HoYoverseが配信中のスペースファンタジーRPG『崩壊:スターレイル(スタレ)』で、12月25日よりホタルのイベント跳躍が復刻開催されます。これを記念して、PASH!7月号に掲載したキャストインタビューの一部をお届けします。
※本記事は2024/6/10発売「PASH!7月号」にて掲載したインタビューより、一部内容を抜粋したものになります。
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「元気さ」と「儚さ」を兼ね備えた演技に試行錯誤
――ホタルにはどのような印象を抱いていますか?
第一印象は「可愛らしいキャラクター」でしたね。ホタルに関する資料を見たときに「天真爛漫」というワードがありまして。元気系といいますか、割とハツラツとしたタイプの子なのかなと思いました。そしてそういうお芝居を現場に持って行ったら、「天真爛漫なんだけど儚さもほしい」とディレクションをいただきまして。
そのふたつって真逆じゃないですか。「儚さ」といいますと太陽よりも月みたいな、どちらかというと見守ってくれたり何かを抱えていたりするイメージがありますし。だから最初の頃はそれらを両立させるのがかなり難しかった記憶があります。何回もリテイクを重ねたり、いろいろなパターンを試したりしつつキャラクターを作っていきました。
でも最初にキャラ感を決めたのはホタルが開拓者を案内するところだったのですが、「いろいろと明かしたあとに凛々しい姿も出てくる」という設定も資料に書かれていて。そこでもギャップをつけたいと思ったんです。だからそのあたりも緻密に調整しながら演じていきました。
↑「星核ハンター」の一員で、機械の装甲・サムを身に纏う少女。「脚本」に従ってピノコニーにやって来た彼女は開拓者と接触し、観光案内の名目で行動を共にする。当初は開拓者を騙す形になったが、友好的な関係でありたいと願っていた。
――“資料を確認したとき”と“現場でディレクションをいただいたあと”とで、ホタルの印象が変わったのですね。
かなり変わりました! 「天真爛漫」と「儚さ」を天秤にかけたとき、「儚さ」が上回っても良いことに気付きましたね。そのおかげでセリフを言う際に自分の中で大事にする要素が結構変わっていった感じがします。
―― ふたつの要素を取り入れるために、何か工夫したことはあるのでしょうか?
シーンによってセリフのニュアンスや声質を変えています。天真爛漫さを出すには、相手がつい笑顔になってしまうような愛嬌が必要だと思っているから、やたら明るく演じたりもしたんですよ。一方、儚さを出すのであれば淡々と喋ったりしたほうが良いのかなと。
息混じりな声質にするなどして差をつけていきましたね。そうすることで「ホタルどうしたんだろう?」と皆さんに感じてもらえたら嬉しいなという思いがありました。
↑儚さを感じさせるような雰囲気をもちながらも、天真爛漫な姿を見せたホタル。元気に観光案内をしてくれた彼女は、現実世界では病により不自由を強いられていた。そんな彼女はさまざまな世界へ行き、さまざまなことを体験できるナナシビトたちに憧れを抱いている。
――ここからはホタルが登場したシーンを細かく振り返っていきます。まずVer.2.0で開拓者と出会い、ピノコニーを案内したときのホタルのガイドはいかがでしたか?
ものすごく可愛かったですよね! 多くの方が「ここからどう物語がシリアスになっていくんだろう?」と思ってしまうくらい、楽しかった瞬間だったのではないでしょうか。だからこそ、その楽しさを感じてほしいと思いながら演じていました。
あまり“裏”を見せたくなかったから、「可愛い女の子が現れたぞ!」と受け取ってもらえるようにすごく元気な感じを意識したんです。それから個人的には、ハキハキガイドしすぎると、ナビゲーターみたいになってしまって可愛げがなくなると思ったんです。なので彼女の不器用さも出せたら良いなと考えました。
私はホタルが開拓者に美味しいものをご馳走するとき、選択肢によっては結構お金を取られてしまうところが大好きなんです(笑)。そこでのホタルは「大丈夫、少しは蓄えがあるから……」と若干辛そうにしていて…。不器用ながらも頑張ってくれているところが素敵でしたよね。
あと、スラーダがどんな味なのか気になります! 私自身、食べるのが好きなので、ホタルと一緒に行ってみたいなと思っちゃいました。もちろんそのときは私がお金を出しますよ(笑)。
――ほかにも、ホタルは全体を通して開拓者との会話が多かった気がしますが、楠木さん自身は開拓者にどんな印象を抱きましたか?
選択肢によって変わってくるとは思うのですが、一貫してたまに天然だなと感じる瞬間がありまして、そういうところが好きだなと思いました。ホタルも結構ツッコミを入れていますよね。主人公なのに完璧すぎず、若干抜けているところがある。そのあたりはすごく人間味を感じられますし、開拓者の魅力のひとつかなと思います。
ゴミ箱に対しての執着がすごいのも面白いですよね(笑)。でも大事なところは絶対に決めるのが良い意味でズルいです。
――ホタルと開拓者のシーンといえば、秘密基地にてホタルが気持ちを吐露する場面もありましたね。
ホタルにとってはターニングポイントになってくるところでしたし、いろいろと曝け出さないといけなかったから、演じていて結構大変だったのを覚えています。黙っていたほうが楽だけど言わないままでは何も変わらない。もしかしたらホタルは嘘をついたり駆け引きが苦手だったりするのかもしれませんけど、開拓者に言える範囲で本当のことを伝える決断をしたというところに、彼女の強さを感じました。
あとそのシーンでのホタルですと、最初は頑張って淡々と話している感じに努めていまして。開拓者がホタルの話をしっかりと聞いてくれるからこそ、ホタルの気持ちが意図せずにどんどん出てきてしまうような感覚がありましたね。
↑まだ正体を明かせない状態にあったホタルは、開拓者にできる限りのことを伝えようと、観光の最後にお気に入りの秘密基地へ連れていく。
――秘密基地でツーショットを撮るシーンも皆さんの印象に強く残ったのでは?
すでに先の展開を知っていた私からしたら、そこは「なるほどな~」と思いましたね。写真に残るということは、一番楽しかったりポジティブな感情のピークが時間として止まって残るわけじゃないですか。
撮るときの「チーズ――!」の言い方も、「もっと楽しそうにして良いですよ」とディレクションがあった気がします。だからこそ後のシーンの残酷さに繋がってしまうんですけど、プレイしてくださっている皆さんの思い出に残ってほしいという気持ちを抱きながら演じていました。
↑現実でどのような状況にあったとしても、「美しい夢」の地では誰もが枷から解き放たれ、平等に眠りにつくことができる。兵器のために生まれたホタルは、「ロストエントロピー症候群」による静かな消失という結末に向かっており、夢の世界だけが彼女を自由の身に解き放ってくれるのだった。目覚めるということは希望に溢れた時間が終わり、誰もが決められた結末へまた一歩近付くことを意味している。それはホタルにとっても同じこと。そんな彼女は、人々が眠りを選ぶ理由を「夢から覚めるのが怖いから」だと答える。
「ホタルは結末だけに目を向けるのではなく、“自分がどうありたいか”をしっかりと考えています」
――ほかにもVer.2.0では、ホタルが「死」の魔物に襲われたときの映像もかなりショッキングだったのでは?
あのシーンは最初、私の中で「ホタルは刺されたら、きっとこういうリアクションを取るだろうな」と考えながら演じてみたんですよ。そしたら「もっと大きくやってください」と指示をいただきまして。だから心に残るシーンにしたいという制作者側の気持ちが伝わってきましたし、ショッキングな映像を私の声で和らげちゃいけないと気を付けながら収録に臨みました。
――続くVer.2.1では、ホタルが自分の正体が「星核ハンター」のサムであることを開拓者に明かしましたね。サムとしてのホタルに対してはいかがでしたか?
サムとしてのホタルであるシーンに関しては、「凛々しくテキパキと」というのを重点に置いています。それが出せるのであれば声のトーン感をいっそのこと変えようと思ったくらい、完全に気持ちを切り替えながら演じました。
でもサム=ホタルだと知ってからセリフを見たら、胸にグッとくるものがあったりもして。可愛い女の子がアーマースーツを着て戦うというのは、設定としては魅力的だと思いますけど、内面に迫れば迫るほどちょっと残酷さもある印象を受けました。
――ホタルは、人には自分の道を自分で選ぶ権利があり、自身は決して弱者ではないという答えを示していて。ホタルの考えや生き様についてはどのように思いましたか?
すごく共感できましたし、気付きを与えてくれたのかなと。ホタルは自身の結末が現状あまり良いものではないと思っているじゃないですか。そしてきっと、現実だとホタルほど重い運命を抱えることって滅多にないですけど、彼女のようにこの先に嫌なことが待っていると分かる場面に遭遇したら、いろいろと諦めてしまう人が多いと思うんです。抗えない運命ってすごくしんどいし、自分の努力でどうにかなるものでもないから。
けれどもホタルは最終的な結末だけに目を向けるのではなく、「自分がどうありたいか」というところをしっかりと考えていて。そういうところはすごくカッコいいし、見習うべきだなと感じました。
↑ホタルは「ロストエントロピー症候群」を患っており、現実世界では「医療カプセル」――サムの中で過ごすことが多いという。夢の世界の時間はホタルにとってかけがえのないものだったが、彼女は庇護される弱者ではない。何者にも縛られることなく、自らの意志で選択し生きることが、彼女の望みだ。
↑ホタルは「死」を恐れておらず、永遠の命も望んでいない。人が皆いつか必ず決められた結末、「死」へと向かうのであれば、彼女はそれまでの道筋を自分自身で決めたいと願っている。何もしないまま結末を迎えれば、彼女は「ホタル」ではなく「サム」として生きたまま、その生涯を終えることになってしまう。兵器として生きるだけの運命に抗い「ホタル」としての結末を迎えるために、彼女は星核ハンターになったのだった。
――ホタル以外の「星核ハンター」のメンバーに対しての印象を伺えますか?
エリオは私もまだよく分かってなくて…。何とコメントをしたら良いのか戸惑ってしまうくらい、謎に包まれた存在になっていますよね。
一方、カフカはミステリアスかつカリスマ性がある女性なのですが、私は彼女のようなキャラクターが大好きなんですよ! 掴みきれないところがありつつも自由に振る舞っているところに魅力を感じました。
ほかには銀狼に関してですと、カフカ同様掴みきれないところがありつつ、女性というよりも女の子というイメージが強いですね。その分愛嬌があって、フレンドリーさも持ち合わせていて。“フレンドリー”と“掴み辛い”という相反している一面があるのが、扱い辛そうだとは思いつつも(笑)、ギャップを感じられて素敵だなと思いました。
最後は刃ですが…彼は哀愁がありますよね。ほかの人とはまた違ったミステリアスな雰囲気を醸し出している気がします。
――最後に開拓者の皆さんへメッセージをお願いします。
ホタルを好きになってくださった方は残酷なシーンを見せられて、きっと「うわぁぁ~」と心がかき乱されていたのではと思います。いろいろ気が気じゃないなかでの実装なのではないでしょうか?(笑)
なので気持ちの整理が難しいかもしれませんけど、逆にホタルをゲットできたらいつでも会えるようになりますので、ぜひお迎えしていただけると嬉しいです。そしてストーリー的にはまだまだ明かされていないことがたくさんあります。どのような結末を迎えるのか、見届けていただけたらと思います!
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