【陰キャラブコメ】フルボイス＆新作シナリオで陰湿さも解像度も爆上がり！本編の“その後”を描く物語にも注目の『陰キャラブコメインシツマシマシ』プレイレポート

　Phoenixx(フィーニックス)は、恋愛風ノベルゲーム『陰キャラブコメ』を、さらに内容をボリュームアップさせた『陰キャラブコメインシツマシマシ』として、2025年5月5日より発売中。本作のプレイレポートをお届けします。

全編キャラクターボイス搭載、イラストイメージ刷新、そして追加編も！ “インシツ”が“マシマシ”になって登場！

　『陰キャラブコメインシツマシマシ』では、全編において、豪華キャスト陣によるキャラクターボイスの搭載、イラストイメージの刷新が行われています。そして、今回の発売を記念に追加された「叡大祭・デート編」のエピソードも楽しめます。

豪華声優陣によるフルボイス＆新作シナリオ追加で陰湿さも解像度も爆上がり！『陰キャラブコメインシツマシマシ』プレイレポート

　2022年10月にリリースされ、一躍話題となったゲーム『陰キャラブコメ』のPC(Steam)版『陰キャラブコメインシツマシマシ』が2025年5月5日より発売中。じょせふ氏が開発、Phoenixxがパブリッシングを手掛けている本作は、豪華声優陣によるフルボイスや新作シナリオといった追加要素も含まれており、前作以上のボリュームとなっています。

　PASH! PLUSでは、そんな『陰キャラブコメインシツマシマシ』を実際にプレイ。本作ならではの魅力をプレイレポートとともにお届けします。

物語を彩るのは“陰キャ”すぎる男たち

　物語の舞台は主人公が通う私立叡聖大学。“陰キャ”を心から愛しているという彼女は、ある日校内でひとりの陰キャを助けたことにより、ゲーム同好会(叡ゲ同)の会長に任命されます。

▲主人公の一人称「ワイ」もなかなか強い印象に思えた

▲陽キャにいじめられていた陰キャ。彼を助けたことで彼女の大学生活は一変する

▲「オス筋肉」は主人公のハンドルネーム

　学内でひっそりと活動する叡ゲ同のメンバーはなんと全員が“陰キャ”で、カバンに推しの缶バッジを付けた早口オタクや、コミュニケーションに難ありなゲーマーなど、あまりにも個性豊かすぎるキャラクターばかり。

▲攻略対象1:だいだい(CV:室元気)。いかにもオタクらしい服装や早口言葉が特徴

▲攻略対象2:つがい(CV:岩崎諒太)。物静かで温厚な彼は、サークル内でも話しかけやすい存在だろう

▲攻略対象3:ash(CV:坂田将吾)。筆者は主人公に対しそっけないタイプの男を攻略するのが好きなので、一番最初にルートを選択した

▲攻略対象4:にしむら(CV:小林裕介)。ダンスサークルも兼部しており、一見すると“陽キャ”にしか見えないが……？

　本作では彼ら攻略対象たちと関わり合いながら物語を進めていき、最終的にエンディングへと到達するのが目的となっています。

一筋縄ではいかない「恋愛風ノベルゲーム」

　これまでに数々の乙女ゲーム、ノベルゲームのプレイ経験がある筆者も感じたのが“陰キャを攻略する難しさ”でした。通常の乙女ゲームの場合、主人公にグイグイと迫る攻略対象が1人は居たりするものですが、本作は全員が陰キャということもあり、なかなか一筋縄ではいきません。

　現にストーリー序盤ではゲームをしたり、ラーメンを食べに行ったりと学生らしい生活も描かれていますが、恋愛に発展しそうにないやりとりには「本当に攻略できるのか……？」という思いさえ芽生えました。

　作中でも主人公が口にしていた「陰キャに愛されるのを待ってはダメだ」という言葉通り、このゲームで最も大切なのは“自分からアタックしていく”こと。ゲーム中盤からは攻略したいキャラクターを選択し、本格的に“恋愛風ノベルゲーム”が始まります。

▲『陰キャラブコメ』は“待っているだけでは何も始まらない”ということを改めて私たちに教えてくれた

　陰キャたちと真摯に向き合い、ともに過ごしていく過程では徐々に恋愛要素が感じられるとともに、彼らが抱える秘密や想いが明かされていきます。表とは別の顔を持つキャラ、過去の出来事をきっかけに一歩踏み出せずにいるキャラなど、隠されていた人柄や人間性を知ることで私たちプレイヤーも物語に没入していく……。ストーリーが進むごとに筆者も彼らに対し情が湧き、エンディングを迎える頃には達成感や充実感で満ち溢れていました。

▲物語が進むにつれ、彼らの人間性が明らかになっていく

　ノベルゲームとしてのよさが存分に感じられる『陰キャラブコメ』ですが、オタクや陰キャに対しての解像度がとても高く、こちらに目を向けてゲームを進めていくのもおすすめ。同じオタクだからこそ共感できる主人公の“布教”への配慮やオタクへの偏見、ネットで度々話題になる事柄など思わず反応してしまうシーンが多く、時にはクスッと笑ってしまうことも。また、物語の各所で見られる独創的かつ斬新なスチルも本作の陰湿さを際立たせます。

▲オタクへの偏見しかないワンシーン。しかし筆者も休日は昼まで寝ています

本編の“その後”が見られる新作シナリオ

　ここからはPC(Steam)版ならではの追加要素について紹介していきます。本作からは主人公や攻略対象キャラにフルボイスが付いており、よりストーリーの臨場感や雰囲気が味わえます。

　声がつくことにより、時折メッセージウィンドウからはみ出るだいだいの早口やテキストだけでは読み取れないオタク特有の悲鳴(？)も見事に再現。「インシツマシマシ」というタイトル通り、彼らの陰キャ度合いがより高まっているのを実感しました。

▲途中で途切れてしまっているセリフ部分も、フルボイスで最後まで聴くことができた

　また、新作シナリオも用意されており、作中での会話にも度々登場した叡聖大学の文化祭「叡大祭」での話や、付き合った後のデートに焦点を当てたストーリーが展開されています。こちらでは彼らの執事姿や新たな私服と本編では見られなかった立ち絵やスチルが見られるのも見どころ。少し変わった陰キャとの“その後”を堪能してみてはいかがでしょうか。

▲追加シナリオ「叡大祭編」。