『にじさんじ』所属のバーチャルライバー・社築&夢追翔のふたりにインタビュー! 27歳の同い年で、好きなものを追いかけ続ける男たちが趣味と情熱を語る。
(※本インタビューは、「PASH!」2019年8月号に掲載されたものです)
<インタビュー>
――おふたりはどのような生活を送っていますか?
夢追 ぼくは台風で壁に穴が開いて天井が半分ない、ボロボロのライブハウスに住んでいて、復興を目標に活動をしています。
社 私は普段は会社で暮らしているというか…。
夢追 会社で暮らしてるんだ(笑)。
社 そのなかで、オタク趣味に時間を費やしていますね。趣味と仕事の両立は命を削っているなーと感じます。
――普段どんなものを食べたり飲んだりされているのでしょうか?
社 カレーとビールです。ビールを飲まない日はあまりなく、カレーは週5くらいでした。
夢追 お金がないので、もやしがメインになっちゃいますね。あと食パンとか。豆腐とか。お肉が食べたいなとも思うんですけど「夢追が肉を食べると解釈違いだ」っていうファンの方がいるので、隠れてこっそり食べてます。
社 いけない肉を食べてるみたいだね(笑)。
夢追 ブラジル産の鶏胸肉を食べてるんですけどね…30%引きのやつ。
社 100g58円くらいのね。
――お気に入りのお酒はありますか?
社 直輸入店から通販で買ったベルギービールをよく飲みます。シメイブルーとウェストマールですね。トラピスト系のベルギービールが好きです。
夢追 社さんめっちゃお酒に詳しいイメージあります!
社 こだわりかもしれないです。私はいろいろ趣味があるんですけど、食べ物って気楽に掘れるので。
夢追 いいなぁ。瓶に入っているお高いビール、めちゃくちゃおいしそうだなあと思って、いつもスーパーで眺めています…。ぼくは日本酒ですね。ちびちび飲めるところが好きですね。
社 節約家向けと言っていいのかな。ビールとかだと開けたら炭酸抜けちゃうからね。
――おふたりが興味を持っているアニメ・漫画作品を教えてください。
夢追 (即答で)『プリティーリズム・レインボーライブ』ってアニメです! PASH!読者は女性が多いと思うので、観てない人がいたらぜひ観てくれと、それを伝えに今日来ました!
社 狙いに来たなお前(笑)。
夢追 女児向けアニメのなかに熱血的なスポ根漫画的な熱さがストーリーに組み込んであって。スポーツを通して成長していくその様をぜひ皆さんに観ていただきたいなと思います!
社 私がオススメしたいのは『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』という漫画ですね。
夢追 ああー、薦められて一話を読みました。
社 漫画とか小説とか、何か創作をした人に刺さるような漫画だと思ってます。27歳の女教師たちが「これはみんなに受けるだろう」と思っていた曲が誰にも刺さらず、ライブハウスがシーンってなるシーンがあるんです。主人公は打ちのめされるんですけど、現実を受け入れて死に物狂いで、新たな曲を探すんです。私がライバーとしてにじさんじでデビューする前に、失敗を恐れず一歩踏み出して挑戦をする勇気を与えてくれた漫画なんです。
――他のメンバーとのコラボや活動で印象に残っているものを教えてください。
夢追 『にじさんじドリクラーズ』(ゲーム『ドリームクラブ』でヒロインのひとりであるナオを5人で攻略するコラボ)ですね。永遠に続けたいと思っちゃった。
社 みんなで協力して、ナオに辿り着こうとする、いいコラボだったよね。
夢追 やってることはキャバクラ風のゲームだけど(笑)。
社 いい歳した大人が5人がかりで若い女の子を落としにかかる絵面。「見えそう見えそう!カメラ下!下!」とかね。
夢追 とてもPASH!の読者には観せられない(笑)。
社 低俗なやつ! だけど楽しさはあったね。私は『OTN組(社築・花畑チャイカ・名伽尾アズマがお酒を飲みながらバーで、ゲストを呼んでおしゃべりする配信)』コラボと、『ド葛本社(ドーラ・本間ひまわり・葛葉・社築が擬似家族を作るコラボ。社築はお父さん役)』ですかね。OTN組は、デビュー当時私がどうこれからやっていけばいいのかって悩んでいる時に、ある程度活動の指針を与えてくれた、心の拠りどころみたいなコラボです。「ド葛本社」はいつの間にか「家族」として定着してしまったんですけれども、4人が支え合っている関係なので大事にしていきたい。今後、末永く続いていくと思います。
夢追 社さん一家の大黒柱のようだ。
社 まあな(笑)。実際は他の3人に支えられているんだけど、誰ひとり欠けちゃいけないなと思っています。
――社さんはソロ配信で、特に思い入れのあったものはありますか?
社 やっぱ『beatmania ⅡDX』の実況配信ですかね。去年の11月くらいから始めて、プロの方(DOLCE.氏)とコラボするに至っていたりして。反響の大きさに本当に驚きました。私に触発されて、やってみたくなったというコメントがあると新規層を増やすという意味でゲームに恩返しができたかなぁと感じて幸せです。正直夢が叶いすぎて怖いです。ハッカドールのコラボと『beatmania』で、大体叶えてしまったので、幸せすぎて怖い…。
――夢追さんは夢が叶ったという瞬間今までありましたか?
夢追 今活動できていること自体が僕は嬉しい状態ですね。バーチャルライバーとして出てくる前は、ストリートライブ活動していたんですけど、2、3人通りがかるとか、近所のパン屋のおばあちゃんがたまに観にきてくれるとかばかりで。今はたくさんの人に自分の曲を聴いていただける環境に自分の身を置けている。その状態自体、夢が叶い続けているようなものです。
社 確かに、路上とかでやるよりはるかに大勢の人が配信を聴いているもんな。
夢追 そうですね。日々夢が叶い続けている、どんどん前に進めているなっていう感覚を持っています。
――曲を作る時に自分なりに意識しているものはありますか?
夢追 ぼく「頑張れ」って言葉がすごい嫌いで。無責任だなと思っちゃって。心に闇を抱えた人に対して、背中を押すだとか、前に向かって引っ張っていくみたいな偉そうなニュアンスじゃなくて、そっと寄り添うような言葉遣いができるように、意識してますね。背中を押す曲を否定しているわけじゃなくて、自分には合わないなと思って。
――一年近く配信してみて気付いたことや分かったことはありますか?
社 自分の好きなことは発信するべきだ、ということです。良さを広めていくことは、いつか自分に返ってくる。私はデビューするずっと前から「これを観ろ!」というタイプで、それがライバーになってからは注目してもらえたりコラボできたりと、最高のかたちで返ってくることがあるんだなって。
夢追 やりたいということが、夢への第一歩みたいなところがありますね。
社 そうです、恥ずかしがらずにね。私は幼い頃から、オタクを隠さない人間でしたし。まあ、辛いこともありましたけどね色々(笑)。
夢追 ぼくは、リスナーさんの意見を聞くのは3割ぐらいでちょうどいいなーっていうのが、最近思ってることです。悪い意味じゃなくて。ありがたいことに「こういう配信観たい」みたいなことをすごい言ってくれるんですよ。ただ「観たい」って言ってくれたからやる、という動機で始めたものって、自分でもやってて楽しくならないし結果的にリスナーも喜んでくれないんですよね。だから自分のやりたいことを好き放題やる。そうした時のほうがそのリスナーさんからの反響が大きいって気付けました。好きなことをして生きていけなかったら、生きていたくない。
社 私も、好きなことできないなら死んだほうがいい。特に未練もないし。
夢追 …我々ひょっとして暗い?(笑)
社 だってしょうがないもの、好きなことを発信している立場だから。私もどんなに忙しくても趣味の時間だけはこじ開けているようなところがありますし。
夢追 そうですね、好きなことやってなんぼな人生ですね。ぼくは誰かにどうにかなってほしいとかいう押しつけがましい感情はあまりなくて、自分が好き放題やっているっていう様を見せて何か感じてくれたらいいやっていうぐらいのテンションです。
社 自分の発信するものに「影響されろ」みたいなエゴはないのね。
夢追 そうですね。ぼくの曲を聴くからには自殺を止めてくれ、みたいな感じではないかな。自分はこうだとアピールしてるだけです。
社 私は、社会人になると趣味をやめる人がめっちゃ多いのが気になってました。生きがいを捨てないでほしい、という思いが伝わればいいなと思っています。趣味とか打ち込めるものがあると、人生楽しいよと。私が楽しくやることを意識しているので、それを見て感じとってくれる人がいてほしい。アイデンティティなので。
――夢や野望はありますか?
夢追 バーチャルの枠を越えて、ひとりのアーティストとして認知されることです。オリコンで、米津玄師、菅田将暉、夢追 翔みたいな(笑)。
社 いいね! 夢はでっかくだな。
夢追 だから人権がほしいですね。現存するアーティストと同じ立場になりたい。
社 自分の好きを、今までの自分を裏切りたくないというのが夢……決心かもしれません。オタクである自分を誇りたい。この生き方をしてきて、間違いなかったなと思っています。
――読者へのメッセージをお願いします。
社 活動のなかで、オタク趣味の楽しさを伝えている自信はあります。もし私と気が合うようであれば、趣味や好きなものを語り合えればなと思っています。うちのリスナーも「好き」を隠さない人が集まっているので。普段はオタク趣味が恥ずかしいかもしれないですけれども、私の配信ではそれを解放していいので。抑圧されていたらぜひいらしてください。
夢追 にじさんじのライバーは70人越えして、いろんなライバーがいますので、必ずみなさんの好みにあうライバーがひとりはいると思います。なので探していただきたいなと。初めてぼくを知ってくださった方はぜひ、まずはオリジナル曲を聴いていただきたい。普段のソロ配信でも「音楽で遊ぶ」がテーマの配信をしているので、もしよかったら観ていただいて、ぼくと一緒に「音楽で遊ぶ」ことを楽しんでもらえたらなと思っています。
■にじさんじ
公式サイト : http://nijisanji.ichikara.co.jp/
公式Twitter : @nijisanji_app
社築:@846kizuQ
夢追翔 :@kakeru_yumeoi
©2017 Ichikara Inc.
Source: PASH! PLUS
『にじさんじ』熱血な27歳、同年代成人男性ライバー・社築&夢追翔にインタビュー!趣味と情熱を語る