「世界が日本の作品を求めている」ディズニー幹部、日本IP強化へ“投資拡大”も。「ディズニープラス・オリジナル・プレビュー2025」にてエグゼクティブ陣がディズニーの期待や戦略のビジョンを示す

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 2025年11月13日に、香港ディズニーランド・リゾートでディズニープラス最大級のラインナップイベント「ディズニープラス・オリジナル・プレビュー2025」が開催。ディズニーは、APAC から生み出される作品にどのような期待を寄せ、どのような戦略を描こうとしているのか──エグゼクティブ陣がそのビジョンを示しました

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 会場には14の国と地域から約400名の報道関係者が参加し、日本や韓国をはじめ、アジア太平洋地域(APAC)からスターやクリエイターも大集結。日本からは、真田広之さん(『SHOGUN 将軍』)や今田美桜さん(『メリーベリーラブ(仮)』)、小島秀夫さん(『DEATH STRANDING ISOLATIONS (Working Title)』)のほか、才能あふれるトップタレントやクリエイターがこの日のために駆けつけ、2026年以降に配信予定のオリジナル作品を一挙公開したイベントは大盛況となりました。

「ローカルコンテンツの重要性」と「クリエイターとの信頼関係」

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 全世界のオリジナル作品戦略を統括する、ディズニー・テレビジョン・スタジオ&グローバル・オリジナル・テレビ・ストラテジー, ディズニー・エンターテイメント プレジデントのエリック・シュライヤーさんは、APAC発のコンテンツが「ローカル市場の補完ではなく、世界戦略の不可欠な要素(essential)である」と述べました。

 「ディズニー、マーベル、スター・ウォーズといったグローバルIPに加えて、視聴者のさらなる共感を得るためには、文化や日常に根ざした物語を提供するローカルオリジナルコンテンツの存在が欠かせない」と語り、その基盤となるのがクリエイターとの信頼関係(Trust)であると強調。クリエイターのビジョンと“本物(authentic)”の物語こそが成功の鍵であると述べました。

APACから世界へ──“グローバル・トラベル”を前提とした作品戦略

 ローカルコンテンツは、グローバル戦略に「不可欠」であるからこそ、国境を越えて視聴者に届く“グローバル・トラベル”を前提に制作されます。APAC戦略全体を統括する、ウォルト・ディズニー・カンパニー・アジア・パシフィック プレジデントのルーク・カンさんは、日本の位置づけについて、「日本は、アジア太平洋地域のなかで最大の単一市場として、大きな成長機会を持つ国だと考えています。日本のコンテンツへの投資も進めており、今後数年間でその投資をさらに拡大していく予定です。日本発のストーリーを日本の皆さまにお届けするのはもちろん、日本国外の消費者や加入者にも届けていきたいと考えています。」と明確なビジョンを述べ、日本の小説や漫画などの原作(IP)が持つポテンシャルは極めて大きいことが示されました。

『ディズニー ツイステッドワンダーランド』に見る日本IPの多角展開

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 コンテンツ戦略を統括するインテグレーテッド・マーケティング&オリジナルコンテンツ・ストラテジー エグゼクティブ・バイスプレジデント、APACのキャロル・チョイさんは、ウォルト・ディズニー・ジャパン発のモバイルゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』がアニメーション化され世界150か国以上で配信開始したことについて、日本発のオリジナルコンテンツが世界展開へと発展した成功例として挙げ、「モバイルゲームIPをストリーミングという異なるメディアに展開することで、優れたコンテンツを国内外のより多くの人々に紹介できる」と述べ、この「ゲームやストリーミングにグッズ販売、テーマパークなど様々なタッチポイントを持つディズニーだからこそ実現できる比類なきエコシステム」こそが、日本のIPをグローバル展開できる鍵と捉えていることも強調しました。

本物”を描き国境を越える物語づくりを

 ルーク・カンさんは、「現在はプロジェクトとして韓国と同等か、より大きいものを見つけたい、可能性を高めたい」と、今後の日本実写ドラマ分野への制作体制のさらなる拡充への期待を明確に表明し具体的な戦略として、「日本への投資の成長を、他のどの市場よりも早く加速させる計画」であることを明らかにしました。

 日本の実写ドラマへの投資を加速させる上で、国境を超えた農業ロマンティックコメディ『メリーベリーラブ』(仮)は象徴的な存在です。2026年配信予定の本作は、『愛の不時着』や『パラサイト 半地下の家族』などを制作したCJENMとの日韓プロジェクトであり、今後さらに期待が高まります。

日本のクリエイターや業界との長期的なパートナーシップ

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 年々競争が激化しているストリーミング市場ですが、ディズニーの戦略は他社との「競争」に焦点を当てていないと語ります。ルークさんは、「ディズニーは長年にわたり日本の消費者の皆さまと深い関係を築いてきました。動画配信は、そうした関係をさらに深め、日常のあらゆる場面でエンゲージメントを高めていくための重要な接点になると考えています。」と述べ、この戦略を支えるのが、日本のクリエイターや業界との長期的なパートナーシップだと説明。

 「私たちは日本のクリエイティブコミュニティやストーリーテラーが、自らを表現できる場を広げていけるよう支援したいと考えており、その一端を担っていきたいと思っています。」また、業界とのパートナーシップについて、「講談社や日本テレビといったパートナーと共同作業し、『旅する SnowMan』のように Hulu と連携した拡張版を提供するなど、WIN-WIN の関係を構築している」とし、ルークも「私たちは長期的なコミットメントを持ち、日本のコンテンツが世界でうまくいく時代が来るための『触媒』となり、道を用意する役割
を果たしたい」と、パートナーシップとの長期的な視点を強調しました。

世界が日本の物語を求めている

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 「ディズニープラス・オリジナルプレビュー2025」プレゼンテーションの最後を飾ったのは、FX制作のドラマ『SHOGUN 将軍』でした。エミー賞R史上最多18冠を達成、ゴールデングローブ賞Rなどの主要アワードを軒並み制覇。待望のシーズン2は、前作から10年後の世界を描く、完全オリジナルの新章として制作されることが発表されました。

 日本の文化に深く根ざした物語が、最高の品質と信頼関係のもとで制作され全世界でヒットしたことについて、ルークさんは次のように締めくくりました。

 「『SHOGUN 将軍』が世界で高く評価されたことによって、日本にはまだ世界に十分伝えられていない素晴らしい物語が数多くあり、世界もまた日本の物語を求めています。これはディズニープラスだけの取り組みではなく、ウォルト・ディズニー・カンパニー全体としての構想です。日本は、複数の事業領域にわたって強力なビジネスの接点を持っている数少ない市場のひとつであり、そうした展開が可能な場所だと考えています。」

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(C) 2025 Disney and its related entities

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