【デジモンビートブレイク】GIFT編は物語を最終章へ進める転換点。アニメ『DIGIMON BEATBREAK』シリーズディレクター・宮元宏彰さんへのインタビューが公開!

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 東映アニメーションは、10月5日より毎週日曜朝9時からフジテレビ他にて放送中のTVアニメ『DIGIMON BEATBREAK(デジモンビートブレイク)』り、【GIFT編】の完結を記念し、シリーズディレクター・宮元宏彰さんへのインタビューを公開しました。

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 1999年3月6日に公開された劇場版『デジモンアドベンチャー』。翌3月7日に始まった同タイトルのTVアニメを皮切りに、“デジモンアニメーション”はたくさんの子どもたちとパートナーデジモンの物語を紡いできました。本作は、そんなデジモンアニメーションの2年ぶりとなる新作です。

シリーズディレクター・宮元宏彰さん インタビュー

GIFT編は物語を最終章へ進める転換点に

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――前回はタクティクス編に入るタイミングでお話を伺いました。今回はGIFT編がひとつの区切りを迎えたタイミングになります。宮元監督の中で、GIFT編は物語全体においてどのような位置づけの章だったのでしょうか?

 タクティクス編では、クリーナー同士の戦いをかなり描きました。ただ、この世界にはクリーナーだけではなく、デジモンを使った犯罪者や賞金首も当然いるはずなんです。そこを見せておかないと、物語が「クリーナーとだけ戦う話」になってしまう。まずは、規模の大きい犯罪者集団のような存在を出したいという思いがありました。

 ただ、もっと大きな意味で言うと、『DIGIMON BEATBREAK』では、人間とデジモンが共生していく未来をグローイングドーンが作っていく、というところを大きなテーマとして描きたいと思っています。ワールドユニオンには、デジモンを“バグ”として見ている人たちがいる。最終的には、そこに対してトモロウたちがどう向き合うのかが重要になっていくので、ワールドユニオンがやっていることの危うさが、トモロウたちにもはっきり見える流れを作りたかったんです。

 そのために、GIFTという第三の勢力を置きました。GIFT編を経ることで、トモロウたちの中で「やっぱりデジモンと人間が一緒にいる未来を作らなければいけない」という思いが、よりはっきりと生まれていく。最終章へ向かううえで、彼らの意識を一段引き上げる章として考えていました。

――GIFTはワールドユニオンが作ってきた社会の歪みを映し出す存在でもあったように感じます。GIFTという勢力を描くうえで、特に意識されていたことを教えてください。

 今回の世界観は、分かりやすいディストピアではないんですよね。一般の人たちは、ワールドユニオンの恩恵を受けていたり、サポタマの利便性に救われていたりする。普通に便利に暮らしている人たちもいる世界です。だから、単純に「みんなが虐げられている」という描き方ではない。そこは、より現実に近い感覚として作っています。

 でも、その中で、この世界のせいで苦しんでいる人たちもいる。ただ、その苦しみが見えないことにされていたり、蓋をされていたりする。GIFTにのめり込んでいく人たちには、そういう思いがあるんです。トモロウたちからすると、そこには共感できる部分もあるし、自分たちと近い部分もある。ただ、だからといって、世界に対してテロのようなことをしていいのかと言われたら、それは違う。そういう、単純にスッキリしきれない部分があることは、こちらも分かったうえで作っています。だからこそ、トモロウたちがどういう答えを出していくのかが重要になる章にしたかったんです。

影森ミハルは、トモロウが“そうなっていたかもしれない”存在

――GIFT編のキーパーソンとして登場した影森ミハルは、トモロウともどこか重なる部分を持つキャラクターでした。ミハルは、物語の中でどのような役割を担う存在として考えられていたのでしょうか?

 トモロウは、主人公でありながら、ある意味ではアウトロー的なところからスタートしているキャラクターです。自分の境遇が“バグ”のように扱われることに苦しんでいて、「この世界はおかしいんじゃないか」という思いも根本にある。世界をまっすぐ信じきっている主人公ではないんですよね。だから、ミハルの言っていることに対しても、少し理解できる部分がある。ミハルも、トモロウの空気感からそこを感じ取っている。そういうふうに、2人がつながるようなキャラクターにしたいと思っていました。

 実は、トモロウとミハルは対になる形で置いています。トモロウには見守ってくれた兄がいて、ミハルには姉がいる。トモロウも、一度は「デジモンなんか消えればいい」と思いかけたところを、ファミリーとの出会いによって救われているんです。でも、ミハルはそこが救われないまま、今に至ってしまった。トモロウも下手をすると、あちら側に行っていたかもしれない。

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 ミハルを通して、ファミリーの中にいるトモロウというものを際立たせられると思っていましたし、そこからトモロウが導き出す答えが、ミハルを救う鍵にもなるのではないかと考えていました。

――ミハルと向き合うことで、トモロウ自身も主人公としてさらに一歩進んだように見えました。GIFT編で描こうとしていたトモロウの成長についても教えてください。

 それが描ければ、トモロウが主人公として一歩成長した姿を見せられると思っていました。ミハルのやったことは許されることではないし、罪は償わなければいけない。でも、ミハルの心は救えた、という形にできるといいなと。完全なハッピーエンドではないけれど、未来に向けての光は残せた。そういう終わり方にできたのは、よかったと思っています。

――ミハルは13歳という年齢設定も印象的でした。彼女を大人ではなく、まだ幼さを残した少女として描いたことには、どのような意図があったのでしょうか?

 最初は、もう少し年齢が上でもいいかなと思っていました。ただ、子どもゆえの危うさは欲しかったんです。まだ大人になりきれていないからこそ、考え方が至らない部分がある。しかも、ミハルがやってしまうことは大きいので、未成年であることで、この先の更生の余地が残る形にしたかったんです。もし大人になりすぎてしまうと、救いようのなさが目についてしまう気がしたんですよね。ミハルには、罪を償って、やり直せる未来が見える方がいいと思っていました。だから、最終的に13歳という設定になりました。

 それから、ミハルとデジモンの関係性は、少し特殊な形で作っています。メフィスモンになる前のデジモンは、もともとミハルの姉から生まれた存在であり、サポタマも姉が使っていたものなんです。つまりミハルにとって、そのデジモンは姉の面影を重ねる存在でもある。姉の言葉だと信じ、唯一残された姉の意思を守ろうとしているんです。ただ、実際にはそこにミハル自身の思いが入り込み、ノイズとなって暗黒進化につながっている。本人はあくまで「お姉ちゃんのため」と信じているけれど、その思いに突き動かされてしまうところに、ミハルの幼さと危うさがあると思っています。

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――ミハル役を演じられた佐倉綾音さんのお芝居については、どのような印象を持たれましたか?

 ミハルは、本質的には純粋なキャラクターなんです。姉への強い思いがあって、同時に姉に依存していた部分もある。その結果、自分で考えることを少し放棄してしまっている危うさが、今のミハルにつながっている。

 最初に佐倉さんとお会いしたときは、まだ先の展開が分からない状態でスタートしているので、自分から「実はこういうバックボーンがあって、お姉ちゃんがいて……」という話を口頭で説明しました。佐倉さんは、ミハルというキャラクターをすごく理解しようとしてくださって、最初の頃からいろいろ質問もしてくださったんです。

 ミハルは、ただ怪しい人物として見せるだけではなく、言葉の端々に姉への思いが滲むようにしたかった。でも、そこを見せすぎてもいけない。そのさじ加減を、佐倉さんはすごく的確に汲み取って、細かい芝居のニュアンスに入れてくださっていました。物語がミハルの本質に近づいていくにつれて、本当の思いが少しずつ出てくる。その変化もとても上手いなと思いながら聞いていました。

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進化は、一歩大人になる瞬間として描きたい

――GIFT編では、キロプモン、プリスティモンの進化回を通して、マコトやレーナの内面にも深く踏み込んでいました。それぞれの進化を描くうえで、大切にしていたポイントを教えてください。

 進化回を描くとき、自分の中では「何もないのに進化はしない」という感覚があります。やっぱり、主人公たちが一歩成長する瞬間、大人になっていく瞬間が描かれないと、そこは進化するタイミングではないと思っているんです。マコトの場合は、家のことや親との関係の中で、本当のことを言えなかった部分がありました。そこにきちんと向き合い、自分の言葉で伝えることが、マコトにとって一歩大人になる瞬間だったと思います。

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 一方で、レーナはもともとポテンシャルのある子なんです。ただ、ファミリーを背負って動いていく中で、だんだん自分自身を信じられなくなっていた。「もっと頑張らないと、ファミリーの中にいられなくなってしまうんじゃないか」という不安もあったんですよね。でも、ファミリーのみんなはレーナのことを信じている。だからこそ、「もっと自分を信じていいんだ」と気づいて、自分の殻をもう一歩打ち破っていく。そこまで描けたときに、レーナの進化として成立すると思っていました。

 レーナの進化は、みなさんには「焦らされた」と思われるかもしれません(笑)。GIFT編の話も進めなければいけないので、タイミングを測るのは難しかったです。ただ、結果的に進化が遅れたことが、レーナ自身の焦りにもつながっていった。そういう形に持っていけたので、あのタイミングでよかったと思っています。

――特にレーナは、GIFT編を通して、強さだけでなく繊細さや不安も丁寧に描かれていたように感じます。レーナというキャラクターについては、どのように掘り下げていこうと考えていたのでしょうか?

 レーナは意外と繊細なんですよ。「ビビった時こそ前に進め」と小さい頃から言っているのも、自分をあえて鼓舞しないと前に進めないキャラクターだからなんです。自分が強くないと、自分自身が崩れそうになる瞬間が何度もあって、それを乗り越えてきている。

 だから、弱みを表に見せるのが苦手なんだと思います。プリスティモンは、そこをずっと理解しながら付き合ってくれている、見守ってくれている相棒なんですよね。そこが第35話で解放された結果、ベアキャットモンになるのがすごくいいなと思っていて。レーナの中にある、よりストレートで純粋な部分が出ている感じがします。

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――『DIGIMON BEATBREAK』では、キャラクターの第一印象とは違う内面が、話数を重ねるごとに少しずつ見えていきます。キャラクターを描くうえで、宮元監督が意識していることはありますか?

 キャラクターを描くときに、一面的に見える部分だけで見ないでほしいという思いがあります。最初はそういうキャラクターに見えていたとしても、実はそこに至るまでにいろいろ悩んでいたり、「自分はこういうキャラクターになりたい」と思って今の姿を作っていたりする。そういうものが、それぞれのキャラクターにあるんです。

 トモロウも、最初はクールに見えていたと思います。でも実は、内側にすごく熱いものがあって、それを無理やり抑え込んでいたキャラクターなんですよね。それがだんだん解放されていくことで、どんどん主人公らしさが強まっている。マコトも、ただのいい子ではなくて、いろいろなものを抱えている。第30話でキロプモンに対して怒鳴るところも、あえて本音が出るようにやってもらいました。そういうふうに、キャラクターの内側が少しずつ見えてくると面白いなと思っています。

キョウ過去編で描かれる、グローイングドーンの次の成長

――タクティクスのメンバーやマキのエピソードなど、GIFT編の中でもこれまでの物語とつながる場面がありました。そうしたキャラクターたちを再び登場させるうえで、意識していたことはありますか?

 キャラクターの数が多いので、全員のバックボーンを一つひとつ明確に説明する時間は、なかなか取れないんです。ただ、タクティクスのメンバー同士の関係性についても、見ている中でなんとなく感じ取ってもらえるようには作っています。そこはキャストの皆さんのお芝居や、スタッフがこだわって作ってくれている細かな表情にも支えられている部分なので、そうしたところから伝わるものがあればいいなと思っています。

 マキさんの回はずっと入れたいと思っていた話でした。マキさんというキャラクターを深掘りできると、この作品自体の深みが増すと思っていたんです。人間とデジモンが共生できなかった2人の、少し苦い過去ではありますが、それを受け取ったトモロウたちが、この先につなげてくれるとマキは信じて見ている。そういう形で描けたのはよかったと思っています。

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――この先は、沢城キョウにフォーカスしたエピソードも描かれていきます。キョウというキャラクターを掘り下げることで、物語はどのように動いていくのでしょうか?

 キョウというキャラクターは、ある意味で聖人君子ではないんです。デジモンと人間の共生にこだわっているけれど、人間としてはまだ成長しきっているわけではない。これまでの話でも言ってきたように、キャラクターには一面的に見えている部分だけではないところがある。そこを、キョウの過去編を通して深掘りできればと思っています。それによって、グローイングドーンというファミリーがもう一歩成長する形になればいい。だから、キョウだけの話ではなく、トモロウたちの成長にもつながっていく話になると思います。

 キョウには、これまであえて自分で語らなかった部分がずっとありました。胸の傷や、腕輪をなぜしているのかといったことも、いずれ描かなければいけないと思いながら置いていた要素です。そこを描けるタイミングが、ようやく来たという感じですね。

 ただ、そのためには、一度グローイングドーンというファミリーをきちんと作っておく必要がありました。ここまで時間をかけてきたからこそ、できる話だと思っています。黒潮ソウジとキョウにどのような因縁があるのか、五行星がどう関わってくるのかも含めて、かなり重い話にはなると思います。GIFT編でみなさんお疲れかもしれませんが、少し覚悟して見ていただくことになるかもしれません。でも、最終的にはちゃんと『DIGIMON BEATBREAK』の話にしたいと思っています。重い部分もありますが、その先で何が描かれるのか、楽しみにしていただければうれしいです。

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TVアニメ『DIGIMON BEATBREAK』作品概要

【放送情報】
フジテレビ他にて10月5日より毎週日曜朝9時放送開始
●10月5日より毎週日曜朝9時から放送開始
フジテレビ/関西テレビ/東海テレビ/北海道文化放送/テレビ西日本/岡山放送/仙台放送/テレビ新広島/テレビ静岡/新潟総合テレビ/長野放送/石川テレビ/岩手めんこいテレビ/さくらんぼテレビ/サガテレビ/高知さんさんテレビ/山陰中央テレビ/テレビ愛媛
●10月11日より毎週土曜朝5:30から放送開始
テレビ熊本
●10月12日より毎週日曜放送開始
テレビ宮崎 5:30~/富山テレビ 6:15~/秋田テレビ、テレビ長崎 6:30~
●10月19日より毎週日曜朝5:00から放送開始
福井テレビ
※地域により放送時間・曜日が異なります。
※各局の休止・移動などにより、放送曜日や時間が変更となる場合があります。
【配信情報】
●地上波放送直後、毎週日曜9:30より見逃し配信スタート
TVer/FOD
●毎週水曜0:00より順次配信スタート
・見放題配信
FODプレミアム/Prime Video/U-NEXT/dアニメ/Hulu/DMM TV/ABEMA/TELASA/東映アニメチャンネル ほか
・レンタル配信
バンダイチャンネル/Lemino/HAPPY動画/ビデックス/Prime Video ほか
※配信開始日は予告なく変更となる場合があります。詳しくは各配信サービスの情報をご確認ください。
【スタッフ】
原案:本郷あきよし
シリーズディレクター:宮元宏彰
シリーズ構成:山口亮太
キャラクターデザイン:小島隆寛
デジモンデザイン:渡辺けんじ
アニメーションデジモンデザイン:浅沼昭弘
美術監督:神綾香
色彩設計:横山さよ子
CGディレクター:大曽根悠介
撮影監督:石山智之
編集:西村英一
音楽:桶狭間ありさ
制作:フジテレビ・読売広告社・東映アニメーション
【キャスト】
天馬トモロウ:入野自由
ゲッコーモン:潘めぐみ
咲夜レーナ:黒沢ともよ
プリスティモン:田村睦心
久遠寺マコト:関根有咲
キロプモン:久野美咲
沢城キョウ:阿座上洋平
ムラサメモン:濱野大輝

(C)本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション

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