PASH!12月号では、TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』より、駒田由貴監督のコメントを掲載しています。
本記事では、その一部を特別に掲載!
——第二期の情報が解禁された際、「より熾烈な戦いを描くべく、監督・駒田由貴(『無限の住人-IMMORTAL-/助監督』)さんを起用」とありました。全体を通して、本作の戦闘シーンを描く際に意識していることは?
このアオリ文に関してはアニプレックスさんの妙技みたいなところがあって、自分自身がそういった特徴を備えられているのかはあまり自信がないのですが(笑)、少なくとも、原作を読んでいた当時、熱中して読んでいたあの頃の気持ちを思い出しながら、なるべく原作の表現を真摯に受け止めて、アニメーションとして再構築できないか常に模索しております。強いて言えばいつも自分が絵コンテを切っているときはセリフに限らず効果音のタイミングまでかなり意識してテンポをとっているので、そういったリズムなどが画面に出てくれていると嬉しいな、とは思っております。
——監督ご自身で特に印象に残っているキャラクターはいますか?
意外かもですが、個人的には(佐渡島)方治が好きなので、あの独特の感情や熱量を表情や芝居などに落とし込むときは気を使いつつも楽しくやらせていただいております(笑)。何もしなくても芝居がかってしまう人物なので画が負けないように気を付けたいですね。あとは印象という点で言うと、翁役の千葉 繁さんにはいつも楽しいお芝居を繰り広げていただけているので「さすがだぁ…」と毎度思いながら収録に立ち会わせていただいています(笑)。
——放送済みの第25話~第30話を改めて観返すファンへ向けて、注目してほしいシーンの制作裏話をお聞かせください。
やはり第25話でしょうか。自分自身で初めて『るろうに剣心』の絵コンテを描いた話数でもありますので。絵コンテを執筆している際に、ふと「何で今私は左之助を描いてるんだろう…」と当時原作ファンだった身としては不思議な気持ちになって、友人に連絡した記憶があります(笑)。まさにその左之助と斎藤の拳打による戦闘からアクションが始まっていくわけですが、この辺りに限らずアクション監督の菊地(勝則)さんにはいつもカッコいい殺陣を描いていただいていて、大きな魅力になっているかと思います。
裏話的なところで言うとカット1の空は実は実写の加工です。京都…と言いたいところですが広島へ別の取材へ行ったときの空ですね(笑)。あとは薫が「追えなかった…」と落ち込んでいる辺りの回想シーンには砂利を撮影した実写素材を上に重ねています。ざらざらした感じが欲しかったので…。ちなみにこれは東映太秦映画村の砂利です(笑)。
推したいカットで言うともうひとつ、最後に蝶々が時空を渡って(理屈上はもちろん別個体です、笑)剣心にたどり着く原作にないカットを作ったのですが、これはシナリオにも存在してなくて、コンテのときに自分で足したシーンです。私には師匠と思っている人がふたりいるのですが、そのひとりが「主人公を立てる」ことをとても大事にしていた方なので、その影響もあって物語のはじめの話数は剣心で始めて剣心で締めたいと考えていました。うまくいっていると嬉しいです。
——最後に、『るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚−』の原作漫画/TVアニメそれぞれの魅力はズバリ何だと思いますか?
アクションシーンだけでなく、カッコいい技や武器など少年漫画として押さえておきたい部分はもちろんですが、魅力的なドラマや人間模様、それぞれの「信念」の描き方が抜群で、少年少女だけでなく大人も楽しめる濃厚な作品だと思っています。実際大人になって読み返してもいろいろな発見があって、長く楽しんでいけるとても良い作品です。TVアニメではその原作の良さをお借りしつつも、音や色、もちろんアニメーションとしての楽しさなど漫画では表現しきれない部分に触れることで皆様にそれをお伝えすることができればこのうえなく幸いです。引き続きご期待ください!
※PASH! 2024年12月号より一部抜粋。
TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』公式サイト
©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」製作委員会
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