昭和を代表するアニメの一つ『機動戦士ガンダム』。ガンダムシリ-ズの第一作として、1979年4月から1980年1月まで全43話が放送されました。3部作の総集編映画(松竹配給)も制作され、後に続編の『Zガンダム』をはじめ、平成、令和にもシリーズとして続いていくことになります。
小学生の頃、リアルタイムで見ていた筆者。当時、ストーリーも登場人物も登場メカも斬新で、毎週テレビにかじりついていました。また当時『ガンダム』をきっかけに、子どもだけでなく、大人も楽しめるアニメ作品が多く生み出されていったように感じます。
そんな中、斬新なストーリー、かっこいいメカに魅了されて視聴はしていましたが、実は筆者、主人公のアムロ・レイに対して「なんてわがままな奴なんだ!」と負の感情を抱いていました……。
しかし、大人になって改めて見直すと「軍隊に入りたいわけでもないのに、15歳の思春期の男の子があんな無茶振りされたら脱走するよね……」と同情する気持ちも。さらには、1年戦争の後期0079年9月18日から戦争終結の0080年1月1日のわずか3か月半で、敵モビルスーツ142機&艦船9隻を撃墜という恐るべき能力。ちなみに、一年戦争エ-スパイロット名鑑では僅差で第2位に甘んじていますが、1位はテネス・A・ユング少佐のモビルスーツ149機&艦船2機撃墜。そんなに変わらないですよね。
改めて思うことは……「アムロ……なんて恐ろしい子!!」
そう思ったあとに、ふと「劇中では、ビームライフルやハイパーバズーカで敵を打ち落としているシーンをよく目にするが、どれくらい難しいのか?」と考えた筆者。そこでこの度、アムロの射撃の命中率はどれくらいなのか、エースパイロットとして本当にふさわしいのか、勝手に検証してみました!
どれくらいの命中率だったらエースパイロットになれるのか!?
モビルスーツの格闘戦では、教育型コンピューターは非常に有効。しかし、射撃となると動き回る目標を相手にするには中々補正は難しいと思います。事実、ガンダムに乗ったセイラは思わず「射撃がこんな難しいなんて……」と吐露しています。
【前提条件】
◆画面に写っているものをカウントしています。
◆標的を狙って的中しているものをカウントしています。
※脱出の為に自機を狙う等を含みます。
◆大破、小破に限らず当たっているものをカウントしています。
◆60mmバルカン砲は除外します。
◆射撃の対象物は特定しません。
※モビルスーツ以外も敵機及び建造物の破壊の為に命中した物を命中とカウントします。
■宇宙戦1話~5話
サイド7を脱出して地球へ向かうのですが、シャアの執拗な追跡に手こずるアムロ。というか、あの状況で素人集団のホワイトベースが逃げ切るというのは、奇跡以外何物でもありません。
発射数30発
命中数7発
命中率23.3%
アムロは超初心者の上、赤い彗星シャア相手ですので、これでも上等ではないでしょうか。
■地上戦6話~30話
地球に降り立ったガンダム、やって来るのは、えげつない数のジオン軍とベテランパイロット達。そして、続々と登場する新型モビルーツそして極め付けはモビルスーツ以上の能力を持つモビルアーマーの攻撃です。
発射数108発
命中数56発
命中率51.8%
仲間達とぶつかりながらも人間的に成長していくアムロ。スコアを見ても分かる通り、それ以上にガンダムパイロットとしての著しい成長を遂げていきます。
■宇宙戦31話~43話
ジオンとの最終決戦に向けて宇宙へ旅立つホワイトベース。お約束のように、シャアも追いかけてきますが、もうガンダム無双では無く……アムロ無双状態。もはや、ガンダムすら動きがついて行けない状態です。
スコープ無しで目標の動きを先読みして当てるとか、もはやゴルゴ13以上の能力をも持つアムロ。
発射数125発
命中数60発
命中率48%
マグネットコーティングでガンダムの動きを強化させると無敵状態になりますが、ア・バオア・クーで破壊されます。しかし、戦った敵の性能を比較しても健闘以上の戦績を叩き出しています。
アムロは本当にニュータイプ? 総命中率が発覚
そして、アニメ全43話中の結果は……
総発射数263発 総命中数発123発 総命中率46.7%
比較する指標が無いので一概には高いか低いかは評価しがたいですが、照準を合わせて一発勝負、それも動いている相手にこの命中率はやはり“ニュータイプ”なのではないでしょうか。
ビ-ムライフルに関しては装弾数15発、ハイパーバズーカに関しては装弾数5発、当たれば一撃必殺の武器であったとしてもかなりの制限があります。補給すればよいのでしょうが、残念ながら戦闘中の弾丸の補給は描かれていません。
ホワイトベースも自分達のことで手一杯といった所でしょうそこまでの余裕はなさそうな様子。セイラさんにビームライフルに射出を依頼しますが、「余裕が無い」とあっさり断られるシーンも描かれています。
味方も僚機モビルスーツたった2機と圧倒的な不利な状況で、これだけの戦果を上げているというのは、やはりアムロは連邦軍のスーパーエースであることは間違いなし! 本作を観たことある人、観たことない人も、ぜひ上記の戦闘シーンや勝敗を確認しつつ、作品を楽しんでいただけたら幸いです。
参考文献及び資料
テレビ 【機動戦士ガンダム】
ウィキペディア 【機動戦士ガンダム】【ガンダム(架空の兵器)】【一年戦争】
ピクシブ百科事典【ビームライフル】
ニコニコ大百科【一年戦争エ-スパイロット名鑑】
(※画像はサンライズ公式サイトより)
文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
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Source: PASH! PLUS