新型コロナウイルスの影響で公開延期となった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。公開が待ち遠しい中、これまで公開されたシリーズ3作が、8月26日(水)から3夜連続でNHKにて放送されます。
エヴァンゲリオンといえば、社会現象も巻き起こしたほどの大ヒット作です。筆者は最近、テレビシリーズと映画を改めて見直したのですが、映画版では特に迫力のある戦闘シーンに目を引かれました。
さらに、そんな戦闘シーンを見ていると、ふと疑問が浮かびました……。
仰々しいほど大量のアンビリカブルケーブルを背中につけて戦闘していますが、一体どれほどの電力を消費しているのか?
そこで今回、エヴァンゲリオンの戦闘シーンでの消費電力を独自の方法で調査してみました!
そもそも『エヴァンゲリオン』とは?
『新世紀エヴァンゲリオン』とは、GAINAX原作による漫画とアニメのメディアミックス作品。テレビアニメは、1995年10月から1996年3月にかけてテレビ東京系にて放送。また、アニメでの結末とは別の結末を描いた劇場版『Air./まごころを、君に』が、1997年に公開されました。
漫画は、アニメ放送に先立つ1994年12月より「月刊少年エース」(角川書店/貞本義行著)にて連載がスタート。2014年11月に最後の単行本(第14巻)が発売され、完結となりました。
2006年には、新たな設定・ストーリーで“リビルド”(再構築)した『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズ全4作を制作すると発表。2007年に第1作『序』、2009年に第2作『破』、2012年に第3作『Q』が公開され、そして、来る2020年に第4作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開予定となっていましたが、新型コロナウイルスの影響で延期に。ファンは今か今かと待ちわびている状態なのです。
斬新なストーリーで心を鷲掴み!
舞台は大災害「セカンドインパクト」が起きた世界(2015年)の第3新東京市。汎用人型決戦兵器“エヴァンゲリオン”(以下、エヴァ)のパイロットとなった14歳の少年少女たちと、次々と襲来する正体不明の敵“使徒”との戦いを描いたSF作品です。当時、斬新なストーリーが物議を醸し、賛否両論の議論を巻き起こすなど、社会現象ともなりました。
エヴァは人間と同じ○○を持っている!?消費電力を計算してみた
少年少女たちが乗ることとなるエヴァは、作中で「人造人間」と説明されています。遺伝子は99.89%まで人類と共通。ということは、人類と同等なエネルギーを産生するしくみを持っているということになります。ただ、エヴァは背中に接続されたケーブルを経由して、電気で移動します。とすると、人間の基礎代謝を電力に換算すれば、エヴァの消費電力がわかるのでは? と思い。さっそく調べてみました。
まず、人体は電気に換算するとどれぐらいのエネルギーを使っているのかを調査。人間の消費している熱量を電力の単位ワット数に換算すれば、人間のエネルギーを電力で計算できました。
平均的な日本人の20代男性で基礎代謝(生命を維持するのに必要なエネルギー)を出してみると、172cm、67kgの人が必要とする1日のエネルギーは1670 kcal。
電力量と熱量はどちらも単位が違うだけで、同じエネルギーの単位・ジュール(J)で換算できます。1kcal=4184Jと決まっていますので、1日の人間の消費熱量は1670(kcal)×4184J=6,987280Jとなります。
1ワット(W)は、1ジュールを1秒間で使うエネルギーに相当するので(W=J/秒)、1日の熱量(6,987280J)÷1日の秒数(86,400秒)=80.9Wなので、人間1人あたり約80Wとなります。
6987.44(kJ)÷86400(秒)=0.080873(kw)。結果、およそ消費電力は毎秒80ワットになります。
「エヴァンゲリオンは80m」と庵野秀明監督が発言されているため、平均身長から算出しようとすると8000cm÷172cm=46.511倍。
消費電力の計算式に当てはめると46.511×80(w)=約3720W
10畳用のエアコンがだいたい600Wくらいですので、エヴァはエアコン約6台分の電力で動くことになります。
エヴァの謎も明かされる? 映画公開が待ち遠しい!
腑に落ちない数字にはなってしましたが、人間の基礎代謝は1日中じっと動かない状態での熱量なので、使徒と戦ったりするときは、もっと高いワット数になっているでしょうね。
また、第5使徒ラミエル戦では、ATフィールドを貫くために最低1憶8000分(日本中の電力)が必要とのことなので、そのためのアンビリカブルケーブルなのかもしれません……。
また、エヴァの表面は装甲では無く拘束具で覆われています。それらの枚数は、なんと12000枚! ロックされているものを可動の為に解除するのであれば、相当の電力が必要とされると思います。
もしオール電力での可動方式にするとなると、とんでもない電力供給量に。坑道内での活動に限られているとはいえ、頭部と胴部以外は機械の仮設5号機の電力供給方式が大容量でも供給できる架線方式になっているのも頷けます。
そのエヴァの謎も、シリーズ完結編で解けるのでしょうか? 不安と期待が入り交じりながら、筆者も公開を楽しみにしています!
参考文献及び資料
【新劇場版 ヱヴァンゲリヲン】
ウィキペディア 【エヴァンゲリオン(架空の兵器)】【架線】
【使徒(新世紀エヴァンゲリオン)】【ワット】【基礎代謝】
【基礎代謝量計算 高精度計算サイト Keisan】
文・内海 健(よしもとライターズアカデミーウエスト)
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Source: PASH! PLUS