彼らがどうなっていくのか気になることでしょう。謝憐と三郎とふたりを取り巻く世界に、この先も長い時間付き合っていただくことになるかもしれません。ぜひともよろしくお願いします。
(PASH!2021年10月号より抜粋)
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Source: PASH! PLUS