テレビアニメが放送中の青春初恋ラブコメ『僕の心のヤバイやつ』。本記事では『PASH!』5月号に掲載された、市川京太郎役・堀江 瞬さん、山田杏奈役・羊宮妃那さんの対談インタビューの一部を特別に掲載します!
市川&山田を好演する堀江さんと羊宮さんは、少しずつ距離を縮めるふたりにキュンキュンしている様子。市川のカッコよさ、山田の可愛さ、そしてふたりのヤバさまで!? たっぷり語っていただきました!
――初めに原作コミックを読んで感じた本作の魅力をお聞かせください。
堀江 実は僕はオーディションより前に、ファンの方から「いつかこの作品がアニメ化されるとき、堀江さんにやってほしい子が出てくるんです」と、第1巻をいただいたのが本作との出会いでした。そのとき感じたのは、山田はともかくとして、ここまで陰に傾いている主人公の男の子の恋愛を描いているのが新しいなと。しかも決して鬱々とした展開なわけではなく、途中からは読者からすればふたりが絶対両思いだと分かりきったうえですれ違うところがもどかしくて、でもそれが甘酸っぱくて。キュンキュンしながら読める作品だなという印象を受けました。
羊宮 私はラブコメ作品と伺いページを捲っていったのですが、気付けばすっかり市川くんのファンになっていました! もちろんキュンキュンするシーンも多いのですが、市川くんの頑張る姿に心が温かくなります。
――オーディションでの思い出もぜひ教えてください。
堀江 これは僕の良くないところなのですが、どの作品を受けていても「落ちたな…」と思ってしまうんです。この作品のオーディションでは、特にそれを感じていて。というのも、物語当初の市川は変声期だと原作に明記されているので、その役を男性声優がやる未来がまったく想像できませんでした。僕は声変わりしてから十数年経っていますし、果たしてこの役をやらせていただくチャンスはあるのかな…と半信半疑でテープオーディションを受けて。スタジオオーディションに残ったという知らせも戸惑いと共に受け取り、当日もまったく手応えがないままスタジオを後にしたんです。だから後日、市川役に受かったと聞いたときは呆然としてしまい、喜びを遥かに凌駕する動揺とプレッシャーを感じました。この役とどう向き合っていけばいいのかというのは、収録中の今もまだ考えている最中で、多分オンエアが終わってようやくじんわりと喜びが湧いてくるのかな…と思っています(笑)。
羊宮 私はテープオーディションのとき、ちょうどスランプに陥ってしまっていたんです。一度事務所で録らせていただいたもののうまくいかず…。その悔しさから、お家に帰った後に自主的に録り直しをしまして…。翌日、録り直した音源をマネージャーさんに送り、「聴き比べていただき、良いほうを提出していただくことは可能でしょうか?」と打診させていただいたんです。その結果…録り直しのほうを提出していただいたと、後から聞きました! 本当に悔し涙が出たくらい、何度も録り直しをした音源だったので…受け止めていただけて嬉しかったです。そしてその甲斐あってか、スタジオオーディションに進むことができたのですが…現場で「ポテトチップスをアドリブで食べてください」という予期せぬ審査があったんです(笑)。
堀江 へえ~! そうなの?
羊宮 はい。「分かりました~!」と答えて、杏奈ちゃん、杏奈ちゃん…と考えを膨らませ、頬張るようにバクバク食べるお芝居をしました。どんなディレクションが返って来るかな?と思っていたところ、「すみません、ポテトチップスは1枚ずつ食べてもらってもいいですか…?」と(笑)。
一同 (笑)。
羊宮 でもその後すぐ「やっぱりけっこうです! ありがとうございました、お疲れ様です」といただいて。
堀江 じゃあ1枚ずつ食べるお芝居はやらずに?
羊宮 そうなんです。そのお芝居が良かったか、聞くまでもないと思われてしまったか、どっちかだろうな…と不安な気持ちで帰りました。後々、あれが山田っぽくて良かったと伺いました。
――堀江さん演じる市川の魅力について、どのように捉えていますか?
堀江 市川はまさに “騎士"みたいな人です。
羊宮 確かに!
堀江 俗に言う陰キャではあるけども、好きな子を守りたいという想いがとても強い、カッコいい男の子だなと思います。多分みんなそういうところにキュンキュンするんじゃないのかなって。
羊宮 分かります! (第1話で南(なん)条(じょう)先輩に絡まれた山田を見て)自転車を投げる行為も、なかなかできないというか。ほかにも(研究発表会で山田を庇うために)模造紙を破ったり。最初は内気で周りを妬みながら生きている印象でしたが、実はそうやって杏奈ちゃんが困っていると、気付かれないように気持ち悪くならないように試行錯誤しつつ、行動を起こせる子です。市川くんの優しさが表立つと、恐怖を感じさせる場面もあるんですけど…。
堀江 ヤベーやつ!ってね(笑)。
羊宮 そうなんです、そうなんです(笑)。でも彼は不器用なだけであって、本当に優しいところが魅力です。「やってしまった…! 自分気持ち悪かったかな…」と感情が入り乱れることはあっても、それより杏奈ちゃんのことを優先して動けるところがカッコいいなと感じます。
堀江 しかもその優しさに気付くのが、山田だけっていうのもエモい。
――羊宮さん演じる山田の魅力は?
堀江 例えば市川が山田の気持ちを間違って汲み取ってしまい、そっけなくあしらうことがあると、すごく寂しそうな顔をしたり、その後ちゃんと自分は寂しく感じたんですよということを言葉にして伝えられるところが、山田はいじらしくて、とっても可愛いです。
羊宮 ヤキモチを焼いて内に気持ちを隠してしまうこともあるんですけど、そういうまっすぐさ、素直さを杏奈ちゃんが持っているからこそ、ふたりの関係性においても彼女はいろんなことを受け止められるんだろうなと感じます。
――演じる際に大切にしていることは何でしょう?
堀江 オーディションまでは「この年代の男の子って、どうやって声を出すんだろう? 僕はどうしていたっけ?」と、声先行で考えて役作りをしていました。でも収録が始まってからは、声の出し方に固執せず、掛け合いのなかで生まれてくるものを大事に演じています。無理して高い声を出すのはきっと違うんだろうなと、自然に出しやすい声のラインでこの年代特有の未熟さを表現することを優先しようと思っています。そのためセリフをセリフっぽく感じさせないように、普段僕らも送っている日常生活をそのまま切り取るような雰囲気で、思春期のきらめきを表現できたらなと。
羊宮 杏奈ちゃんとして素直にまっすぐ向き合うことが一番大事かなと思っています。彼女の明るさをより明るく大袈裟に強調して演じるというよりは、杏奈ちゃんと一緒に経験を積み重ねていきながら感じ取ったものを、素直に声に出していこうと。それから、市川くんはモノローグが多く、私自身はそれが聞こえているわけですが、杏奈ちゃんには聞こえていない部分ですよね。だからそこを頭の片隅に置きつつ、杏奈ちゃんとして市川くんが発した言葉だけを汲み取って、そこにどう彼の微かな優しさを感じていくかということをしっかり意識するようにしています。
――思春期真っ只中な市川&山田に、何か応援やアドバイスの言葉を贈れるとしたら何と声をかけたいでしょう?
堀江 難しいー! …市川は、髪を切ったほうがいいかもしれないです。
羊宮 あはははは!
堀江 まず視力が下がりますし。それに僕も油断するとすぐ前髪が伸びて目が隠れてしまうのですが、そうなると頭が痛くなってくるんです。これって僕だけなのかな? 三半規管かどこかに影響が及んでいるのか分かりませんが、低気圧のときと似た頭痛や吐き気が起こるんです。前髪がある生活に慣れたまま大人になると、健康が心配(笑)。市川、気を付けてくれ。
羊宮 杏奈ちゃんには、アドバイスっていうアドバイスはない気がします。もうずっとそのままでいてね!と言いたいです。だってすごく一生懸命だし、全部を受け入れて、どうにかしていこうという姿勢を持ち合わせている子だし。傷つくことはあれど、前を向いて努力できる子だと思うので、私は味方だよ!って伝えたいですね。
――今後の見どころを踏まえて、最後にメッセージをお願いします!
堀江 市川たちの心の機微に今後もご注目ください。ふたりのやりとりが甘酸っぱくてもどかしくていじらしくて、観ていてキュンキュンする30分を毎週お届けできるんじゃないかなと思います。全体的にコメディーテイストで観やすいながらも、ふとした瞬間悲しいシーンでもないのに何だかちょっと泣けてきたり、いろんなことを感じさせてくれる作品になっています。隣の学校の子たちのことを見ているような、親近感の湧く物語が展開されていくので、どうぞ最後まで見届けていただけたら嬉しいです。
羊宮 原作の良さもありつつ、アニメならではの間(ま)だったり、声や音楽や景色を楽しんでいただける映像になっていると思います。ぜひ1話1話楽しんでいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!
(PASH!2023年5月号より抜粋)
Text=鈴木 杏(ツヅリア)
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
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Source: PASH! PLUS