ありがとう『マクロスF』。4年ぶりの単独ライブ「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」をレポート

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 アニメ『マクロスF(フロンティア)』に登場するシェリル・ノーム starring May’n、ランカ・リー=中島 愛の歌姫ふたりによる4年ぶりとなる単独ライブ「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」が、神奈川県・Kアリーナ横浜にて7月26日・27日に開催された。本記事では2日目27日公演のレポートをお届けする。

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 『マクロスF』は2008年4月~9月にTVアニメが放送、2009年11月21日に劇場版前編『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』が、2011年2月26日には劇場版後編『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』が公開された。主人公・早乙女アルトとふたりの歌姫ランカ・リー、シェリル・ノームの三角関係、そして地球外生命体・バジュラとの戦いを描いている。

 放送開始から17年を経ても今なお絶大な人気を誇る作品であり、今回のライブは2021年の「マクロスF ギャラクシーライブ 2021[リベンジ]」から4年ぶりに開催された。2日間で計約3万8千人を動員し、加えて2日目の千秋楽公演では生中継や日本各地と海外でのライブ・ビューイングも行われ、世界中の『マクロスF』ファンが熱狂する2日間となった。

【出演者】

シェリル・ノーム starring May’n
ランカ・リー=中島 愛

西脇辰弥(Band Master, Keyboards)
佐野康夫(Drums)
BOH(Bass)
外園一馬(Guitar)
門脇大輔(Violin)
田島華乃(Violin)
大嶋世菜(Violin)
村中俊之(Cello)

菅野よう子(DAY2 SPECIAL GUEST)

そのセトリはズルくないか?

 まずお伝えしたいのは、本ライブは歌姫の歌声・パフォーマンスはもちろん、セットリスト、演出、そのすべてが“神”としか言いようのない最高のものだったということだ。『マクロスF』ファンなら感涙すること間違いなしの演出の数々に、現地でライブを観覧できて本当に良かったと思えた。

 開演時間の17時を迎えると、客席はピンク(シェリル)とグリーン(ランカ)のカラーに彩られ、歌姫のライブを心待ちにしているファンの興奮した様子が早くも伝わってきた。ファンがいまかいまかと開演を待ち望み、会場は幻想的な空間に包まれるなか、初めの楽曲が歌唱されライブがスタート!

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 1曲目は、「サクリファイス」。2021年11月8日に公開された『劇場短編マクロスF~時の迷宮~』は『サヨナラノツバサ』のその後…アルトが遠くへ行き、昏睡状態に陥ったシェリルも眠り続けており、そんなふたりの帰還を待つランカの物語が描かれた短編作品だ。ランカが謎の遺跡でアルトとの思い出に触れるなか、彼女の歌声に反応したシェリルの魂も共に歌う…というような内容になっている。

 「サクリファイス」から主題歌「時の迷宮」へ流れる構成は、上述した短編のように、ひとり待ち続けていたランカと共に彼女の歌声に応えたシェリルが歌うような、そんなストーリー性を感じさせてくれた。このときMay’nさんはメインステージから遠い上層階のバルコニーで歌唱しており、中島さんは彼女のほうを向いて歌う構図になっていた。加えてスクリーンにはアニメーションが流され、我々観客席はすっかり『時の迷宮』の物語へと引き込まれていたのだ。

 さらにステージに設置された、YF-29 デュランダル 早乙女アルト機の演出も憎い。風化し壊れていたYF-29が歌姫の歌声に呼応し、再び飛翔したのだ。この感動はテキストで十分に伝えきれないので、ライブのパッケージが発売された際にはぜひその目で確認してほしい…。

 序盤にして筆者は涙腺が崩壊し、まさに初めからクライマックス状態にあった。気のせいでなければ、客席からも大歓声と共にすすり泣く声も聞こえてきたように思う。しかしライブはまだ始まったばかり。会場が興奮に包まれるなか披露されたのは、「トライアングラー(fight on stage)」だ。風化し壊れていたYF-29が本来の姿を取り戻し飛び立つ演出と共に、歌姫ふたりがこの曲で初めてステージ上に揃うと、会場の熱は一気に増していく。

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 「トライアングラー(fight on stage)」が終わると銀河の妖精 シェリル・ノームのステージへ。「Welcome To My Fanclub’s Night!」から始まり「What ’bout my star?」へと流れ、続いて歌唱されたのは「ノーザンクロス」だ。「ノーザンクロス」のイントロが流れたときの歓声は凄まじいものだった。

 1日目はここで「インフィニティ」が歌われたとのこと。「ノーザンクロス」も「インフィニティ」もシェリルの魂を込めた熱い楽曲であり、戦闘シーンで使われた曲として記憶に残っているファンは多いだろう。May’nさんのパフォーマンスはもちろん、スクリーンの映像演出も素晴らしく、客席の熱気が上がり続けるなか続いて披露されたのは、アニメ放送時、視聴者にシェリルの歌声を強く記憶に刻みつけた「射手座☆午後九時Don’t be late」だ!

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 May’nさんはここで衣装の一部を脱ぎ、「射手座☆午後九時Don’t be late」を歌うシェリルのセクシーさを再現したかのような衣装にチェンジ。前曲「ノーザンクロス」でも会場のボルテージは頂点に達したと感じたが、「射手座☆午後九時Don’t be late」にはシェリルパートのなかで一番の大歓声が上がったように感じられた。

 そしてシェリルの決め台詞「私の歌を聴け!」が飛び出し、「射手座☆午後九時Don’t be late」を熱唱。観客はもちろん、サビの「持ってけー!」「飛んでっけー!」の声出しはバッチリだ。確か21年のライブはコロナ渦にあったため、観客は声出しができなかったと記憶している。今回は前回の分も、思いの丈を込めて全力で声を出したファンが多かったことだろう。

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 熱すぎるシェリルのステージが終わると、続いては超時空シンデレラ ランカ・リーのステージへ。「アイモ~鳥のひと」のアカペラ歌唱からスタートしたが、ステージには中島さんの姿がない。なんと客席の合間を通る形で登場!オレンジ色のドレスを身に纏った中島さんがグリーンの光の道を歩く姿は非常に幻想的で、そして何より温かさを感じさせてくれた。まさに「アイモ~鳥のひと」のステージとして完璧としか言いようがない。

 「アイモ~鳥のひと」をしっとりと歌い上げると、2曲目は「ねこ日記」へ。先ほどまでのシェリルのステージとは打って変わり、ランカらしい優しさと可愛らしさ満載のステージが披露されていく。そして3曲目「アナタノオト」に続いて、いよいよランカの代表曲「星間飛行」の時間へ☆

 「星間飛行」のイントロが流れランカの「みんな抱きしめて! 銀河の果てまで!」が飛び出すと、客席からは「ついにきた…!」と言わんばかりの歓声が上がり、どこか柔らかくしっとりした空気から一転、ランカちゃんタイムがスタートした。もちろんお決まりの「キラッ☆」、間奏の「ララララ~」も皆で声を出し、大盛り上がりとなった。YF-29が動き出し、TVアニメの再現となっていたのも素晴らしい演出だ。

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 ランカがチャンスを掴み飛んだ思い出の楽曲「What ’bout my star?@Formo」では途中May’nさんが合流し一緒に歌い上げ、ステージにふたりの歌姫が並んだところでMCへ。コール&レスポンスを楽しむと、会場に集まったファンへふたりから感謝の言葉が贈られる。さらに7月27日は早乙女アルトの誕生日だったため、皆でアルトの誕生日を祝うことに! 「ハッピーバースデー、アルト(くーん)」と、大きな声でお祝いした。

 そして流れるように「デカルチャー歌合戦メドレー」へ突入。「デカルチャー歌合戦」は、4月29日に発売され大ヒットを記録した17年越しのオールタイムベストアルバム「娘々グレイテスト☆ヒッツ!」の限定盤に特典として収録されていた、シェリルとランカがお互いの歌をカバーし合うというソング&ドラマCD企画。スクリーンはドラマCDのシチュエーションさながらのカラオケのような映像になり、歌合戦感のある雰囲気となっていた。

 可愛らしさと大人の色気が混じるシェリルのデビュー曲「pink monsoon」をランカが色気たっぷりに歌い上げ、「「超時空飯店 娘々」CMソング」ではシェリル版の「にゃん」が聴けたりと、ふたりのさまざまな色を楽しめる時間に。歌う人が変わると、こんなに曲の雰囲気が変わって聴こえるのだというのが良くわかる驚きもあり、非常に贅沢なひとときとなった。

 ラストに「ギラギラサマー(^ω^)ノ」を歌いきりメドレーが終わると、YF-29に搭乗した早乙女アルト(CV.中村悠一)が地球・横浜へと着陸する演出が差し込まれまさか中村悠一さんの新規アルトボイスが聴けるとは思わず、興奮したファンも多かったのではないだろうか? アルトが無事に帰還してくれたかのような演出に、涙がほろり…。このライブ、泣ける場面が多すぎる。

まさかのシークレットゲストに感謝の涙が止まらない

 後半戦は中島さんによる「イツワリノウタヒメ」のエンディング「そうだよ。」からスタート。続いてMay’nさんが登場し「永遠」が披露され、続いてステージ上に歯車が映し出されイントロが流れると、何が歌われるのかを即座に理解したファンは大歓声! 「ユニバーサル・バニー」は劇中の歯車のライブステージが非常に印象的で、今回の演出はそれをイメージしたものだ。

 黒うさぎと白うさぎ、ふたりのシェリルを見事に歌い分けるMay’nさんには脱帽するしかない。ふたつの顔を一曲の中で見せてくれたMay’nさんに会場中が夢中になるなか、ランカのライブ曲「虹いろ・クマクマ」へ。こちらも「ユニバーサル・バニー」と同様、劇中をイメージした演出で 色褪せた世界がランカの魔法でカラフルに色付き、夢の世界が広がっていく。魔法の言葉「オープンランカ!」をみんなで唱えたり、間奏のクラップを楽しんだりした。

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 そして劇場版の決戦時に流れた楽曲「オベリスク」と「放課後オーバーフロウ」へ。「オベリスク」ではスクリーン内の映像で、劇中の「オベリスク」歌唱シーンを再現するように、ライブステージや近辺のミニスクリーンにMay’nさんの全力疾走が映し出される演出がなされ、。ランカのいじらしく切ない想いを感じさせる『放課後オーバーフロウ』は、中島さんがYF-29のほうを向いて歌う姿に、筆者は崩れ落ちるしかなかった。

 「翼に風を!」「銀河に歌を!」。ランカとシェリルのこのセリフで幕を上げたのが、7分20秒を超える大作「サヨナラノツバサ ~the end of triangle」。May’nさんと中島さんがステージの左右(両翼)に立ち、アルトの翼となった。21年のライブでも歌われていたが、そのとき「この楽曲は非常に難易度が高く、ライブで歌うのは困難」という話があったことを思い出す。だがふたりは、それを感じさせない圧倒的歌唱力で歌い上げてくれた。

 YF-29が曲に乗って“歌舞く”姿も熱すぎる演出。ラストにふたりがYF-29のほうを向いて「愛している」と伝えるのも、劇場版『サヨナラノツバサ』の同じシーンを思い出させてくれた。そしてこの流れで歌われたのが「ライオン」! 「サヨナラノツバサ~the end of triangle」→「ライオン」へ繋がるとは、愛しかない構成だ。待望の楽曲に大歓声が上がり、ファンもこれまで以上に激しくペンライトを振り、声を出していた。

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 「ライオン」歌唱後、ファンの声に応える形でアンコールへ。静かなピアノ演奏に客席がソワソワとした雰囲気に包まれる。と、ステージのリフターからグランドピアノと共にゆっくりと上がってくる演奏者が誰なのかを察した客席からは大歓声が沸き上がる! なんと『マクロスF』の楽曲を手掛けた偉大なる作曲家・菅野よう子さんがシークレットゲストとして登場したのだ。

 そのまま菅野さんの伴奏一本で、「ダイアモンド クレバス」と「Songbird」を披露。もう会場の各所から、すすり泣く声が聴こえてきた。ファンにとって心から待ち望んでいたステージであり、おそらく歌姫ふたりにとっても夢にまで見たステージなのだから、涙が止まるわけがない。この素晴らしいステージを、歌姫のふたりは「まるで放送当時、10代の頃に戻ったかのよう」と涙をこらえながら嬉しそうに語ってくれた。

 そんなステージのラストを飾るのは「娘々サービスメドレー」。スペシャルすぎる楽曲チョイスに客席からは今日一番の大歓声が上がり、「ライオン」から始まるメドレーが大熱唱された。

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 夢のような時間の最後に、May’nさんと中島さんは再びファンに向けて感謝の言葉を伝える。このとき、BGMである「SMS小隊の歌~あの娘はエイリアン」もファンはばっちり歌い、手拍子と声出しを最後まで欠かすことがなかった。

 May’nさんは、自身の歌手人生に『マクロスF』、そしてシェリル・ノームという存在がどれだけ影響を与え、自身にとってシェリルがどれだけ大切な存在であるのかを語ってくれた。そして、これからもシェリルと彼女の歌を生かし続けていくことをファンに向けて強く誓い、客席からは大歓声と共に抑えきれない嗚咽が聞こえてきた。

 中島さんもMay’nさんの言葉を受け、自分にとっての歌とはどういうものなのかを語る。そして歌手人生において『マクロスF』との出会いはもちろん、May’nさんというアーティストとの出会いが何よりも宝物になったと、涙を滲ませながら伝えてくれた。May’nさんと出会ったことで“誰かと一緒に歌う”ことの楽しさを知り、ファンのおかげで本ライブを迎えることができたと話す中島さんに、ファンからは拍手が贈られた。

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 『ギャラクシーライブ』は今回でファイナルとなるかもしれないが、2059年(※『マクロスF』の舞台である年)を目指し、今後もシェリルとランカの歌を歌い続けるというふたり。客席へ何度も感謝の言葉を伝えてくれたが、我々ファンも最高のライブを届けてくれたMay’nさんと中島愛さんに感謝の言葉が尽きない。

 いつかまた『マクロスF』のライブステージが開催されることを願いつつ、本レポートを締めたいと思う。

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