英智と零が対峙するシーンで緑川 光さん、増田俊樹さんが感じたことは?あんさんぶるスターズ!! 追憶セレクション『エレメント』PASH!独占対談インタビュー。プレゼントキャンペーンも

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リリース8周年を目前に控えた今もなお、高い人気を誇るアプリゲーム『あんさんぶるスターズ!!』のなかでも、特に人気の高いイベントストーリーをCGアニメ化した、あんさんぶるスターズ!! 追憶セレクション『エレメント』(以下『エレメント』)。全話の配信が終わった今、天祥院英智役の緑川 光さんと、朔間 零役の増田俊樹さんに、本作について語っていただきました!

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「零は、見えているはずのものを踏みつけながら進んでいく英智に対して、悲しみみたいなものを抱いていたように感じるんです」【増田】

 ――まずは、『エレメント』のシナリオを読んだ感想をお聞かせください。

緑川 このストーリーは、視聴者がどのアイドルの目線で読むかによって、全然違うものに見えるお話なんですよね。僕は英智を演じる人なので、彼のことを考えながら読んでしまいます。このときの彼はまだ幼く、他人から見るとキツいことをしているとは思うんですけれど、その一方で、英智なりにアイドルのことを考えて頑張っているんだなと、改めて強く感じました。もちろん、両手を上げて褒められるようなことではないんですけれども、それでも彼なりに一生懸命だったんでしょうね。

増田 一度テレビアニメでも映像化されているお話ではありますが、今回は夏目の目線で描かれています。『五奇人』としてのシーンが多く、前回よりも楽しい描写が多い印象でした。だからこそ、結末に向かっていくにつれてその落差が大きく表現されたフィルムになっているというのが、シナリオを読んで第一に感じたことですね。『五奇人』は祭り上げられた存在なので、彼らが集まって何かするというのは、テレビアニメではそこまで大きく描かれてこなかったんです。そんな彼らが一堂に会して意見交換をしたり、コミュニケーションをとったりしている様子が今回大きくフィーチャーされていると感じました。

緑川 そうですね。これまで描かれていなかった部分が今作で補完されているので、僕もファンの皆さんと同じように「裏でそんなことがあったのね」と楽しんで観ることができました。新しい要素があるからこそ、同じストーリーでも違った見方になりますし、キャラクターを考察するのも楽しいですよね。

 ――おふたりは42日に開催された先行上映会でトークショーも行い、ファンの方々の反応を実際にご覧になられたと思いますが、いかがでしたか?

 緑川 会場にいるファンの皆さんから漏れ聞こえる声で反応を見られるイベントが長い間なかったので、とても新鮮に感じました。リアルタイムで皆さんの喜びを肌で感じることができるのは嬉しいですよね。声が出せない状態でもイベントをやっていただけてありがたいと思っていた時期もあるのですが、やっぱりリアクションが返ってくると尚更嬉しいですよね。

増田 そうですね。今回ステージに立ってお客さんの反応を間近で見たことで、改めて作品の人気を感じることができました。この『エレメント』は、僕の主観からすると、つらく苦しいシナリオだと思うんです。だから上映会の後どういった反応になるのか、そして自分はどんな状態で登壇すればいいのかと、正直緊張していた部分もありました。でも、そんな物語のつらさも含めて、シナリオとして楽しんでいるお客さんが多いのかな。

――英智と零はそれぞれ現在と『エレメント』の舞台となった2年前とではガラリと印象が変わりますが、その変化についてはどのように感じていますか?

緑川 今の英智はなんだか丸くなりましたよね。いちばん問題があった『Trickstar』と事務所が一緒なのは、お互いを認め合ったからだと思うので、そういった部分が素敵だなと感じました。昔の英智は、基本的な考え方は今とそこまで違わないと思うのですが、今よりも「生へのこだわり」や「死の恐怖」と戦っていたような気がします。理想があるから、死ぬ前になんとか成し遂げたい。でも死にたくない。そんなところが等身大の高校生っぽいですよね。今もそういった恐怖が全くなくなったわけではないと思うのですが、色々な思いを乗り越えて、アイドルのために、アイドル業界をよくしようと前進しているのがいいですよね。

 増田 零は口調こそ変わっていますが、根っこの部分は何も変わっていないんだろうなと思います。自分よりも、誰かのためを思って動くような人なので。現在進行形で描かれているストーリーでも、そういった部分が見受けられますよね。ただ、お芝居に関しては、たとえ彼の根本が変わっていないとしても、今回は製作陣が新しいアニメチームだったので、求められるものにどれだけ応えられるかを大切にしました。テレビアニメで一度演じてはいるものの、そのときとはディレクションも全然違っていましたし。「零のお芝居が怖いから、もっとマイルドにしてほしい」と言われたときは、ちょっと驚きました。

 緑川 僕はあまり難しいことは言われなかったのですが、基本的には増田くんと同じような考え方で、お芝居の方向性を特に決めてはいなかったですね。ディレクターさんによって考え方も違いますし、作風が変わったら求められるお芝居も変わるので。

 増田 キャラクターの描かれ方がそれぞれ異なりますもんね、『エレメント』って。

 緑川 そうだよね。これまでと全く一緒でもつまらないし。

 増田 『エレメント』はそのキャラの立ち位置によって悪と正義の見え方が入れ替わるストーリーだから、目線によっても求められるお芝居が変わってくると思うので、視聴者にどう届くかをいちばんに考えました。

――そうなんですね。改めて注目してみます。では、おふたりは旧『fine』と『五奇人』についてどのように感じていらっしゃるのでしょうか?

 緑川 『五奇人』はセレクト段階からかなりの強者ですよね。強者という面では旧『fine』もそうなんですけど、いろんな意味で強すぎちゃったのかな、と思います。例えば昔の巨人軍みたいにスター選手ばっかり集めたとしても、それが強いチームになるのかというと、違うじゃないですか(笑)。旧『fine』はすごく魅力的なメンツではあるんですけど、今の『fine』のほうがバランスはいいんでしょうね。

 増田 心の中で尊敬しているか、頭で尊敬しようとしたのかっていう差がそれぞれにあったように感じます。『五奇人』は、お互いがやっていることはよくわかっていないけれども、「きっとやっていることはすごいんだろうな知らんけど」みたいな感じだったと思うんです。そこに対して旧『fine』は契約で繋がっていて、そのなかでやり切らなければいけないというか、ある種、理性のなかで付き合っていたんでしょうね。その差というか、対比がありますよね。シナリオ的にも対比構造が作られがちですし。

――そんなおふたりが、第3回で対峙するシーンはとても印象的でした。演じられた感想を教えてください。

緑川 「朔間先輩は、やっぱりすごい人なんだな」と感じていたと思います。でも、英智も生徒会長になって、そういった「すごい人」と対等に会話をしているので、これからの手腕も垣間見えました。なかなかあんな風にはできないですよ。朔間先輩、クセが強いじゃないですか(笑)。自分の中に強い理想があるからこそ強く出られるのかな、と思います。そうじゃなかったら尻込みしちゃいますもんね。

増田 零からすると「天祥院のこと嫌いだなー」という思いが集約されたシーンでしたね。英智は『五奇人』と並ぶくらいの存在感ではあるけれども、零の価値観の中では尊敬できる部分がなかったんだろうと思います。「もっとできたことがあるはずなのに、なんでそんな選択を取ったんだろう」って。朔間 零って、人を踏み躙るようなことはしてこなかったんじゃないかなって思っているんです。だからこそ、見えているはずのものを踏みつけながら進んでいく英智に対して、悲しみみたいなものを抱いていたように感じるんですよね。

緑川 でもそんななか、『五奇人』である渉が、自分を討伐することに一瞬揺らいだ英智に対して、「アイドルならば、その言葉はしまっちゃいなさい」って言うんですよね(第4話)。はたから見ていると、増田くんが言う通りだと思うんです。でも、英智として「らしくない」ことを言いかけたとき、渉は止めるんですよ! 僕としては「なにそれ、カッケー!」ってなりました(笑)。

 ――本作では新たに『Genuine Revelation』と『Eccentric Party Night!!』のMVも制作されました。こちらをご覧になった感想を教えてください。

 緑川 なんだかんだで「初期」の楽曲じゃないですか。最先端の技術を使うことも可能だとは思うんですけど、それをあえて押さえているのがいいですよね。そのなかでアイドルたちが競っている姿が見えるのが、新鮮に感じましたし、ちゃんと考えられているんだなと嬉しくなりました。

増田 今作のMVは、単なるミュージックビデオやライブパートではなくて、夏目の目線でライブステージに立ったとき、ほかの4人とどういうふうに共演しているのかが描かれていると思うんです。そういった部分を写さないほうが、偶像であるアイドルとしては正しい姿かもしれませんが、あえて人間らしいところを見せて、ストーリー性を曲の中に含ませているように感じました。あと、曲のアレンジも違うんですよ。なので、今作の『Eccentric Party Night!!』は新しいものとして楽しんでいただけると思います。

 ――ありがとうございます。最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

 緑川 人気が高く、重たい(笑)お話の『エレメント』がCGアニメ化されました。何度観ても新しい発見があると思うので、たくさん観ていただきたいです。アプリゲームでも『エレメント』がらみのイベントが色々と行われていますので、それもひっくるめて、魅力的なユニット・旧『fine』と『五奇人』を改めて堪能して、楽しんでいただければと思います。

 増田 一度テレビアニメで映像化されていますが、新体制のチームで、新しい『エレメント』を作りました。今後に繋がるような作品でもあると思いますので、観てくださる方それぞれの感性でたくさん楽しんでいただけると嬉しいです。

 Text=加賀谷優子

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