いよいよ「過去編」に突入したTVアニメ「プランダラ」。Web Newtypeでは放送をさらに盛り上げるべく、スタッフ&キャストのリレーインタビューをお届けします。神戸洋行監督と西片康人副監督が語る、「プランダラ」の「過去編」とは?
――「プランダラ」のストーリーは「過去編」へ。第11話から陽菜とジェイル、リィンとペレが300年前の世界に行く展開に突入しました。原作は連載中の作品ですが、お2人はアニメ版のストーリーをどのように構成しようとお考えでしたか。
神戸 連載中の作品ということもあり、原作の完結までは全部アニメで描くことができないんですよね。でも、キリのいいところまでを描きたい。その落としどころをどこにするのかを決めることがひとつのポイントでした。シリーズ構成の打ち合わせで、最初に決めたのは終わらせ方でしたね。
西片 最初は、過去にいく前を第1クール、過去のお話を第2クールとして構成する案があったんです。でも、どうしても分量としてうまく分けることができなくて。
神戸 それに、「プランダラ」という作品は、今のアルシアが主軸のお話で。過去の話は、あくまでも、現在のアルシアにつながる出来事なんです。だから、過去に行ったら、やはりアルシアに帰ってこなくちゃいけないんですよね。そういう視点で、全体を構成しています。
――このアニメ版の構成を決めるための脚本会議は、どのようなかたちで進められたのでしょうか。
神戸 原作の担当編集さんと脚本家さん、プロデューサー陣を交えて進めました。
西片 ホン読み(脚本会議)の後半はすったもんだ……ありましたよね。
神戸 ありましたねー! 第2クールの始まりとなる過去の話は、世界が戦時中みたいになっているんです。一度戦争が起きて、犠牲も出たけれど、ギリギリで崩壊を食い止めて、一触即発の状態になっている。そんなところに軍の施設があって、そこに食料が供給されているという設定がある。それまで描かれていたアルシアとのギャップに驚いて、世の中は一体どういう状況になっているんだろう、ここでどのような暮らしが営まれているんだろうという、考察が膨らみ過ぎたときがあって。それで一度、振り出しに戻って考えようということになったんですよね。そうしたら、これはリヒトーたちの物語なんだ、と改めて思い至ったんです。なので、第2クールは、意識してキャラクターたちに視点を置いて構成していきました。
西片 遠回りにはなりましたが一周回ることで、わかることもたくさんありましたね。
――連載中の作品ですから、キャラクターや世界観の情報はどんどん更新されていくところもありますよね。
西片 毎回、連載の新しい話数を見るたびに「え、そうだったの?」と。「そういうことがあったの!」と驚いています(笑)。最初にシリーズ構成の打ち合わせをしたときに、原作の担当編集さんから今後の展開を聞いたんです。そうしたら、その展開にまつわる伏線が、原作前半のコマの中にちゃんと描いてあるんですよ!
神戸 初見ではわからないところに、伏線がたくさん張りめぐらせてあるんです。打ち合せのときに担当編集さんに言われて調べたら、「あっ」と驚くことがたくさんある(笑)。この作品は本当に細かいなと感心しましたね。
――「過去編」の舞台は第13特設軍学校。新たな登場人物はAクラスの生徒たちです。実際におつくりになってみて、いかがですか?
神戸 過去の話では戦争が描かれますから……これがまた大変なんです。
西片 キャラクター設定づくりも大変でしたよね。メインキャラクター以外は全部一新されるので、新作アニメをもう一本つくるくらいの労力が必要でした。
神戸 陽菜やジェイルたちが入校する、第13特設軍学校のAクラスの生徒たちは全員設定をつくっています。原作では名前が明らかになっていなかったキャラクターも、今回水無月(すう)先生が改めて命名してくださいました。キャラクターデザインに関しても、新たに水無月先生からアイデアをいただいて、より変わっていったキャラクターもいます。
西片 アニメでつくったキャラクターの名前やデザインが、原作の連載中のエピソードに出てきたこともありましたね。
神戸 ああ、原作にも出てる! とびっくりしたことがありました。このあたりは僕らにしかわからないことかもしれません。
――300年前の過去に行った陽菜、ジェイル、リィンやペレをどのように描こうと思いましたか。
神戸 最終的には、陽菜のまわりを固める親友たちになるように、描いていくことができればいいなと考えていました。
西片 リィンはお嫁さんにしたいキャラクターですからね。リィンと陽菜は、リヒトーをめぐって三角関係になるんですけど、その塩梅がなかなかおもしろいんですよね。
――ずばり、お2人が「過去編」注目してほしいポイントは?
西片 過去の話で登場するナナさんですかね。
神戸 素敵な姿になっています。ぜひ、楽しみにしていてください。
Source: WebNewtype
監督・神戸洋行×副監督・西片康人対談インタビュー前編!「これはリヒトーたちの物語。第2クールは改めてキャラクターに視点を置いて構成しました」