『にじさんじ』イケボで軽快なトークとインテリジェンスが光る!ニューカマー社長ライバー・加賀美ハヤトにインタビュー

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 『にじさんじ』バーチャルライバーとして鮮烈なデビューをした27歳の若手社長・加賀美ハヤト。巧みなトークと自作メタルソングで、初配信から2週間で登録者数45,000人! 話題をかっさらっている彼に、配信への向き合い方をじっくり語ってもらった。

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(※本インタビューは、「PASH!」2019年9月号に掲載されたものです)

<インタビュー>

――自己紹介をお願いします。

加賀美 加賀美インダストリアルという、ホビー事業を主にやっている会社で代表取締役をしています。商品のPRを行うため、バーチャルライバーとしてデビューしました。人は広告を見ないものです。なのでまずはバーチャルライバーとしてリスナーの皆様と信頼関係を築いてから、商品のPRなどをさせていただこうと思っています。

――デビューして間もないですが、今どう感じておられますか。

加賀美 ひとつの商品、コンテンツ、事業で、時折誰にも予測できない波が来るときって、必ずあるんですよね。それがいわゆる「ブーム」ってやつだと思うんですけど、おそらくその波の先端に来たなって。

――加賀美さんが思う「波」というのは?

加賀美 「たまごっち」ってあったじゃないですか。「V Tuberというもののなかの『にじさんじ』」っていうバズり方は、「ホビー事業のなかのたまごっち」というバズり方のようなもので、最先端のものに今、私は顔を出したなって。

――確かに話題が爆発して波が抑えられなくなってそうですね。

加賀美 やっぱりブームが起こると、予測できる人っていないんですよね。『にじさんじ』の場合、いちからさんでも予測しきれない部分がある。現にたまごっちの件でも、メーカーがあれを起こそうと思って起こしたものではないんですよ。3、4年前は、ゲーム実況がこれだった。もっと前は歌い手がこれだった。それに対してドワンゴや EXIT TUNESができることはなんだったかっていうとあんまりなかった。何かをコントロールして起こったわけじゃないんですよ。

――実際配信を始めてみていかがですか?

加賀美 楽しいのひとことです! ライバーって圧倒的スターじゃないんですよ。もしできるならスカイプでおしゃべりもしたいし、飲みに行ってみたいって思っちゃう近さなんですよ。ミライアカリさん、キズナアイさん、ヒメヒナさんに対しては絶対に抱かない感情を、『にじさんじ』に対しては抱くときがあるんですよ。

――クラスメイトとか同僚とかのような感じでしょうか?

加賀美 そうですね、社築さん、卯月コウさん、郡道美玲さんもそういう感じですかね。すさまじく等身大。お客さんも、その等身大の熱量でぶつかっている。そのむき出しの人間が、同時接続で5,000とか10,000人が観るわけですよ。我々もむき出しで配信するわけです。『にじさんじ』のライバーは、生なんです。すごく刺激的ですね。AKB48さんが会いに行けるアイドルだったのもそうなんですけど、楽しいのはこの身近さですね。

――初配信はどうでしたか?

加賀美 自分に対する期待値が一番高いときって、初配信のときですよね。自分が好きになれるかどうかわからないものに、時間を捧げるって特異な現象だと思うんです。なのである程度の組み立てはさせていただきました。新人3人が順番に配信したのですが、今まではひとり1時間のことが多かったんです。けれども人の集中力はもつのが90分と聞いてたんで、3人で2時間、ひとり40分ずつって決めたんですよ。

――計算されていたんですね。

加賀美 『にじさんじ』では何をしても、最初はいい数字が出てしまうんですよ。そこに甘えてしまうと、伝わる人には伝わる。どんなお客様が我々を観ているだろうっていうペルソナマーケティング(架空の顧客を想定すること)をしたんですよね。そうなってきたときに、やはり「時間」。飽きさせないことですよね。

――ファンが衝撃を受けたのがオリジナルソング『WITH IN』のPVだと思いました。作ろうと思ったきっかけを教えてください。

加賀美 「歌」って、普遍的に通じるものがあるというのはずっと思っていて。訴えかけるような、なにかがある。校歌や社歌であったりだとか、本来関係のないものがなぜ歌を作るのか。歌は必ずアイコンになるんですよね。私は初配信をするにあたって3番目でしたので、さらっと終わったら、コンテンツの感想としては「やっと終わったわ」って思っちゃうかもしれない。「今回のノルマ」を観たからとりあえず話は合わせられる、みたいな。社内のプレゼンとかもそうなんですけど、必ず何か喉元に刺すナイフを持っておかないといけないんですよ。ここだってときに刺したいんですよ。絶対に取るっていうときに刺さないと意味がないんですよ。

――それは、ばらまくものではない?

加賀美 そうです。歌は刺さるものだと思ったんです。刃物って言葉の通じない方でも刺したら反応が返ってくる。僕のなかの『WITH IN』は、そういうナイフでしたね。

――ハードなメタルなので、聴いてびっくりしました。

加賀美 一応メタルコアなのかな。私が単純にメタルが一番好きで一番うまく歌えるからっていうのはもちろんあるんですけど、メタルって強いんですよ。強いからメタルなんですよ。

――確かにインパクトありますね。

加賀美 デスボイスって、聴いたら「デスボイスが出た!」ってなるじゃないですか。歌の上手い先輩方がたくさんいらっしゃいますので、そのなかで通用するナイフを研がないといけない。そうなったらメタル。作曲のぎゃぷいちさんとギターのKUHLUさんも『にじさんじ』のファンだったので、3人で最強の曲を用意しましょうって話しました。

――作詞はご自身でしたよね?

加賀美 自分の気持ちの部分に嘘がないほうが、物事って通じるなっていうのは、社員の方とかと話してて感じています。だからなるべく自分の言葉、嘘がないようにっていう風に作りましたね。

――「重ねないで名付けないで この声の在り方『偽善』や『罪』じゃない」という部分も印象的です。

加賀美 そこはすごく気を使いましたね! 作詞って「愛してる」って言葉では「愛」は伝わらないんですよ。「悲しい」って言葉では「悲しさ」は伝わらない。サビのメロディーが本当に秀逸な曲だったので、ここで一番言いたいことを言わなければって作りましたね。

――普段どのようなジャンルの曲やアーティストの曲を聴きますか?

加賀美 国内のカオティックコア「a crowd of rebellion」っていうバンドとか。彼らは自分の好きなものがたくさんあって、詰め込まないと気がすまないというバンドですね。密度が濃いです。声で影響を受けたのはリンキン・パークのチェスター・ベニントンです。ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードとか、ドリームシアターのジェイムズ・ラブリエとか。あとは『アイドリッシュセブン』の九条天さん。メタルじゃないんですけど、スタンスとかも含めて、声の感じは影響を受けました。『バンドやろうぜ!』の曲も結構聴いてましたね。

――今『にじさんじ』には、社築さん、夢追翔さんと27歳が多く、加賀美さんも同い年ですが、話はされますか?

加賀美 社築さんとはガッツリ話をさせていただきました。やっぱり配信のやりやすさが尋常じゃないですよね。やりやすすぎて視聴者を置いてけぼりにしていました(笑)。

――ファンとしては面白かったです。

加賀美 27から30歳前後くらいにかけてって、共通項が機能してるんですよ。例えば『ポケモン』や『遊戯王』や『ベイブレード』だったりと、分かりやすいブームがあって、その共通項でしゃべれるんです。5歳下になってくると通じるものが激減するんですよ。

――たった5歳で!

加賀美 ちょうど小学1年生ぐらいの時に『デジモン』が始まって、10歳くらいで同時多発テロがあって。上の世代っていうのはまた別の共通項があるんですよ。『幽白』や『ドラゴンボール』だったり。日本がこうだったよねっていう、熱気のつながりでしゃべれる最後の世代が、おそらく我々なのかなって。今は細分化されているかもしれないですね。娯楽のボリュームがえぐい。手元にスマートフォンがあるので、自分の好きなものに好きなだけ触れる。アプリはみんな基本無料、かつそれに割く時間が膨大。これは共通項を作りずらい。他人事になっちゃいますけど、僕ら世代の『にじさんじ』ライバーを集めたコラボを観てみたいですね。絶対話したら面白いだろうなって。

――お気に入りのブランドはありますか?

加賀美 一番影響を受けたのは、バンダイと海洋堂ですね。

――ブランドと聞いてそっちが先にでるのは、さすがホビー会社の社長。立体物がお好きなのでしょうか?

加賀美 立体物で可動するものが好きですね。『ガングレイヴ』っていうゲームの主人公ビヨンド・ザ・グレイヴっていうキャラクターがいて、それのフィギュアが海洋堂から出てたんです。10年以上前だと思うんですけど、未だに関節がへたってないですね。バンダイの商品で言うと「S.I.C.」というシリーズで仮面ライダーとか出してるんですよ。造形師さんとかデザイナーさんが独自の解釈で、ものすごくアレンジを効かせるんです。それがものすごく衝撃的で。

――ホビーでアレンジとかしたら怒る人が多そうですけども。

加賀美 そうなんですよね。例えば「ガンダムといえばこれ」ってなったときに実際イメージするのは、みんな違うんですよ。それぞれのなかに「俺のガンダム」があるんですよ。その感覚を叩きつけられましたね。こういう解釈をしていいんだって。クリエイティブなことをするにあたって自分のなかの、公式に対して「自分がこう解釈した」っていうのを大事にするようになりました。

――『にじさんじ』として、ホビー会社社長として今後こういうのをやってみたいというのはありますか?

加賀美 「ねんどろいどぷち」でいろんな方々がわさわさって出たらすごいいいなって。パッケージも凝りたくて。「グッドスマイルカンパニー×加賀美インダストリアル」みたいになったらめっちゃ面白いな。『ビックリマン』とコラボしたいですね! できそうじゃないですか?

――最近コラボしてますし、今なら不可能じゃないかもしれないですね。他に夢はありますか?

加賀美 正直なところ今が夢の中っていうのがあります。これ以上何を求めようかっていうのは結構ありますね。やっぱり『ビックリマン』ですね。ウエハースを食べたいです(笑)。

――読者にメッセージをお願いします。

加賀美 今お目当てのページをめくっているうえで、私を視界に入れていただいた方、2分だけ貴方の時間を頂戴して「加賀美ハヤト」で検索してみてください! 多分我々の世代よりも1分、1秒っていうものの解像度は上がっている。その密度のなかで、1分でも2分でも時間いただくってのは大変なことだと思っています。読者の方の1分、お客様の1、2分っていうことを意識しないといけない。それを踏まえて、ものは試しなんですけども、私のほんの1ミリでも何かが気になったようでしたら、もうビジュアルでもなんでもいいです、このインタビューのなかの受け答えのひとつでもなんでもいいんです、一度「加賀美ハヤト」で検索していただいてもよろしいでしょうか。既に私を知っている方々には、ご満足いただけましたら幸いでございます。

■にじさんじ
公式サイト : http://nijisanji.ichikara.co.jp/ 
公式Twitter : @nijisanji_app
加賀美ハヤト:@H_KAGAMI2434

©2017 Ichikara Inc.

PASH! 2019年 09月号

Source: PASH! PLUS
『にじさんじ』イケボで軽快なトークとインテリジェンスが光る!ニューカマー社長ライバー・加賀美ハヤトにインタビュー

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